平成29年台風第13号(へいせい29ねんたいふうだい13ごう、アジア名:Hato)は、2017年8月に発生し、中国南部や香港、マカオなどに被害をもたらした台風である[1][2]。
概要
2017年8月18日ごろに形成が始まった低圧部が、19日21時(協定世界時19日12時)にフィリピンの東海上で熱帯低気圧になった。合同台風警報センター(JTWC)は同日23時(協定世界時19日14時)に熱帯低気圧形成警報を発表。20日、JTWCは熱帯低気圧番号15Wを付番し、フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)はフィリピン名「イサン(Isang)」と命名した。15Wは20日21時にフィリピンの東(北緯19.7度、東経126.9度)で台風となり[3][4]、アジア名「ハト(Hato)」と命名された。命名国は日本で、「はと座」に由来する[5][6]。台風は発達しながら南シナ海を西進し、23日に強い勢力で香港やマカオなどに接近し、その後同日午後に華南の広東省珠海市付近に上陸[7]。上陸時の中心付近の最大風速は45m/sであった[8]。そして台風は、24日21時に華南(北緯23.8度、東経104.5度)で熱帯低気圧に変わった[9]。
影響・被害
人的被害(国別)
その他の影響・被害
- 香港では大規模な高波が発生。沿岸部の木々は多くが倒れ、ほとんどの店舗は閉鎖を余儀なくされた[1]。
- 香港天文台は同日9時10分(日本時間10時10分)、警報レベルを5年ぶりにシグナル10に引き上げた[10]。
- 香港国際空港では480便もの航空機が欠航となった。
- 香港での最高水位は漁村で3.7mを記録し、ランタオ島では約35.3m/sの最大風速を観測した[1]。
- 香港は台風の直撃を受けたが、死者はいなかった。過去に香港を直撃した最強の台風は、1962年の台風16号で、風速約79m/sを記録したほか、130人が死亡し、住宅数千棟が破壊され、7万2000人が家を失った[11]。それ以来香港では、超高層ビルも風を受け流せる構造としたり、広範な防災手順を定めたりする等の台風災害への対策を推進した結果、台風による死者は滅多に出なくなった[11]。
- カジノが多いことで知られるマカオでは、市内全域で停電が発生した[1]。
- 香港だけでなく、深圳や珠海、マカオでも所々で倒木や高波、一部では堤防崩れも発生した[2]。
- ベトナムでは台風によって大雨と竜巻が発生した。
被害の様子
香港
マカオ
その他
この台風のアジア名である「ハト(Hato)」は、この台風限りで使用中止となり、次順からは「ヤマネコ(Yamaneko)」というアジア名が使用されることになった。
脚注
- ^ a b c d “台風13号、中国南部を直撃 12人死亡”. CNN.co.jp. 2020年6月23日閲覧。
- ^ a b “【香港・マカオ直撃】台風13号ハトが上陸後も猛威”. ウェザーニュース. 2020年6月23日閲覧。
- ^ “”. 気象庁 (2017年8月20日). 2017年8月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月20日閲覧。
- ^ “台風13号「ハト」発生”. 日本気象協会 (2017年8月20日). 2017年8月20日閲覧。
- ^ “デジタル台風:2017年台風13号(ハト|HATO)”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年6月21日閲覧。
- ^ 『(ハト)』 - コトバンク
- ^ “中国南部・マカオで16人死亡=台風13号”. 時事通信 (2017年8月24日). 2017年8月24日閲覧。
- ^ “香港・マカオ・中国広東省 台風13 号(ハト)による被害”. 2020年6月23日閲覧。
- ^ “台風13号 熱帯低気圧に変わりました”. 日本気象協会 (2017年8月24日). 2017年8月24日閲覧。
- ^ “”. AFPBB NEWS (2017年8月24日). 2017年8月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月24日閲覧。
- ^ a b “”. AFPBB NEWS (2017年8月24日). 2017年8月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月24日閲覧。