山添 拓(やまぞえ たく、1984年11月20日 - )は、日本の政治家、弁護士。日本共産党所属の参議院議員(2期)。弁護士として自由法曹団、日本労働弁護団、青年法律家協会に所属する。
経歴
京都府向日市生まれ。京都市立堀川高等学校、東京大学法学部卒業。早稲田大学大学院法務研究科を修了[1]して法務博士(専門職)の学位を取得[2]。
2010年に司法試験合格。弁護士登録した2011年以降、東京法律事務所や山添拓法律事務所で、原発事故の被害賠償事件に取り組む弁護団、過労死弁護団、首都圏青年ユニオン顧問弁護団、国公労連賃下げ違憲訴訟弁護団等に参加。
2016年の第24回参議院議員通常選挙に、改選数・定数6名の東京都選挙区から日本共産党公認で立候補し、得票率10.7%を得て4位で初当選[3]。
2020年1月の第28回党大会で党中央委員に選出され、第1回中央委員会総会で幹部会委員に選出され、第1回幹部会で常任幹部会委員に選出[4]。また、新設されたジェンダー平等委員会副責任者となった。
2022年の第26回参議院議員通常選挙で、得票数3位で再選[5]。
政策・主張
憲法
外交・安全保障
- 「他国からの攻撃が予想される場合には先制攻撃もためらうべきではない」との問題提起に対し、2016年のアンケートで「反対」と回答[6]。
- 普天間基地の移設問題について、2016年の毎日新聞社のアンケートで「国外に移設すべき」と回答[8]。普天間基地の辺野古移設について、2022年の毎日新聞社のアンケートで「反対」と回答[9]。
- ロシアは2022年2月24日、ウクライナへの全面的な軍事侵攻を開始した[11]。日本政府が行ったロシアに対する制裁措置についてどう考えるかとの問いに対し、2022年のNHKのアンケートで「さらに強めるべきだ」と回答[7]。同年の毎日新聞社のアンケートで「制裁をより強めるべきだ」と回答[9]。
- 2022年6月7日、政府は経済財政運営の指針「骨太方針」を閣議決定した。NATO加盟国が国防費の目標としている「GDP比2%以上」が例示され、防衛力を5年以内に抜本的に強化する方針が明記された[12]。「防衛費を今後どうしていくべきだと考えるか」との問いに対し、2022年のNHKのアンケートで「大幅に減らすべき」と回答[7]。
ジェンダー
- 選択的夫婦別姓制度の導入について、2016年のアンケートで「賛成」と回答[6]。「自らの馴れ親しんだ姓を名乗り続けたいという思いは個人の尊厳を定める憲法の下で当然尊重されるべき」とする[13]。2022年のNHK、東京新聞のアンケートで「賛成」と回答[7][14]。
その他
- 永住外国人への地方参政権付与について、2016年のアンケートで「賛成」と回答[6]。
- 「治安を守るためにプライバシーや個人の権利が制約されるのは当然だ」との問題提起に対し、2016年のアンケートで「反対」と回答[6]。
- 2016年の米国大統領選挙について「ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンのどちらを支持するか」との問いに対し、2016年の毎日新聞社のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[8]。
鉄道
鉄道政策
山添は日本のローカル鉄道を軽視する姿勢に疑問を呈している[19]。気候変動問題の観点から、二酸化炭素の排出量が多い航空機の不必要な利用を避け、その代わりに鉄道を利用しようという、ヨーロッパでの動きを紹介して、日本でも利益重視で赤字だからとローカル線を切り捨てるのでなく、鉄道の再評価が必要だと論じている[20]。
鉄道写真家として
党のホームページなどで鉄道ファンの中でも特に写真撮影が好きないわゆる「撮り鉄」と自己紹介している[21]。
しかし2021年9月に、その前年の2020年11月3日に鉄道写真の撮影目的で埼玉県秩父郡長瀞町の秩父鉄道の敷地に無断で立ち入ったとして、埼玉県警によって鉄道営業法違反(鉄道地内立ち入り)容疑で書類送検されたと報じられた[21]。本人も容疑については認める一方、(地域住民が使用している形跡があり通行可能な道)と勘違いしていたと弁明した[21][22]。山添は当日に現場を離れて帰宅しようとした際、埼玉県警秩父署員から軽犯罪法違反にあたるとの指摘を受けていたという[23]。
