奈良学園大学奈良文化女子短期大学部(ならがくえんだいがくならぶんかじょしたんきだいがくぶ、英語: Narabunka Women's College)は、奈良県奈良市中登美ヶ丘3-15-1に本部を置いていた日本の私立大学である。1965年に設置され、2019年に廃止された。大学の略称は文短。
概観
大学全体
学校法人中和学園(現・学校法人奈良学園)により1965年(昭和40年)4月、奈良県大和高田市東中127に「奈良文化女子短期大学」として開学(同時に付属高校も開校している)。2008年(平成20年) 奈良市登美ヶ丘に移転し、2014年(平成26年)に「奈良学園大学奈良文化女子短期大学部」に名称変更する。2018年(平成30年)度以降は学生募集を停止し、2019年(平成31年)3月に閉校した。なお、短期大学の資源と人材は奈良学園大学人間教育学部に引き継がれ、実質的には四年制大学への転換となっている。
建学の精神(校訓・理念・学是)
- 奈良学園大学奈良文化女子短期大学部における建学の精神。
- 清楚の美
- 健康の輝き
設置学科
以下の学科が設置されていた。(西暦は年度)
- 教養科(1965年)→教養学科(1970年)→環境教養学科(2004年-2007年)
- 保育科(1966年)→初等教育学科(1969年)→幼児教育学科(2000年-2019年)
- 食物栄養科(1967年)→食物栄養学科(1970年-2002年)
- 教養科第三部(1968年-1996年)
- 保育科第三部(1968年)→幼児教育学科第三部(1969年-2008年)
- 衛生看護学科(1971年-2007年)
- 音楽学科
- 器楽専攻、声楽専攻(1973年-2002年)
- 音楽専攻(1975年-2002年)
- 福祉学科(1998年-2007年)
学科体制は、最大で7学科と全国的にも学科数や学生数の多さを誇っていた。しかし、学生数の減少やその他諸々の事情などもあり、末期には幼児教育学科のみの単科短大に大幅縮小されていた。
教育および研究
奈良学園大学奈良文化女子短期大学部は、幼児教育学科が設置されており奈良文化幼稚園での教育実習が取り入れられていた。過去には、一般教育科目として「奈良文化論」や県内の文化財を建学する「臨地講義」もあった。
学風および特色
奈良学園大学奈良文化女子短期大学部に設置されている幼児教育学科では、「心の教育」が重視されていた。
沿革
- 1965年 大和高田市に奈良文化女子短期大学開学(現・奈良文化高等学校の所在地)。設置学科は教養科第一部のみ。学生数:女102[1][2]
- 1966年 保育科を増設(学生数:女140[1][3])。
- 1967年 食物栄養科を設置(学生数:女105[1][4])。
- 1968年 教養科・保育科にそれぞれ三部を設置[注 1]。
- 1969年 保育科一部を初等教育学科に改組。
- 1970年 保育科三部を幼児教育学科に名称変更。ほか、教養・食物栄養の各科をそれぞれ学科とする。
- 1971年 衛生看護学科を設置(学生数:女60[1][5])
- 1973年 音楽学科を設置(学生数:女50[1][6])。
- 1975年 専攻科音楽専攻を設置。
- 1986年 教養学科第三部の学生数が初公表される(女50[1][7])。
- 1998年 福祉学科を新設する(学生数:女55[1][8])。
- 2000年 初等教育学科を幼児教育学科に名称変更。
- 2008年 奈良市の登美ヶ丘にキャンパスを移転。
- 2014年 奈良学園大学奈良文化女子短期大学部に改称。
- 2019年 閉校。
基礎データ
所在地
象徴
教育および研究
組織
学科
- 幼児教育学科
学科の変遷
- 教養科→教養学科[注 3]
