天満 敦子(てんま あつこ、1955年7月18日[1] - )は日本のヴァイオリニストである。現在東邦音楽大学大学院教授を務める。
人物・来歴
東京都生まれ。
6歳からヴァイオリンを始める。
小学6年生の時にNHKのテレビ番組『ヴァイオリンのおけいこ』に出演し、講師の江藤俊哉に素質を認められ、本格的に音楽を志す。
東京芸術大学および同大学院を修了。
大学在学中の1974年、第43回日本音楽コンクールヴァイオリン部門で1位に輝く。
1975年にはロン=ティボー国際コンクールで特別銀賞等を受賞。
海野義雄、レオニード・コーガン、ヘルマン・クレバースらに師事した。
1992年に文化使節としてルーマニアを訪問し、ルーマニアの文化大臣から「ダヴィッド・オイストラフに並ぶヴァイオリニスト」と絶賛される。この縁がもとで、1993年にルーマニア出身の薄幸の作曲家(チプリアン・ポルムベスク)(en:Ciprian Porumbescu)の遺作「望郷のバラード」の楽譜を托される。哀愁を帯びた美しい旋律に魅せられて日本人として初演すると(曲自体の初演はルーマニアの女流ヴァイオリニスト、マルコヴィッチにより、1980年5月10日、NHK教育TVの午後7時30分からのコンサートで行われた)それが評判となり、1993年発売のアルバム『望郷のバラード』はクラシックとしては異例の5万枚を超える大ヒットとなった[2]。「望郷のバラード」は代名詞のような存在になっている。東欧革命前夜のルーマニアを舞台に、この曲をめぐる謎とヴァイオリニストの恋愛を描いた高樹のぶ子の小説『百年の預言』のヒロインは、天満をモデルとしている。
『望郷のバラード』のほかにも、これまでに数多くのCDを制作しており、1993年発売のアルバム『現代日本のヴァイオリン音楽・抄』は同年度の第9回文化庁芸術作品賞を受賞した。また2005年発売のアルバム『ねむの木の子守歌』は同年の第47回日本レコード大賞の企画賞を受賞した。
使用楽器はストラディバリウス、弓はウジェーヌ・イザイの遺品を愛用している。
晩年の丸山真男の前でしばしば演奏をしており、クラシック音楽の研究家でもあった丸山からは絶賛を受けていた。
ジャーナリストの江川紹子と親交がある。
小林亜星が天満の熱烈なファンとして知られている。もともと大の演歌好きでもあった天満は小林と意気投合し、ヴァイオリン編曲版の「北の宿から」を含め、これまでに多数のコラボレーションが実現している。2009年5月27日にはデビュー30周年記念盤として、小林とのコラボレーションを集大成したアルバム『ロマンティックをもう一度』が発売された。小林は天満のヴァイオリン演奏を次のように評している[3]。
私は天満さんの演奏を聞く度に、メロディーに生命を与えることのできる、真の天才を見る気がします。天満さんこそ私の思う“ロマンティック”な音楽を表現してくれる人なのです。
著書
脚注
外部リンク
- 天満敦子オフィシャルホームページ