岡崎 静夏(おかざき しずか、1992年6月12日 - )は、神奈川県横浜市出身のモーターサイクル・ロードレースレーサー。全日本ロードレース選手権・J-GP3クラスに日本郵便 Honda Dream TPより参戦中。産業能率短期大学経済学科卒[1]。
来歴
3才の時に器械体操を始める。小学校5年生の時に3歳年下の弟の影響でポケバイレースに出場したことがレースデビューのきっかけになった[2][3]。2007年に日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)の主催する「ロードレースアカデミー」に入学、本格的にオートバイレースの世界に入る。
2009年・2010年と2年連続でMFJ主催の女性限定レース・MFJレディースロードレースでシリーズチャンピオンを獲得。2009年度もてぎロードレース選手権・GP-MONOクラス(4ストローク単気筒250cc自然吸気エンジンを搭載するレース専用バイク)のランキングにより国際ライセンスに昇格。2010年からは同じGP-MONOクラスのマシンではあるが、全日本格式である全日本ロードレース選手権へと参戦する舞台をステップアップした。 2011年の全日本SUGOラウンド決勝レース中、SPインコーナーで転倒を喫し右手首・右手小指・左足首を骨折[4]。レース人生初の大けがを負い数戦欠場。翌2012年から全日本選手権のJ-GP3クラスへとステップアップ。
デビュー当時「現役女子高生」のレーサーだったことからメディアからの注目も高く、『モーターサイクリスト』(八重洲出版)・『(ヤングマシン)』((内外出版))等のバイク雑誌にて連載を担当するほか、『ジャンクSPORTS』『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ)[5]や『大人のバイク時間 MOTORISE』(BS11)[6]などへの出演歴がある。
2016年の全日本ロードレース開幕戦・筑波サーキットで最終ラップまで4位争いのバトルを繰り広げた結果[7]、6位に入賞。熊本地震の影響でオートポリスラウンドがキャンセルされ全5戦のシーズンとなったが、年間ランキングで最高順位を更新する6位となった。同年には10月のロードレース世界選手権シリーズ第15戦日本グランプリのMoto3クラスに主催者推薦枠として出場、女性レーサーが世界グランプリに出場するのは(井形とも)以来21年ぶりであった[8][9]。世界グランプリには2018年も日本GP Moto3クラスにワイルドカード枠にて出場し決勝23位となった。
2017年、岡山国際サーキットでの決勝レースでトップ争いのバトルに加わり、終盤までトップが見える位置でのレースをしたが[10]最終ラップで転倒を喫し表彰台を逃した(20位完走扱い)。
2018年は、6月のSUGO・予選でウェット路面の中、自己最高タイとなる4位グリッドを獲得、続く筑波(レース1)では決勝自己最高位を更新する5位でチェッカーを受けるなど好結果を残す中、連日開催となった筑波(レース2)ではスタート直後の第1コーナーでハイサイドによるクラッシュを喫し、両足(左足甲および右足首)を骨折。レースの赤旗中断の原因ともなってしまった。岡崎はこの時の転倒リタイヤを「優勝に手が届く、との意識が焦りとなって現れた結果だった」と後に分析している[11]。
2020年からは9年間所属したコハラレーシングを離れ、自らのチーム「RT YOLO!」を立ち上げ全日本ロードレース・J-GP3クラスに継続参戦[12]。メカニックはポケバイを始めるきっかけとなった弟が担当。YOLOとはYou Only Live Once・人生一度きりの意。このチーム体制では2シーズン参戦した。
2022年から日本郵便とティー・プロ・イノベーション(TP)、ホンダがダッグを組む『日本郵便 Honda Dream TP』からJ-GP3クラスに参戦することが発表された[13]。
これまでの全日本選手権決勝レース最高位は4位(2019年・ツインリンクもてぎ)であり、岡崎自身も『今年こそは表彰台』[14]『今年こそ 優勝』[15]を目標に挙げている。
戦績
- 2009年 MFJレディースロードレース シリーズチャンピオン
- 2010年 MFJレディースロードレース シリーズチャンピオン
- 全日本ロードレース選手権 GP-MONOクラス ランキング19位
- 2011年 アジア国別対抗ロードレース選手権
- 2012年 全日本選手権 J-GP3クラス フル参戦開始
- 2016年 ロードレース世界選手権 日本GP Moto3クラス 予選34位・決勝26位 UQ&テルル Kohara RT
- 2018年 ロードレース世界選手権 日本GP Moto3クラス 予選29位・決勝23位 Kohara Racing Team
全日本ロードレース選手権
年 | チーム | クラス | 車番 | 使用車両 | タイヤ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 順位 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2010年 | Garage MoMo & iF (R-1) Team SHIZU & iF (R-2~最終戦) | GP-MONO | 41 | HP250RF | BS | TSU 16 | AP 21 | SUG 10 | OKA | TRM 10 | SUZ Ret | 19位 | 27 | |
2011年 | コハラレーシング | 19 | TRM 25 | SUG Ret | AP | OKA | SUZ 30 | NC | 0 | |||||
2012年 | J-GP3 | 88 | ホンダ・NSF250R | TRM 19 | TSU Ret | TRM 34 | SUG 31 | AP 26 | OKA 27 | SUZ1 C | 31位 | 2 | ||
2013年 | 31 | TRM 21 | TSU 21 | TRM 20 | SUG 17 | AP 19 | OKA Ret | SUZ 16 | 29位 | 15 | ||||
2014年 | 30 | DL | AP 15 | TRM1 24 | TRM2 15 | SUG Ret | OKA 12 | SUZ 20 | 22位 | 22 | ||||
