喜久井町(きくいちょう)は、東京都新宿区の町名[4]。「丁目」の設定のない単独町名である。住居表示未実施。郵便番号は162-0044[2]。
地理
新宿区の北部に位置する。北部は早稲田町・馬場下町に接する。北東部は早稲田南町に接する。東部は弁天町に接する。南東部は原町に接する。南部は若松町に接する。西部は戸山一丁目に接する(地名はいずれも新宿区)。北部では早稲田通りが至近にある。また町域内を夏目坂通りが通っている。夏目坂通り沿いには寺院も見られるが、町域内の多くは住宅地となっている。
地価
住宅地の地価は、2017年(平成29年)の公示地価によれば、喜久井町34番58の地点で61万9000円/m2となっている[5]。
歴史
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地名の由来
地名は、当地の江戸時代から続いた町方名主・夏目家の家紋「井桁に菊」にちなみ、文豪夏目漱石の父の夏目直克が命名した(漱石も喜久井町の生まれ、出生時の地名は牛込馬場下横町)。漱石は随筆『硝子戸の中』(1915年)の第23章で次のように述べている。
今私の住んでゐる近所に喜久井町といふ町がある。これは私の生れた所だから、ほかの人よりもよく知つてゐる。(中略)この町は江戸と云つた昔には、多分存在してゐなかつたものらしい。江戸が東京に改まつた時か、それともずつと後になつてからか、年代はたしかに分らないが、何でも私の父が拵えたものに相違ないのである。私の家の定紋が井桁に菊なので、それにちなんだ菊に井戸を使つて、喜久井町としたといふ話は、父自身の口から聴いたのか、または他のものから教はつたのか、何しろ今でもまだ私の耳に残つてゐる。父は名主がなくなつてから、一時区長といふ役を勤めてゐたので、あるいはそんな自由も利いたかも知れないが、それを誇にした彼の虚栄心を、今になつて考へて見ると、厭な心持は疾くに消え去つて、ただ微笑したくなるだけである。
世帯数と人口
2022年(令和4年)6月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[1]。
小・中学校の学区
区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[6]。
番地 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|
全域 | 新宿区立早稲田小学校 | 新宿区立牛込第二中学校 |
施設
- 早稲田大学喜久井町キャンパス
- 感通寺
- 来迎寺
- 本松寺
- 妙泉寺
- 夏目漱石生誕之地碑
かつて存在した施設
脚注
関連項目
外部リンク
- 新宿区