この件が報道された後の9月21日、共産党の小池晃書記局長は記者会見で、昨年11月4日付で山添を厳重注意処分としていたことを明らかにした[24]。また、小池によると、山添は警察官から指摘を受けた後、電話で小池にその件を報告し翌4日、小池に「軽率な行動で深く反省している」と謝罪したという[24]。
脚注
- ^ “山添 拓(やまぞえ たく):参議院”. www.sangiin.go.jp. 2021年9月18日閲覧。
- ^ 早稲田大学学位規則第2条第6項。
- ^ “選挙区 東京”. 2016参院選 NHK選挙WEB. NHK. 2022年7月11日閲覧。
- ^ 日本共産党中央委員会の機構と人事(日本共産党第28回大会)
- ^ “東京 参議院選挙結果・開票速報”. 参議院選挙2022特設サイト. NHK. 2022年7月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “山添拓”. 2016参院選 候補者アンケート(朝日・東大谷口研究室共同調査). 朝日新聞社. 2022年5月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “選挙区 東京”. 候補者アンケート - 参院選2022. NHK. 2022年6月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g . 毎日新聞. オリジナルの2016年6月28日時点におけるアーカイブ。2022年5月18日閲覧。
- ^ a b c d e f “山添拓 共産 東京”. 第26回参院選. 毎日新聞社. 2022年6月28日閲覧。
- ^ “緊急事態条項は憲法に必要?不要? 参院選東京選挙区・主な候補者アンケート<2>”. 東京新聞 (2022年6月30日). 2022年7月5日閲覧。
- ^ “ロシアが全面侵攻開始、ウクライナは自国を防衛=クレバ外相”. ロイター (2022年2月24日). 2022年2月28日閲覧。
- ^ 川田篤志、柚木まり (2022年6月8日). “防衛費や子ども関連費倍増も 財源検討は参院選後に先送り 政府が「骨太方針」閣議決定”. 東京新聞2022年6月27日閲覧。
- ^ 「参議院選挙キャンペーン 選択的夫婦別姓賛成候補を応援しよう!」、2016年
- ^ “選択的夫婦別姓に賛成?反対? 参院選東京選挙区・主な候補者アンケート<6>”. 東京新聞 (2022年7月4日). 2022年7月5日閲覧。
- ^ “高市総務相発言 「電波停止」 波紋広げる理由とは”. 毎日新聞. (2016年2月11日)2022年7月5日閲覧。
- ^ “高市早苗総務大臣の「放送法違反による電波停止命令を是認する発言」に抗議し、その撤回を求めると共に、政府に対し報道・表現の自由への干渉・介入を行わないよう求める会長声明”. 東京弁護士会 (2016年2月16日). 2023年3月9日閲覧。
- ^ “【衆院予算委】安倍首相、電波停止「民主党政権で同じ答弁」”. 産経新聞. (2016年2月15日)2022年7月5日閲覧。
- ^ “新型コロナウイルスの感染症法上の扱いを緩和する?このまま?強化する? 参院選東京選挙区・主な候補者アンケート<7>”. 東京新聞 (2022年7月5日). 2022年7月5日閲覧。
- ^ “山添 拓 参議院議員・日本共産党「憲法いかし、希望ある日本に。」”. 山添 拓 参議院議員・日本共産党「憲法いかし、希望ある日本に。」. 2021年9月22日閲覧。
- ^ jcp-tokyo (2020年1月11日). “【新春随想】「鉄」の私 少し誇り~山添拓参院議員”. 日本共産党東京都委員会. 2021年9月22日閲覧。
- ^ a b c “「撮り鉄」山添拓・参院議員、線路立ち入りで書類送検…「道と勘違い」”. 読売新聞. (2021年9月18日) 2021年9月18日閲覧。
- ^ “共産・山添拓参院議員を書類送検 鉄道写真撮影で線路渡った疑い”. 毎日新聞. (2021年9月18日)2021年9月19日閲覧。
- ^ “共産の山添拓参院議員を書類送検 線路立ち入り容疑「機関車撮影で」”. 朝日新聞DIGITAL. (2021年9月19日)2021年9月19日閲覧。
- ^ a b “線路内に無断侵入「撮り鉄」共産・山添拓参院議員を厳重注意処分…「軽率な行動」と謝罪 : 社会 : ニュース”. 読売新聞オンライン (2021年9月21日). 2021年9月22日閲覧。
- ^ 線路横断疑いの共産・山添氏不起訴共同通信