『名古屋嫁入り物語』(なごやよめいりものがたり)は、1989年から1998年まで、東海テレビ・泉放送制作が制作した2時間放送のスペシャルドラマである。植木等主演で全10作が放映され、名古屋の結婚式を題材としている。
概要
植木等、山田昌が生粋の名古屋人夫婦を演じた。当初は単発ドラマとして放送されたが、視聴率が良かったことから新作が作られ続けることになり、後に舞台化もされた。特に名古屋方面での人気は高く、関東で20%前後の視聴率に対し、毎回30%前後の高視聴率だった。
基本的なストーリーは「娘が連れて来た東京(或いは名古屋以外)出身の結婚相手に父親が反対するが、最後には結婚を許し名古屋流の結婚式を行う。その過程で植木のピンチを結婚相手が助ける、アクシデントや困難に手を組んで解決し二人の間に男同士の友情や絆も生まれていく。」と言うもの。名古屋をはじめとする中京地区では娘の結婚に父母が世話をやき、「娘三人いれば家が傾く」といわれるくらいの費用を使う。また、他の土地とは違う独特の風習などもあり、そうした光景をコミカルに描き出した。
ゲストとしてきんさんぎんさんが出演したことがあった。その際植木が2人に会いに行き、2人から「スーダラ節知ってますよ」と言われた。
2007年(平成19年)3月27日に主演の植木が死去したため、制作した東海テレビでは31日15:30から急遽追悼企画として過去の作品の再放送を実施した(東海3県のみのローカル)。
作中の「お約束」として、東京から出張してきたサラリーマン二人組(主におぼん・こぼん)が蕎麦屋、居酒屋などで名古屋の悪口を言って盛り上がり、それを聞いていた植木に激怒され追い出される、というシーンが恒例。
キャスト
- 植木等
- 山田昌
放映リスト
- 第1弾「名古屋嫁入り物語」:1989年1月27日放映
- ゲスト:かとうかずこ、小西博之、冨士眞奈美、初井言榮、並木史朗、井上昭文、長江健次、おぼん、星セント
- 第2弾「名古屋嫁入り物語2」:1990年3月16日放映
- ゲスト:かとうかずこ、永島敏行、赤座美代子、加藤武、前田武彦、おぼん・こぼん、伊藤克信、(松永としよ)
- 第3弾「これが最後の名古屋嫁入り物語」:1991年3月29日放映
- ゲスト:斉藤慶子、藤岡琢也、美木良介、山村美智子、春川ますみ、おぼん・こぼん、(内田藍子)、千うらら
- 第4弾「名古屋出戻り物語」:1992年3月27日放映
- ゲスト:大場久美子、小西博之、塩沢とき、ポール牧、並木史朗、赤座美代子、おぼん・こぼん、今福将雄、千うらら、米山善吉、ドン貫太郎
- 第5弾「名古屋嫁入り物語~初孫戦争の巻」:1993年4月2日放映
- ゲスト:石野真子、藤岡琢也、美木良介、天本英世、田山涼成、(小栗崇三)、おぼん・こぼん、塩沢とき、千うらら、きんさんぎんさん
- 第6弾「お待たせしました!!名古屋嫁入り物語6」:1994年7月8日放映
- ゲスト:川島なお美、勝村政信、園佳也子、冨士眞奈美、久保晶、おぼん・こぼん
- 第7弾「お待たせしました!!名古屋嫁入り物語7」:1995年放映
- ゲスト:川島なお美、小西博之、赤座美代子、朝丘雪路、見栄晴、田山涼成、ホンジャマカ、磯村みどり、(大野麻那)、(船場牡丹)
- 第8弾「名古屋嫁入り物語8」:1996年3月22日放映
- ゲスト:川島なお美、草彅剛(当時 SMAP)、赤座美代子、加賀まりこ、村田雄浩、見栄晴、林美穂、おぼん・こぼん
- 第9弾「名古屋嫁入り物語9~こげな縁談ご破算だ」:1997年7月4日放映
- ゲスト:藤谷美紀、倉田てつを、清水由貴子、園佳也子、冨士眞奈美、デーブ大久保、小宮孝泰、二瓶鮫一、おぼん・こぼん、大東めぐみ、春延朋也
- ラスト第10弾「さよなら大放送・名古屋嫁入り物語10」:1998年7月24日放映
- ゲスト:水野真紀、ロバート・ホフマン、赤座美代子、かとうかずこ、大場久美子、森山周一郎、山田吾一、カーリー西條、浜田晃、おぼん・こぼん
スタッフ
- 原作:馬場当
- 脚本:(鶴島光重)(1-6)、今井詔二(7.8)、高橋正圀(9)、大久保昌一良(10)
- 演出:高橋繁男(1)、湯浅憲明(2)、奥村正彦(3.9.10)、山本邦彦(4)、山本和夫(5)、安室修(6-8)
- 音楽:梅林茂
- 名古屋弁指導:(松原実智子)(※ 松原は女優としても上記10作全てに何らかの役で出演している)
- ロケ協力:名古屋平安閣、(服部家具)、須田結納店
- 技術協力:テイクシステムズ
- 編成企画
- プロデュース
- 東海テレビ:出原弘之(1-7.10)、中根康邦(4.6-)
- 泉放送制作:平野一夫、松村明(1)、福田真治(2)、田尻丈人(6)、松本洋二(7)、小池唯一(8.9.10)
- 製作:東海テレビ、フジテレビ、泉放送制作
演劇
1996年10月中日劇場開場30年特別企画で、テレビの名古屋人夫婦の植木等と山田昌のコンビ、娘役に川島なお美、演出を小林俊一で初演。その後シリーズで5作、配役名、時代設定を変化し上演された[1]。
第2回公演「続・名古屋嫁入り物語」は1998年11月で演出は古本哲雄、娘役は当初、小高恵美だったが大場久美子に。第3回「新・名古屋嫁入り物語」は2000年10月で演出は宮永雄平。第4回「初春・尾張嫁入り物語」で2002年1月、小林俊一の演出で、植木等・山田昌のコンビの年齢が娘を出す設定に現代劇では無理なので時代劇に設定変更。第5回「名古屋大安吉日物語」で2004年10月、小林俊一の演出で、植木等から愛川欽也になり名古屋弁を忘れた旅暮らしの設定で、山田昌とは弟と姉の設定[2]。