(「教養」・「経営情報」の2コースが設置されていた。カリキュラムは日本史・国文学・民俗学など人文系の科目が設置されており、文字通り教養系の科目を広く学ぶという意味合いが強いものとなっていた。)
- 保育科→初等教育学科→幼児教育学科I部:現行の幼児教育学科に当たる
- 幼児教育学科第三部[注 6][注 2][注 7]
- 食物栄養科[注 8][注 9]
- 衛生看護学科[注 6][注 4]
- 音楽学科[注 8][注 9][注 10]
- 福祉学科[注 6][注 4]
過去にあった専攻科
- 音楽専攻がおかれていた。
取得資格について
- 幼稚園教諭二種免許状と保育士、認定ベビーシッター資格が幼児教育学科にて取得できた。
- かつては、中学校教諭二種免許状の課程が設けられていた。
- 司書:環境教養学科の前身である教養学科にて設けられていた。
- 栄養士:過去にあった食物栄養学科にて設けられていた[注 13]。
- 衛生看護学科では、看護師受験資格に合せたカリキュラムとなっていた。
附属機関
学生生活
部活動・クラブ活動・サークル活動
以下は、奈良学園大学奈良文化女子短期大学部にて活動していたクラブ活動の一覧である。
- 体育系:バスケットボール・ソフトボール・陸上競技・テニスほか
- 文化系:ウインドアンサンブル・手話・茶道・華道・ボランティアほか
- かつては、文化系・体育系を併せて30余りの団体を擁していたが規模縮小により減少した。食物栄養学科があった時分、「食科学」と称したクラブもあった。
学園祭
- 学園祭は毎年10月に行われていた。
施設
登美ヶ丘キャンパス
出身者
- 五十嵐サキ:お笑い芸人
対外関係
姉妹校
- 奈良市中登美ヶ丘
進路
就職
- 教養学科(環境教養学科含む):一般企業への就職者が多く、南都銀行・三井住友銀行・枚方信用金庫・ジャスコ・オンワード樫山などがある。
- 幼児教育学科:第一部・第三部とも奈良文化女子短期大学付属幼稚園をはじめ様々な幼稚園、その他保育所などに就職している。
- 食物栄養学科:資格を活かした職としては、日清医療食品・富士産業・(南部浪速給食)・(ナニワフード)・伊賀越・(丸玉食品)・(第一食品)などの企業のほか各種病院や保育園・学校など活躍の場は多岐にわたる。
- 衛生看護学科:専門職として医療機関への就職者が多いものとなっていた。
- 音楽学科器楽専攻・声楽専攻:ヤマハ・カワイ音楽教室ほか音楽関連がある。
- 福祉学科:介護職が大半となっていた。
編入学・進学実績
脚注
注釈
- ^ 聖徳学園女子短期大学、兵庫女子短期大学と共に、日本で初めて昼間定時制の三部が設置された。
- ^ a b 2009年3月31日廃止。
- ^ a b 学生募集は2003年度入学生まで。2005年3月31日廃止。
- ^ a b c 2008年3月31日廃止。
- ^ 1996年11月19日正式廃止。
- ^ a b c 学生募集は2006年度入学生まで。
- ^ 大和高田市内にある工場で勤務する傍らで学ぶ女子学生が多かったともいわれる。近畿地方では珍しい存在だった。
- ^ a b 学生募集は2001年度入学生まで。
- ^ a b 2003年3月31日廃止。
- ^ 募集最終年度において40人の定員に対し入学者は僅か16人だったことから、経営が危ぶまれやむを得ず廃止されたものと考えられる。
- ^ a b 学生募集は1999年度入学生まで。
- ^ 食物課程に在籍する必要があった。2000年度入学生まで設けられていた。ほか、同課程には教科「保健」も設置されていた
- ^ 栄養課程に在籍する必要があった
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
- 奈良学園大学奈良文化女子短期大学部
座標: 北緯34度43分13.7秒 東経135度44分45.6秒 / 北緯34.720472度 東経135.746000度