『宇宙貨物船レムナント6』(うちゅうかもつせんレムナントシックス)は、1996年8月17日より劇場公開された日本のSF特撮映画。WOWOW製作による「J・MOVIE・WARS3」のうちの1作(シリーズ通算では18作目)。上映時間は45分。
概要
近未来宇宙を舞台としたハードSFタッチの脱出サスペンス映画。1996年2月24日にWOWOWで放送され、再編集の後劇場公開された。題名のレムナント(Remnant)とは(キリスト教聖書)の言葉で「残りの者」を意味する。
WOWOWの仙頭武則プロデューサーの原案をもとに、国内SF・アニメ・特撮分野の専門家が参加している。SF設定はSF翻訳家・評論家の堺三保。メカニックデザインはアニメマクロスシリーズの河森正治。特撮は怪獣映画平成ガメラシリーズの樋口真嗣と佐藤敦紀。「総合監修」とクレジットされている押井守は、シナリオ検討時のアドバイス(民間客船から軍用貨物船への設定変更)、樋口らスタッフの紹介、作品タイトルの命名に協力している。
低予算の短編で日本人監督の作品を世に出すという「J・MOVIE・WARS」の趣旨に則り、本作品では万田邦敏が初めてメガホンを取った。宇宙船の特撮パートは伝統的なミニチュア操演ではなく、当時国内では模索段階だった3DCG制作の映像を使用している[1]。
あらすじ
西暦2046年、人口爆発と資源枯渇により人類は宇宙に活路を求めていた。火星にも入植が進み、地球との間を資源運搬船が往復していた。その一隻、大型貨物船レムナント6は日本の宇宙開発機構(JSEO)所有だが、航空自衛隊宇宙部隊の隊員が運行業務を行っている。
火星から地球へ向かう航海の途中、1メートル弱の小惑星が衝突する事故が発生し、船体は激しく損傷する。居住ブロックに残された女性オペレーターの西、航海士の宇野、軍規違反により地球へ護送中の後藤、護送官の滝沢と井上、民間人の少年祥太は、突然のサバイバル状況下で脱出方法を模索する。しかし、機関の暴走によりタイムリミットは刻一刻と迫っていた。
スタッフ
- プロデューサー:仙頭武則、(金森保)
- 協力プロデューサー:(小林広司)、(川越和実)
- 監督:万田邦敏
- 脚本:万田邦敏、(麻生かさね)
- 総合監修:押井守
- 特撮監督:樋口真嗣、佐藤敦紀
- メカニックデザイン:河森正治
- 科学考証・SF設定:堺三保
- 撮影:(小渕好久)
- 音楽:(青木寿)
- 美術:(丸尾知行)
- 照明:(大坂章夫)
- 助監督:(日垣一博)
- 演出助手:古厩智之、(奥田徹)
- 衣裳:宮本まさ江
- 編集:掛須秀一
- 宇宙服制作:(籔内徳之)、佐藤裕二[]
- 編集:掛須秀一(J.S.E)
- ミニチュア・メカ造型・コンテ:古川豪華
- CG:佐藤敦紀 谷戸千春
- モニタCG:津田輝王
- 制作協力:ビターズエンド
- 製作:WOWOW・バンダイビジュアル
キャスト
脚注
参考文献
- 『宇宙貨物船レムナント6 -SF映画のつくりかた-』 ワイズ出版 1996年