山下 舜平大(やました しゅんぺいた、2002年7月16日 - )は、福岡県福岡市南区出身[2]のプロ野球選手(投手)。右投右打。オリックス・バファローズ所属。
経歴
プロ入り前
福岡市立野多目小学校3年生のときに筑紫丘ファイターズで野球を始め、主に捕手兼投手としてプレー[2]。福岡市立三宅中学校軟式野球部では投手兼捕手としてプレーし[3]、3年秋には福岡県選抜として『U15全国KWB野球秋季大会』で準優勝を果たした[2]。
福岡大学附属大濠高校では1年秋からベンチ入りし[3]、2年春からはエースを務め[4]、2年夏は県大会ベスト8[3]。3年時は新型コロナウイルスの影響で夏の甲子園が中止となり、県予選の代替となった(がんばれ福岡2020)福岡地区大会では準優勝であった[5]。
2020年10月26日に開催されたプロ野球ドラフト会議にて、オリックス・バファローズから1位指名を受けた[6]。11月23日に契約金8000万円・年俸700万円(金額は推定)で仮契約し[7]、12月19日には入団発表会見が行われた[8]。背番号は12[7]。
オリックス時代
2021年は春季キャンプをB班でスタートし[9]、4月15日のウエスタン・リーグの阪神タイガース戦で公式戦デビューを果たした[10]。シーズンを通して二軍で先発ローテーションを回り[11]、東京五輪期間中のエキシビションマッチでは非公式ながら一軍での登板も経験[12]。ルーキーイヤーの一軍公式戦登板は無く[11]、二軍でも18試合・65回2/3を投げて防御率5.48という成績であったが[13]、本人が「結果を見たら全然だめな結果だったんですけど、経験値のなかった自分が1年通して勝ち負け関係なくローテーションで投げさせてもらった。いろいろな経験もできた」と振り返ったように[11]、経験を積んだ1年であった[14]。オフに現状維持となる推定年俸700万円で契約を更改した[11]。
2022年は春季キャンプ直前の1月29日に実施したスクリーニング検査にて、無症状ながら新型コロナウイルス陽性が判明[15]。療養を経て2月10日にキャンプへ合流した[14]。開幕を二軍で迎えると、5月には腰痛で離脱[16]。ただ、本人が「腰は成長痛的なもので、身長が1~2センチ伸びました。ケガ前より、いい球はいっている」と話したように[17]、9月22日の二軍戦で実戦復帰を果たすと[16]、チームがポストシーズンを控えた10月8日の紅白戦では154km/hを計測[17]。同15日に出場選手登録となり[18]、登板機会こそ無かったものの、CSファイナルステージ[16]と日本シリーズ第4,5戦でベンチ入りした[19]。この年も一軍公式戦登板は無く、腰痛の影響で二軍でも8試合の登板にとどまったが、オフに現状維持となる推定年俸700万円で契約を更改した[16]。また、11月25日に『両足鏡視下三角骨摘出手術』を受けた[20]。
2023年は1月中旬に投球練習を再開[21]。春季キャンプはBグループでスタートしたが[22]、3月4日のオープン戦にて、この年初の実戦登板を果たすと[23]、オープン戦では4試合・15回1/3を投げ、被安打8・与四球1・奪三振23・防御率2.35と好成績を残した[24]。エースの山本由伸と宮城大弥がWBCに出場し、チームへの合流が開幕1週間前となった事情もあり[25]、開幕前日の3月30日に中嶋聡監督は山下を開幕投手に指名したことを明言[26]。2年目以降の一軍未登板の投手が開幕投手を務めるのは、1950年の2リーグ制以降では史上初となった[27]。同日、開幕時の出場登録選手と開幕戦の予告先発投手として、NPBから公示された[28]。1軍初登板となった3月31日の対埼玉西武ライオンズ1回戦(ベルーナドーム)では、5回3分の1を1失点、同点の場面で降板したため勝敗はつかず、翌日一旦登録抹消となる。4月11日、2度目の登板となった対東北楽天ゴールデンイーグルス1回戦(楽天モバイルパーク宮城)では5回無失点、味方の援護もありチームは6-0で勝利、プロ入り初勝利となった。5月5日の埼玉西武ライオンズ7回戦では7回無失点に抑え、3連勝。連続イニング無失点を20回1/3に伸ばした[29]。
選手としての特徴
190cmの長身からストレート、フォーク、カーブを投げ分ける[30]。リリーフ時には自己最速158km/hを記録した[31]。中学時代はカーブやスライダー、チェンジアップを投じていた。高校時代は野球部監督の方針もあり、1年秋からカーブのみを投じていた[3][2]。
人物