2015年 | Y!mobile・コハラレーシング | 22 | AP 14 | TRM 11 | SUG 10 | TSU2 C | OKA 12 | SUZ Ret | 13位 | 37 | ||||
2016年 | UQ & テルル・コハラレーシング | 13 | TSR3 | TSU 6 | TRM 10 | AP3 C | SUG 8 | OKA 7 | SUZ 9 | 6位 | 68 | |||
2017年 | 6 | TSU Ret | SUG 15 | TRM 8 | AP 15 | OKA 20 | SUZ 13 | 15位 | 37 | |||||
2018年 | コハラレーシング | 15 | ホンダ・NSF250R | TRM Ret | SUG Ret | TSU1 5 | TSU2 Ret | AP 9 | OKA4 C | SUZ 15 | 13位 | 45 | ||
2019年 | 13 | TRM 4 | SUG 5 | TSU1 6 | TSU2 7 | OKA 15 | AP 10 | SUZ Ret | 8位 | 80 | ||||
2020年 | RT YOLO! SARD & ぱわあくらふと | 8 | TSU5 C | SUG 7 | OKA6 C | AP 10 | TRM 16 | SUZ Ret | 13位 | 30 | ||||
2021年 | 13 | TRM 16 | SUG 7 | TSU1 16 | TSU2 7 | SUZ 17 | OKA 13 | AP 16 | 14位 | 21 | ||||
2022年 | 日本郵便 Honda Dream TP | 14 | MRM 22 | SUG 17 | TSU 16 | AP 9 | OKA 11 | SUZ 12 | 14位 | 19 | ||||
2023年 | 14 | MRM | SUG | TSU | AP | OKA | SUZ |
* 現在進行中
- 1豪雨のためJ-GP3クラス決勝は中止となった。
- 2 台風18号(2015年)による鬼怒川水害が発生。サーキット近隣地域の被害が考慮され大会中止。
- 3 熊本地震 (2016年)による被害のため大会中止。
- 4 予選は行われたが、台風24号(2018年)が岡山県通過予測のため決勝日全て中止。
- 5 新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)の影響により中止。
- 6 台風10号(2020年)の西日本地域への上陸が予測されたため開催中止となった。
ロードレース世界選手権
年 | クラス | マシン | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 順位 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
(2016) | Moto3 | ホンダ・NSF250R | (QAT) | (ARG) | (AME) | (SPA) | (FRA) | (ITA) | (CAT) | (NED) | (GER) | (AUT) | (CZE) | (GBR) | (RSM) | (ARA) | (JPN) 26 | (AUS) | (MAL) | (VAL) | NC | 0 | |
2018 | Moto3 | ホンダ・NSF250R | (QAT) | (ARG) | (AME) | (SPA) | (FRA) | (ITA) | (CAT) | (NED) | (GER) | (CZE) | (AUT) | (GBR) | (RSM) | (ARA) | (THA) | (JPN) 23 | (AUS) | (MAL) | (VAL) | NC | 0 |
脚注
- ^ ホンダホームページ(全日本ロードレース選手権・岡崎静夏)
- ^ 日刊SPA!(2017年2月9日)
- ^ 東京中日スポーツ・2010年12月28日付 18面
- ^ 決勝11位走行中に転倒、レース人生初の骨折。 Kohara RT 公式リリース 2011 R5 SUGO 2011年9月6日
- ^ “あの「ヘキサゴンファミリー」が『新春2時間スペシャル 1月12日(水)夜7時放送』でモータースポーツに挑戦”. Webオートバイ. (2010年12月4日)2016年3月2日閲覧。
- ^ “明日!放送(*^^*)”. アメーバブログ (2016年3月1日). 2016年3月2日閲覧。
- ^ UQ & テルル・Kohara RTとして参戦・岡崎静夏が6位入賞!! テルルMotoUP Racing 開幕戦・筑波決勝Race Report 2016年4月16日
- ^ 朝日新聞デジタル(2016年10月13日)
- ^ carwatch(2016年10月1日)
- ^ 岡﨑静夏が初のトップ争いを繰り広げる UQ&テルル Kohara RT Media Information 2017年10月7日
- ^ ブログを更新しました!★「2019シーズン体制発表」★ 公式Facebook 2019年3月5日
- ^ 2020年シーズンのレース活動のご報告 ShizuCafe blog 2020年1月1日
- ^ 日本郵便 Honda Dream 2022年体制発表会 T.Pro.Innovation 2022年2月23日
- ^ 「今年こそ表彰台」岡崎静夏 東京中日スポーツ 2020年7月31日
- ^ 目標は、今年こそ。優勝です 公式Twitter 2021年1月3日
- ^ アジア国別対抗ロードレース選手権Rd.2 2011年8月27日
- ^ 全日本SUGO 2011年8月28日 しずかふぇBlog
関連項目
外部リンク
- 岡崎 静夏 (@okazaki_shizuka) - Twitter
- 全日本ライダー 岡﨑静夏 (@shizuka_okazaki) - Instagram
- Shizuka Okazaki岡崎 静夏 - YouTubeチャンネル
- 公式Blog(Justhy、2018.8-)
- 公式ブログ(Ameba、2010.7-)
- MOTO LADIES Riders Profile 岡崎 静夏 Shizuka Okazaki
- MFJ SUPERBIKE
- MFJ SUPERBIKE(TEAM&RIDER・Moto GP・2011年年間エントリーリスト・岡崎静夏)