小松 莊一良(こまつ そういちろう)は、日本の映画監督、映像作家、演出家。
ミュージシャンやストリート・ダンサーをモチーフにした作品を中心に制作するフィルムメイカー。
2012年までは本名の小松壮一郎名義で活動。
大阪芸術大学 芸術学部 映像学科 客員教授。マネージメントオフィスは映像製作会社(株)祭(MAZRI Inc.)。
来歴・人物
広島県立広高等学校時代より自主映画を制作し初監督作品『17の頃・・・』が「第4回ふくおか映画祭」で作品賞・脚本賞、男優賞を受賞。 大阪芸術大学 映像学科入学後には映像制作軍団『ムービーブラザーズ』を結成し音楽とダンスと青春をもモチーフに作品を製作。1985年、同年代のアーティスト・尾崎豊と吉川晃司のの出現に触発され製作した青春連作シリーズ『TEEN BEAT』が「第1回集英社ヤングジャンプ・ビデオフェスティバル」グランプリ、「第8回東京ビデオフェスティバル青春部門」グランプリ、第3回大阪ビデオコンテスト 大賞、TBS 「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ おもしろビデオ」初代グランドチャンピオンなどコンテスト他の多数の受賞を重ね、大林宣彦監督などから新人類の監督として大きな称賛を受ける。第1回ジュネーブ国際ビデオウィークに正式招待され海外でも注目を集める。
当初より国内外のストリートダンス・コミュニティに着目し作品を連作。当時16歳のダンスシンガーGWINKOとストリートダンスの聖地・福岡と大阪のレジェンドダンサーたちと共演したショート・フィルムを企画・監督。ダンスプロデュース。夜のヒットスタジオR&Nなど歌番組でのパフォーマンスも大きな話題となり20代でダンスフィルムメイカーの第一人者として孤高の地位を獲得する。
1993年、日本初の本格的なダンス映画と称される東映Vシネマ『ハートブレイカー』でメジャーデビュー。国内では異例のダンス映画として注目を浴びるが、アジアのストリートダンスシーンのカルトバイブルとして長年大きな影響を与えて続て、コピーデータがバイブルとして売り買いされている。踊れるラップミュージックとして制作した『ボンバヘッド!/m.c.A・T』が国内でスマッシュヒットする。
「音楽」と「ダンス」をモチーフにこだわり、MV・LIVE DVDなど音楽映像の監督作品も数多い。吉川晃司、東京スカパラダイスオーケストラ、DA PUMP、安室奈美恵、ケイティ・ペリー、コンパイ・セグンド(ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ)など個性豊かな数多のアーティストを手掛ける。
また、ドキュメンタリー作品での評価も高く、国内外の多様なアーティストからの熱烈なオファーが絶えない。代表作にストリートダンス・ドキュメント「∞ MUGEN」などがある。
2018年初夏、企画・監督した劇場映画「フジコ・ヘミングの時間」(日活)がシネスイッチ銀座で13週超えのロングランヒットとなり全国に拡大。第22回上海国際映画祭に正式招待、中東、ロシア、台湾、中国、香港など海外での公開も続いている。また同年秋で引退した安室奈美恵の最後のライブDVD作品の監督に抜擢。音楽DVD累積売上歴代1位という社会現象の一助となる。
現在、世界的なパンデミックにより進行スケジュールが大幅に影響されているが、複数の新作映画(2023年〜2024年公開予定)が撮影進行中。
作品
映画、ドラマ監督作品
- 映画「Paradise Café」 (1987年/35ミリ/KIRIN/企画:小松左京、林信夫、立川直樹)
- 映画「キャラメル・デイズ」(1988年/16ミリ/フロムエー、PRF/出演:市村 総、インペリアルJ・B's、A.S.Tブレイカーズ) 1988年・ジ・アート日本 オープニング作品
- ダンスフィルム「STEP OUT」(1990年/35ミリ/ソニーレコード/出演:GWINKO、Wild Crew、インペリアルJ・B's )
- 東映Vシネマ「ハートブレイカー 弾丸より愛をこめて」 (1993年/16ミリ/東映ビデオ/主演:ダイアモンド☆ユカイ、GWINKO、Be Bop Crew) 2014年・25周年 Anniversary 東映Vシネ伝説 厳選25タイトル選出 1995年・キネマ旬報 『日本映画オールタイムベストテン』オリジナルビデオ部門 第5位
- ドラマ「19 NINETEEN 〜LAST TEENAGE SUMMER〜」(2000年/RCC、GOIS/主演:徳山秀典、白竜)