愛称は「ペーター」[32]。
名前の由来は、オーストリア=ハンガリー帝国の経済学者ヨーゼフ・シュンペーター[3]。
詳細情報
記録
- 初記録
- 初登板・初先発登板:2023年3月31日、対埼玉西武ライオンズ1回戦(ベルーナドーム)、5回1/3を1失点で勝敗つかず[33]
- 初奪三振:同上、1回裏にマーク・ペイトンから空振り三振[33]
- 初勝利・初先発勝利:2023年4月11日、対東北楽天ゴールデンイーグルス1回戦(楽天モバイルパーク宮城)、5回2安打無失点[34]
- その他の記録
背番号
- 12(2021年 - )
脚注
注釈
出典
- ^ “オリックス - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2022年11月20日閲覧。
- ^ a b c d “オリックス、外れ1位で福岡大大濠・山下舜平大投手を指名 無限の可能性秘める大器”. スポーツニッポン. (2020年10月26日)2021年1月17日閲覧。
- ^ a b c d e “福岡大大濠・山下舜平大 毎回の13K 9球団スカウトの前で出た150キロ”. スポーツニッポン. (2020年7月27日)2021年1月17日閲覧。
- ^ “オリックス1位の大器・山下舜平大 2段階に伸びる直球”. 朝日新聞DIGITAL (2020年10月26日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ “プロ注目の福岡大大濠・山下152キロも敗退/福岡”. 日刊スポーツ. (2020年8月3日)2021年12月4日閲覧。
- ^ "2020年度ドラフト会議 契約交渉権獲得選手". 公式サイト. オリックス・バファローズ. 26 October 2020. 2020年10月27日閲覧。
- ^ a b “オリックス・ドラ1山下舜平大、背番号12に「とてもいい番号をもらえた」”. 日刊スポーツ. (2020年11月23日)2021年12月4日閲覧。
- ^ “2019/12/19(土) チーム 新人選手入団発表記者会見”. オリックス・バファローズオフィシャルサイト (2020年12月19日). 2021年3月18日閲覧。
- ^ “オリックス・舜平大は“もはや大谷レベル” 中嶋監督もスケールの大きさに感嘆「誰々2世とかではない」”. Sponichi Annex (2021年2月4日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ “オリドラ1舜平大、公式戦デビューで2回2K1失点 MAX151キロ、潜在能力見せた!”. Sponichi Annex (2021年4月15日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ a b c d “オリックス ドラ1・舜平大 プロ初の契約更改は現状維持 「来年は1軍で5勝」と宣言”. Sponichi Annex (2021年12月2日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ “オリックス・ドラ1舜平大 1回3失点ホロ苦1軍デビュー「直球を続けると簡単に打たれた」”. Sponichi Annex (2021年8月2日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ “2021年度 オリックス・バファローズ 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2023年3月21日閲覧。
- ^ a b “オリックスの2年目ドラ1・山下がブルペン入り 出遅れも「焦らず目標は一軍で5勝」”. BASEBALL KING (2022年2月13日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ “オリックス・山下 コロナ陽性で球団選手では7人目 27日の検査では陰性も一転”. Sponichi Annex (2022年1月31日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ a b c d “オリ・山下舜平大「とても悔しいシーズン」 来季開幕ローテ入り誓う”. Sponichi Annex (2022年11月20日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ a b “オリックス 短期決戦の秘密兵器!? 