志太郡衙跡(しだぐんがあと)は、静岡県藤枝市南駿河台にある古代駿河国志太郡の郡家(郡衙)の遺跡。別名を御子ヶ谷遺跡(みこがやいせき)。国の史跡に指定されている。
概要
1977年(昭和52年)に団地造営のための区画整備を行っている際に発見され、その後の発掘調査によって掘立柱建物30棟をはじめ、門や板塀、井戸・道路などの遺構が次々と発見され、古代郡衙の構造を示すものとされた。さらに出土した260点余りの墨書土器から、「志太」という地名と大領・少領・主帳などの郡司の官職名が確認され、志太郡の郡衙跡と判明した。このため、当該区域での団地造営は中止され、史跡公園として整備された。
遺構は東西と南側を丘陵に囲まれた谷部に位置し、8世紀前半から9世紀前半にかけて3期の造替を繰り返したと見られる[1]。建物は南北に棟の方位を揃えた規則的な配置であるが、小規模かつ典型的な郡庁と異なる構成であるため、郡庁や正倉ではなく厨家や館の遺構と推測される[2]。
井戸と掘立柱建物群(1棟のみ復元)
掘立柱建物A
正門(左)と通用門(右、いずれも復元)
石敷道路
正面に正門、左に沼地(大量の木製品が出土)。「志太」墨書銘土器
志太郡衙資料館展示。出土品(複製)
国立歴史民俗博物館展示。
文化財
国の史跡
- 志太郡衙跡 - 1980年(昭和55年)10月22日指定[1]。
静岡県指定文化財
関連施設
志太郡衙資料館
- 開館時間:午前9時-午後5時
- 休館日:月曜日、祝日翌日、年末年始
脚注
参考文献
外部リンク
- 志太郡衙資料館 - 藤枝市ホームページ