- ドラマ「キスから始まるストーリー」(2009年/NHK/出演:布川隼汰 ほか)
- 映画「フジコ・ヘミングの時間」(2018年/配給:日活/主演:フジコ・ヘミング、ナレーション:三浦透子) 第22回上海国際映画祭 パノラマ部門 正式招待 ぴあ 映画初日満足度ランキング 第1位
- 映画「タイトル未定」(製作中/2024年公開予定)
ドキュメンタリー監督作品
- ストリートダンスドキュメント「ALL JAPAN DANCE CONNECTION」(1998年/主演:坂見誠二)
- 吉川晃司「HOT ROD MAN DOCUMENT」(1999年/主演:吉川晃司)
- ストリートダンスドキュメント・DVD ダンスバイブル「∞ MUGEN 」 3部作(2005年/主演:坂見誠二/企画:Nikkapokka/ナレーション:アベディン)
- BS日テレ・DVD「TV Bible Series〜 DANCE☆GROOVE!」(2007年/主演:坂見誠二、江守藹)
- WOWOW ノンフィクションW「吉川晃司 ヒーローになれなかった日」(2012年/主演:吉川晃司/ナレーション:遠藤憲一)
- テレビ朝日「遅咲きの天才ピアニスト・フジコ・ヘミング〜 “魂の演奏”と壮絶人生」(2013年)
- WOWOW ノンフィクションW「VAMPS 、世界に噛みつく」(2013年/主演:HYDE、KAZ/ナレーション:ケイ グラント)
- WOWOW「REBECCA TIME ~ドキュメント“20年振りの再結成LIVE”~」(2015年/ナレーション:清野菜名)
- WOWOW「徹底解剖!甲斐バンド THE BIG GIG AGAIN 2016」(2016年/ナレーション:三浦透子)
- WOWOW「その男、職業 吉川晃司。」(主演:吉川晃司/2019年)
- WOWOW「東京スカパラダイスオーケストラ TOKYO SKA STORY 2021」(2021年/ナレーション:シシド・カフカ) 他多数
ミュージック・ビデオ監督作品
吉川晃司、角松敏生、TRF、ダイアモンド☆ユカイ、手嶌葵、たんこぶちん、藤あや子、m.c.A・T、The Wisely Brothers、RIRI、向井太一、PELICAN FANCLUB、FIVE NEW OLD、オルケスタ・デ・ラ・ルス、徳山秀典、カラーボトル、ミトカツユキ,GWINKO,石原詢子、伍代夏子、フジコ・ヘミング など多数。
ライブ映像監督作品
吉川晃司、DA PUMP、ケイティ・ペリー、安室奈美恵、東京スカパラダイスオーケストラ、VAMPS、L'Arc〜en〜Ciel、コンパイ・セグンド ( ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ )、湘南乃風、HYDE、藤あや子、RED WARRIORS、m.c.A・T、陣内大蔵、たんこぶちん、氣志團万博などの作品を手がける。
(主な作品)
- 氣志團万博 2014 〜2022 ※総合演出
- 吉川晃司『HOT ROD MAN LIVE Returns』(2000年)
- Compay Segundo 〜ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ〜「JAPAN TOUR」(2000年)
- 吉川晃司『SMASH THE PANDORA FINAL! TOKYO CIRCUS @NHKホール』(2003年)
- 吉川晃司 LIVE GOLDEN YEARS 20th Anniversary PRELUDE at BUDOKAN(2004年)
- 吉川晃司『25th ANNIVERSARY LIVE GOLDEN YEARS TOUR FINAL @日本武道館』(2009年)
- 吉川晃司「30th ANNIVERSARY 『Birthday Night "B-SIDE+"』」(2014年)
- Katy Perry「U-Express 2014@さいたまスーパーアリーナ」(2014年)
- 東京スカパラダイスオーケストラ「 Live at Budokan ~The Last~」(2015年)
- たんこぶちん「19/20 TEENAGE LAST LIVE」、「19/20 20th FIRST LIVE」(2017年)
- RED WARRIORS「30th ANNIVERSARY『King's Rock'n Roll』」(2017年)
- 東京スカパラダイスオーケストラ「SKANKING JAPAN」"スカフェス in 城ホール"(2018年)