20年ドラ1右腕の舜平大 あるぞCS1軍デビュー”. Sponichi Annex (2022年10月8日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ “【15日の公示】オリックスは1軍登板経験なしの山下舜平大を登録 プロ2年目の20歳”. Sponichi Annex (2022年10月15日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ “オリ日本一連覇への原石はこの男!!20歳舜平大に中嶋監督期待 真っすぐが武器の20歳長身右腕”. Sponichi Annex (2022年11月1日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ “オリックス・山下舜平大が両足首を手術 両足鏡視下三角骨摘出”. Sponichi Annex (2022年11月25日). 2023年3月30日閲覧。
- ^ “オリックス・山下 初ブルペンいきなり154キロ まだ8割程度「165キロ目標」”. デイリースポーツ (2023年2月5日). 2023年3月30日閲覧。
- ^ “【オリックス】宇田川優希らAグループ 春季キャンプメンバー振り分け発表/一覧”. 日刊スポーツ (2023年1月26日). 2023年3月30日閲覧。
- ^ “【オリックス】山下舜平大が鮮烈デビュー「これからもっと良くなる」今季初実戦で自己最速158キロ”. スポーツ報知 (2023年3月4日). 2023年3月30日閲覧。
- ^ “オリックス・山下舜平大 苦難を乗り越え進む史上初“一軍未登板の開幕投手”への道”. BASEBALL KING (2022年3月29日). 2023年3月30日閲覧。
- ^ “【オリックス】エース山本由伸、金メダル胸に本拠地にがい旋「つけてきました」宮城大弥らも合流”. 日刊スポーツ (2023年3月24日). 2023年3月30日閲覧。
- ^ “オリックスの開幕投手は山下舜平大 中嶋監督も期待「これからの野球人生の始まり」”. デイリースポーツ (2023年3月30日). 2023年3月30日閲覧。
- ^ “オリ山下舜平大、“史上初”開幕投手デビュー決定 高卒3年目が1軍初登板で大役”. Full-Count (2023年3月30日). 2023年3月30日閲覧。
- ^ “23年度「開幕一軍」の登録公示 オリックスは開幕投手の山下ら27名”. BASEBALL KING (2023年3月30日). 2023年3月30日閲覧。
- ^ “【オリックス】山下舜平大改めペーター!? こどもの日に愛称入りユニホーム着て3連勝”. 日刊スポーツ (2023年5月6日). 2023年5月6日閲覧。
- ^ https://www.nikkansports.com/baseball/news/202303240001800.html
- ^ “【オリックス】20年ドラ1山下舜平大、甲子園デビュー1回0封 最速158キロに球場どよめく - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年3月11日閲覧。
- ^ “オリックス1位山下が愛称「ペーター」をお願い”. 日刊スポーツ (2020年12月20日). 2021年11月17日閲覧。
- ^ a b “【オリックス】山下舜平大が白星ならずも6回途中1失点デビュー 最速157キロ、7奪三振”. 日刊スポーツ. (2023年3月31日)2023年3月31日閲覧。
- ^ “オリックス山下舜平大がプロ初勝利 5回まで毎回の10奪三振 後ろも盤石の完封リレー”. スポーツニッポン. (2023年4月11日)2023年4月11日閲覧。
- ^ “【オリックス】どうなる「プロ初登板の開幕投手」山下舜平大 勝てば77年ぶり4人目/見どころ”. 日刊スポーツ. (2023年3月31日)2023年3月31日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 個人年度別成績 山下舜平大 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)
- 12 山下 舜平大 選手名鑑 - オリックス・バファローズオフィシャルサイト
- 山下舜平大 (@syunpeit_yamashit_) - Instagram