建具(たてぐ)は、建築物の開口部に設けられる開閉機能を持つ仕切り。おもに壁((外周壁)や(間仕切壁))の開口部に取り付けられて扉や窓として用いられることが多い。用途は、出入口、(通風口)、採光、(遮音)、防犯など多岐にわたり、それぞれさまざまなタイプの建具が用いられている。 2020年「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」がユネスコ無形文化遺産に登録され、この中に「建具製作」が含まれている[1]。
おもな建具の種類
建具師
建具師の四代記を記した鈴志野勤の『細工師』によると、天保10年、江戸(本郷春木町)の初代足立屋倉吉が江戸城改築の建具を一手に引き受けた際、御用建具師と名乗ることを許されたという記録が建具師としてもっとも古いものとされる。鈴志野は、上野谷中にあった天王寺の五重塔の棟札に細工棟梁とあるのを知って、当時の細工師が建具専門業者でなかったかと推測し、また、江戸時代には大工のなかに造作専門の者がおり、建具はそれら専門の大工が建築現場で作っていたが、文化・文政時代から建具製造が専門化して細工師となり、天保時代になって建具師となったとも考えられると記している[2]。