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徳川女系図

徳川女系図』(とくがわおんなけいず)は、1968年公開の日本映画吉田輝雄主演、石井輝男監督。東映京都撮影所製作、東映配給。併映は『前科者』(若山富三郎主演、山下耕作監督)。

徳川女系図
The Shogun and Three Thousand Women
監督 石井輝男
脚本 (内田弘三)
石井輝男
出演者 吉田輝雄
三浦布美子
有沢正子
南原宏治
小池朝雄
音楽 八木正生
撮影 (吉田貞次)
編集 (神田忠男)
製作会社 東映京都
配給 東映
公開 1968年5月1日
上映時間 90分
製作国 日本
言語 日本語
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概要

日本の大手映画会社が初めて製作したピンク映画[1]。実質的な"東映ポルノ"のスタートで[2][3]石井輝男監督の"異常性愛路線"と呼ばれるエログロ映画第1作[4][5][6]

あらすじ

徳川五代将軍綱吉大奥というハーレムで、やりたい放題の生活をしている。女たちは常盤井たちの御台所派と、お伝の方の二派に分れて対立していた。二派の対立は日ごとに深まり、綱吉の乱行もさらにエスカレートしていく[1]

製作経緯

企画

企画は"東映ポルノ"の仕掛け人・岡田茂プロデューサー(のち、東映社長)[1][7]岩崎栄の原作は題名だけがよいという理由で拝借しただけである[8]。1968年当時、"任侠映画"に続く鉱脈を探していた岡田が独立プロ製作による低予算エロ映画(ピンク映画[9]費用対効果の高さに目をつけ[10]、懐刀の(天尾完次)プロデューサー[11][12]に製作を指示[2][13]、自身は石井輝男に監督要請を行った[8][14]。石井は当時『網走番外地』という高倉健主演の超人気シリーズを手掛けていたが、もう飽き飽きしていて「何か別の事をやりたい」と岡田からの要請に応えた[8]

メジャー映画会社初のピンク映画

本作以前にも大手映画会社は古くからエロティックな映画や成人映画を作ってはいたが[15]これらの映画は基本的に会社の専属女優によるエロティックな場面が一部含まれるだけで、女優のヌードセックスシーンがたくさん登場するということではなかった。ところが1960年代に入り大蔵映画国映などの独立プロがこうした性描写をメインとするエロ映画を量産し、これをピンク映画と呼ぶようになったが[16]、大手五社がこのピンク映画に手を染めることは大きな抵抗感があった[17]。しかし東映の岡田茂プロデューサーは恥も外聞もなく一線を越える[18][19]。本作が大手映画会社初のピンク映画と呼ばれる理由は、東映専属の女優以外にピンク映画の女優を大量投入したことである[1](少数出演した映画はこれ以前にも数本ある[18])。大手映画会社専属の女優は簡単には脱いでくれなかった[17]。岡田はこれらを当初「刺激性路線」とネーミングしていた[20][21]

製作

石井は「人間はと深く関わっているが、当時はそんなに追及されているテーマではなく、一度やってみたいと思っていた」[8]、ピンク映画は全く観たことがなく「予備知識なしで自分流の成人映画を作ろうという気持ちで出発した」と述べ[1]菊池寛の『忠直卿行状記』を話の核としたと述べている[1]

興行成績とその後の展開

これだけ女性の裸が満載の映画はこれ以前には無く、センセーショナルを呼んだ[8]。このため「女性を侮辱している」と婦人団体や評論家からバッシングを受けた[8]。しかし結果的に話題にもなり奇跡の大ヒットを記録[19]、3000万円の製作費でたちまち一億円以上稼いだといわれる[22]。岡田の所見は「予想よりおとなしい作品になった」という見方であったが[1]これはのどかな序の口に過ぎなかった[1]。石井は岡田の意図を大胆に表現[23]、本作以降、ヌードセックスだけでなく、サドマゾ拷問処刑等、グロテスクな描写を取り入れ、"異常性愛路線"をエスカレートさせていく[5][18][19]。『徳川女系図』と『徳川女刑罰史』の大ヒットを見てこの年、常務取締役企画製作本部長に就任した岡田茂は、1970年代半ばの実録映画の隆盛まで、任侠映画、実録映画とエロ映画の二本立て、三本立て興行の路線を敷く[3][24][25]

影響

"東映ポルノ"の大成功で、当時テレビの大攻勢によって観客減に悩んでいた邦画大手映画会社は東映に追随し、次々とエロ路線に傾斜していった[10][26][27]

スタッフ

  • 監督:石井輝男
  • 企画:岡田茂・(天尾完次)
  • 原作:岩崎栄
  • 脚本:(内田弘三)・石井輝男
  • 撮影:(吉田貞次)
  • 美術:(矢田精次)
  • 編集:(神田忠男)
  • 音楽:八木正生
  • 助監督:(荒井美三雄)

