『実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン』(じっそうじあきおかんとくさくひん ウルトラマン)とは1979年3月17日公開にされた映画。
概要
特撮テレビ番組『ウルトラマン』において、実相寺昭雄によって演出された話(ウルトラマンがほとんど登場しない「真珠貝防衛指令」を除く第15、22、23、34、35話)をオムニバス風に再編集した映画[出典 1]。第三次ウルトラブームに際し、『ザ☆ウルトラマン』の放送に先駆ける形で公開された[1]。東京・大阪地区以外では『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』と同時上映された[4]。
実相寺の監督作品では、ウルトラマンがスペシウム光線をはじめとする光線技を使用していないためか、「怪獣無法地帯」、「科特隊宇宙へ」、「怪獣殿下」での戦闘シーンが怪獣追悼時のウルトラマンの回想という形で挿入されている[1]。
また、新撮シーンとしてマットアートのアニメでビートルの飛行シーン(製作当時存在しなかった新宿の高層ビルのシルエットもみられるのは『ウルトラマン』の舞台が近未来であるため)が追加された。浦野光によるナレーションも新規に収録された[1]。
劇伴には宮内國郎のアルバム『交響詩 ウルトラマン』および『交響組曲 恐竜』の楽曲を使用している[1]。
本作品はウルトラ映画作品としては初めて松竹配給で公開された作品である。それまでのウルトラ映画は主に東宝から配給されたが、本作品以降のウルトラ映画作品は『ウルトラマンUSA』、『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』、『シン・ウルトラマン』を除いてすべて松竹配給である[5]。
本作品のオープニングは、ささきいさおの「ウルトラマンの歌」が流れる中、ウルトラマンの解剖図やビートルの設計図や本部の図解が流され間奏で浦野のナレーションが挿入されるというものだった。
キャスト
- ムラマツ隊長 - 小林昭二
- ハヤタ隊員 - 黒部進
- アラシ隊員 - 毒蝮三太夫
- イデ隊員 - 二瓶正也
- フジ・アキコ隊員 - 桜井浩子
- 土管の持ち主 - 原保美
- 鳩を逃がす少年・アキラ - 吉野謙二郎
- 月ロケットセンター所長 - 永井秀明
- 月ロケットセンター所員 - 奥野匡
- 福山博士 - 福田善之
- ナレーター - 浦野光
- ウルトラマン - 古谷敏
スタッフ
登場怪獣・宇宙人
回想シーンでの登場
- どくろ怪獣(レッドキング)(初代)
- 宇宙忍者(バルタン星人)(二代目)
- 古代怪獣(ゴモラ)
主題歌
- 「ウルトラマンの歌」
- 作詞 - 東京一 / 作曲 - 宮内國郎 / 編曲 - 高田弘 / 歌 - ささきいさお、コロムビアゆりかご会
次回作『ウルトラマン怪獣大決戦』の予告編に使用された他、ビデオ『ウルトラビッグファイト増刊号 ウルトラファミリー大集合!』と『ウルトラビッグファイト増刊号 激闘!ウルトラファミリー』でオープニングテーマとして流用された。
映像ソフト化
テレビ放送
脚注
- ^ a b c d e 白書 1982, p. 110, ウルトラマンシリーズ劇場用作品オール解説
- ^ UPM vol.18 2021, p. 30, 「ウルトラ特別企画vol.17 再編集MOVIEの魅力」
- ^ HISTORICA 2022, p. 30, 「劇場映画」
- ^ 白書 1982, p. 112, 劇場映画版ウルトラマン全作品リスト.
- ^ それぞれ『USA』『シン』は東宝、『ティガ』はソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、『銀河伝説』はワーナー・ブラザース映画配給。
- ^ 再編集の作業を下村善二に一任したため、監督が下村との連名になっている資料もある。
- ^ 予告でのクレジットでは「マグマ怪獣テレスドン」。
- ^ 予告でのクレジットでは「せい星怪獣ジャミラ」。
- ^ 『読売新聞・縮刷版』読売新聞社、1980年1月3日付のラジオ・テレビ欄。
- ^ KBS京都公式サイト ウルトラマン劇場[]
出典(リンク)
参考文献
外部リンク
- 実相寺昭雄監督作品ウルトラマン - 日本映画データベース
- 実相寺昭雄監督作品ウルトラマン - allcinema