人物
東京都出身。先天性の感音性難聴を持って生まれる[1]。小・中学校はろう学校ではなく一般の学校に通っていたが[2][3]、中学卒業後は(東京都立石神井ろう学校)(現・東京都立中央ろう学校)に進学[4]。卒業後、2年間の社会人生活を経て、大阪の写真専門学校に入学するが中退[5]。
2007年、障害者プロレス団体「ドッグレッグス」に所属し、陽ノ道(ひのみち[6])のリングネームでプロレスラーとして活動[7]。2009年には長らく無差別級世界王者の座を守ってきた(鶴園誠)からその座を奪った[8]。なお、2016年にその鶴園に判定負けし、再度王者の座を明け渡している[9]。
2009年にキヤノン写真新世紀で飯沢耕太郎より佳作賞を受賞。2010年にキャノン写真新世紀で佐内正史より優秀賞を受賞。2014年に日本写真協会新人賞を受賞[10]。2019年に『感動、』で木村伊兵衛写真賞最終候補。
俳優・窪田正孝の写真集やバンド・Mr.Children、SEKAI NO OWARI、クラムボン、森山直太朗といったアーティストなどの写真[11]やPVなどの撮影の他、ろう者である自身の体験をつづったエッセイも発表している。妻の(盛山麻奈美)も齋藤と同じくろうの写真家である[12]。夫妻には二児がおり[11]、聴覚障害を持っていないCODAだが手話を第一言語として育っている[5]。
2020年には、齋藤が主演のドキュメンタリー映画『うたのはじまり』がシアター・イメージフォーラム(渋谷)などで全国順次公開された[12][13]。
2022年には、おかあさんといっしょのエンディングテーマ、『きんらきらぽん』を作詞した。
著書
エッセイ
- 『それでもそれでもそれでも』(2017年、ナナロク社) ISBN (978-4904292754)
- 『声めぐり』(2018年、晶文社) ISBN (978-4794970305)
- 『異なり記念日』(2018年、医学書院) ISBN (978-4260036290)
写真集
- 『感動』(2011年、(赤々舎)) ISBN (978-4903545752)
- 『写訳 春と修羅』(2015年、ナナロク社) ISBN (4904292510)
- 『感動、』(2019年、赤々舎) ISBN (978-4865411041)
その他
- 『日本国憲法』 写真(2022年、港の人)ISBN (978-4896294064)
出演
テレビ番組
- ろうを生きる 難聴を生きる(2013年1月16日、NHK Eテレ)[14]
映画
- (うたのはじまり)(2020年2月22日公開、SPACE SHOWER FILMS、監督:(河合宏樹))
脚注
- ^ “齊藤陽道「声めぐり」 | レティシア書房 - 古書・ミニプレス&ギャラリー”. 2020年5月13日閲覧。
- ^ 平尾勇貴 (2019年1月30日). “ろう者の写真家・齋藤陽道が手話で語った少数者としての「生存戦略」”. withnews2020年5月13日閲覧。
- ^ 齋藤陽道(インタビュアー:林勝一 (東京都人権啓発センター))「写真を通して探す「声」 聞こえなくても伝わる「何か」もまた声」『TOKYO人権 第72号』、2016年11月28日2020年5月13日閲覧。 。
- ^ “齋藤陽道 | 著者”. SYNODOS -シノドス-. 2020年5月13日閲覧。
- ^ a b 千葉雄登. “「異なることがうれしい」 ろう者の写真家・齋藤陽道が「聴こえる」子どもを迎えて”. BuzzFeed. 2020年5月13日閲覧。
- ^ “誇り高く戦う、障害者レスラーたち 東京”. AFPBB News. (2011年11月11日)2020年5月13日閲覧。
- ^ “音のない世界から「ありのまま」を撮る 「宝箱-齋藤陽道 写真展」 椹木野衣 (1/5ページ)”. SankeiBiz. (2013年12月25日)2020年5月13日閲覧。
- ^ “これが障害者プロレス ドッグレッグスだ!”. 別冊ミルホンネット (2009年8月21日). 2020年5月13日閲覧。
- ^ “障害者プロレス団体、25周年興行「不愉快でもいい」”. 朝日新聞. (2016年4月24日)
- ^ 読売新聞 2023年2月21日 23面
- ^ a b “「"うた"は僕にとって、自然なものになりました」 写真家・齋藤陽道のドキュメンタリー映画『うたのはじまり』、ファミリー4人で笑顔の初日舞台挨拶開催!”. Rooftop (2020年2月25日). 2020年5月13日閲覧。
- ^ a b ““ろう”の写真家・齋藤陽道のドキュメンタリー映画『うたのはじまり』”. IMA ONLINE. (2020年2月3日)2020年5月13日閲覧。
- ^ “映画『うたのはじまり』“ろう”の写真家・齋藤陽道が、嫌いだった「うた」に出会うまでのストーリー”. FASHION PRESS. (2019年11月25日)2020年5月13日閲覧。
- ^ “齋藤陽道がNHK Eテレ「ろうを生きる難聴を生きる」に出演します”. AKAAKA (2013年1月16日). 2020年5月13日閲覧。
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 齋藤陽道 (@saitoharumichi) - Twitter
- 齋藤陽道 (saitoharumichi) - note
- 写真家 齋藤陽道 (photo.exhibition.treasure) - Facebook