キャスト


出典

  1. ^ a b c d e f g h #映画魂、184-189、333頁
  2. ^ a b #ピンキー、36-37頁「東映ピンキー・バイオレンスのゴッドファーザー 岡田茂&天尾完次を称えよ!!」
  3. ^ a b #任侠、227-228頁
  4. ^ #桃色、158-167頁「石井輝男・荒井美三雄インタビュー」
  5. ^ a b #アナーキー、66-67、92-93頁
  6. ^ 【映画】石井輝男映画魂 公式ブログ: 石井輝男監督、東映任俠映画を生み出した名監督・名プロデューサーたち - 隔週刊 東映任侠映画傑作DVDコレクション - DeAGOSTINI 、flowerwild.net - 内藤誠、『番格ロック』を語る vol.3
  7. ^ #キネ旬19696、126-128頁
  8. ^ a b c d e f #ピンキー、232-237頁「石井輝男インタビュー」
  9. ^ #アナーキー、76-77頁
  10. ^ a b #秘宝20118、44-45、54頁
  11. ^ #シネマの極道、53頁
  12. ^ #秘宝20118、54頁
  13. ^ 東映キネマ旬報 2011年夏号 Vol.17 | 電子ブックポータルサイト 2015年7月3日, at the Wayback Machine.、4-9頁、シネマヴェーラ渋谷「追悼!天尾完次」
  14. ^ 新文芸坐:映画チラシサイト
  15. ^ #全史、31頁
  16. ^ #水滸伝、35頁
  17. ^ a b #風雲、143-145頁
  18. ^ a b c #二階堂、155-158頁
  19. ^ a b c #仁義沈没、112-115頁
  20. ^ #活動屋人生、328-329頁
  21. ^ #ピンキー、22-25、48-51頁
  22. ^ #はだかの夢、189頁
  23. ^ #私の30年、150頁
  24. ^ #仁義沈没、112-115頁
  25. ^ #死なず、226-227頁
  26. ^ #アナーキー、90-91、94-95頁
  27. ^ #悪趣味邦画、276-280頁

参考文献

  • 「対談:石井輝男×井沢淳 性と残酷のかなたに」『キネマ旬報』1969年4月下旬号。 
  • 「〔トップに聞く〕 岡田茂常務 東映映画のエネルギーを語る」『キネマ旬報』1969年6月下旬号。 
  • 関本郁夫『映画人烈伝』青心社、1980年。 
  • 鈴木義昭『ピンク映画水滸伝—その二十年史青心社、1983年。 
  • 村井実山根貞男『はだかの夢年代記 ぼくのピンク映画史大和書房、1989年。(ISBN 4-479-39016-2)。 
  • 渡邊達人『私の東映30年』1991年。 
  • 松島利行『風雲映画城』 下、講談社、1992年。(ISBN 4-06-206226-7)。 
  • 石井輝男福間健二『石井輝男映画魂』ワイズ出版、1992年。(ISBN 4-948735-08-6)。 
  • 沢辺有司『悪趣味邦画劇場〈映画秘宝2〉』洋泉社、1995年。(ISBN 978-4896911701)。 
  • 杉作J太郎・植地毅(編著)『東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム』徳間書店、1999年。(ISBN 4-19-861016-9)。 
  • 俊藤浩滋・山根貞男『任侠映画伝』講談社、1999年。(ISBN 4-06-209594-7)。 
  • 松島利行『日活ロマンポルノ全史―名作・名優・名監督たち』講談社、2000年。(ISBN 4-06-210528-4)。 
  • 春日太一『時代劇は死なず!:京都太秦の「職人」たち』集英社〈集英社新書〉、2008年。(ISBN 978-4-08-720471-1)。 
  • 鈴木義昭『昭和桃色映画館 まぼろしの女優、伝説の性豪、闇の中の活動屋たち』社会評論社、2011年。(ISBN 978-4-7845-0964-5)。 
  • 「東映不良性感度映画の世界」『映画秘宝』、洋泉社、2011年8月。 
  • 春日太一『仁義なき日本沈没 東宝VS.東映の戦後サバイバル』新潮社〈新潮新書〉、2012年。(ISBN 978-4-10-610459-6)。 
  • 『鮮烈!アナーキー日本映画史 1959-1979』洋泉社〈映画秘宝EX〉、2012年。(ISBN 4-86248-918-4)。 
  • 文化通信社『映画界のドン 岡田茂の活動屋人生』文化通信社、2012年。(ISBN 978-4-636-88519-4)。 
  • 日下部五朗『シネマの極道 映画プロデューサー一代』新潮社、2012年。(ISBN 978-410333231-2)。 
  • 二階堂卓也『ピンク映画史』彩流社、2014年。(ISBN 978-4779120299)。 

外部リンク

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