- 安室奈美恵「namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~京セラドーム大阪 」(2018年)
- DA PUMP「LIVE DA PUMP 2018 THANX!!!!!!! at 東京国際フォーラム ホールA 」(2018年)
- フジコ・ヘミング「いと小さきいのちのために」(2019年)
- DA PUMP「LIVE DA PUMP 2019 THANX!!!!!!! FINAL at 大阪城ホール」(2019年)
- DA PUMP「LIVE DA PUMP 2020 Funky Tricky Party FINAL@さいたまスーパーアリーナ」(2020年)
- フジコ・ヘミング 「教会ソロ演奏 2020 ~くすしき調べ、とこしえなる響き~」(2020年)
- DA PUMP 「LIVE DA PUMP 2020 DA NEW GAME」(2020年)
- L'Arc~en~Ciel「20th L'Anniversary WORLD TOUR 2012 THE FINAL UNIVERSAL STUDIO JAPAN」(2021年)
- 東京スカパラダイスオーケストラ TOUR 2021 「Together Again!」(2021年)
- DA PUMP「LIVE DA PUMP 2022 ARENA TOUR DA POP COLORS at 幕張メッセ」(2022年)
- 森高千里 35th Anniversary「a day in the life」(2022年)
- 吉川晃司 「LIVE archives 25」、「LIVE archives 30」、「LIVE archives 35」ほか多数
ステージ演出
- リクルート・フロムエー 映画「キャラメル・デイズ」OPダンスイベント(1988年)構成・演出
- GWINKO with Dancer フジテレビ「ヒットスタジオR&N」(1990年)ダンスプロデュース
- 大阪府プラネットステーテーション・オープニングイベント・シネマトリックスvol.2 「Made in Japan〜ダンス映画とダンスショー(BE BOP CREW vs D.Troop)」(1991年)構成・演出・MC
- 鳥取「ワールドジュニア・ゴルづチーム選手権 OPダンスイベント」(1997年)構成・演出
- TVK presents「FUNTOMAⅡ ダンスイベント」 CLUB CITTA'(1998年)構成・演出
- SoRi(韓国)NHK番組、コンサート他(2005)ダンスプロデュース
- 藤あや子 20周年記念リサイタル「艶やかに咲いて・・・20年」NHKホール(2008年)構成・総合演出
- 観客参加型 打楽器イベント「Drumming High!」シリーズ CLUB CITTA'(2010年 - 2011年)構成・演出
- テレビ朝日 音楽イベント「musicる Award 2013」(2013年)演出
- フジコ・ヘミング「いと小さきいのちのために」東京オペラシティ(2017年)演出
- フジコ・ヘミング「キャンドル・クリスマス」恵比寿ガーデンホール(2017年)構成・演出
- m.c.A・T「Minimum Funk vol.2.5 〜New Step〜」(2020年)演出・プロデュース
- m.c.A・T「Minimum Funk vol.3 ~BEGINNING~」(2020年)演出・プロデュース
- フジコ・ヘミングpresents 「小さな小さなチャリティーコンサート in 東美教会」(2021年)演出・プロデュース
- 藤あや子 35th Anniversary Live “THE SHOW TIME” billboard live YOKOHAMA」(2022年)構成・演出
- フジコ・ヘミング ソロコンサート “COLORS” ~色を付けるように弾く~ presented by WOWOW(2023年)企画・演出
- イングリッド・フジコ・ヘミング「récital de piano solo」 フランス パリ9区・コンセルヴァトワール劇場(2023年)企画・演出・プロデュース ほか多数
外部リンク
- マネージメントオフィス: 祭(MAZRI Inc.
- MV:藤あや子 feat. m.c.A・T「秋田音頭-AKITA・ONDO- Bonjour Club Mix」 公式サイト
- 映画「フジコ・ヘミングの時間」 公式サイト
脚注
- ^ 『19(ナインティーン)』~ LAST TEENAGE SUMMER ~