吉川 峻平（よしかわ しゅんぺい、1995年1月24日 - ）は、大阪府吹田市出身のプロ野球選手（投手）。右投右打。北米の独立リーグであるフロンティアリーグの(シャンバーグ・ブーマーズ)に所属。
経歴
プロ入り前
7歳から野球を始め、吹田市立佐竹台小学校在学時は「佐竹台ストロングアロー」、吹田市立高野台中学校在学時は「千里山ボーイズ」でプレー[1]。中学時代までのポジションは内野手であった。
関西大学北陽高等学校進学後、1年秋からは正遊撃手としてプレー、2年から投手に専念する[2]。3年の夏の全国高等学校野球選手権大阪大会では、26回1/3連続無失点を記録し、チームはベスト16進出[1]。
高校卒業後は関西学生野球連盟に所属する関西大学野球部に進学。1年春からリーグ戦に登板し、3年の春季リーグからは主戦投手として登板機会を増やした[2]。4年次は、夏に第40回日米大学野球選手権大会日本代表にも選出され、秋季リーグではエースとしてリーグ優勝に貢献した[1]。
大学卒業後、社会人野球のパナソニック野球部へ入社した。1年目から主力として登板を重ね、2017年の都市対抗野球大会では三菱自動車岡崎との1回戦で14奪三振を挙げ完投勝利[3]。
プロ入りとダイヤモンドバックス傘下時代
2018年8月24日、同月10日にMLBのアリゾナ・ダイヤモンドバックスと契約金65万ドル[2]でマイナー契約を結んでいたことが判明[2][4]。この契約は、社会人選手に対して定められているプロ球団との契約に関する規則に抵触するものであったため[5]、社会人野球を統括する日本野球連盟は吉川に対し事実上の永久追放処分を下した（詳細後述）[6]。
2019年は、ダイヤモンドバックス傘下A+級バイセイリア・ローハイドで22試合（103回1/3）に登板して、5勝7敗、防御率3.75、123奪三振という成績を残した[4]。
2020年は、(新型コロナウイルスの感染拡大の影響)でマイナーリーグのシーズンが中止となったため[7]、公式戦への出場はなかった[4]。
2021年は、ルーキー級で1試合、A+級で6試合、AA級で1試合、AAA級で1試合の合計9試合（21回2/3）に登板して、0勝1敗、防御率8.72、30奪三振という成績を残した[4]。シーズン終了後はアリゾナ・フォールリーグに参加し、オールスターゲームにあたる「フォールスターゲーム」のメンバーにも選出された[8]。
独立リーグ時代
2022年4月12日に北米の独立リーグであるフロンティアリーグの(シャンバーグ・ブーマーズ)と契約した[10]。20登板で7勝9敗、防御率5.43を記録。この年、NPB球団が吉川を調査していると一部で報じられたが、同年のドラフト会議で指名されることはなかった[11]。2023年1月28日、ブーマーズと再契約を結んだ[12]。
選手としての特徴
最速148km/hのストレートとシンカーを武器とする長身右腕[1]。その他にも、スライダーやカーブなどを使用する[13]。
MLB入りに関する問題
ダイヤモンドバックスとの契約によるプロ入りは日本野球連盟の登録規程に反してのものであったため、連盟から事実上の永久追放処分を受けている。本来、社会人選手はドラフト会議日から翌年の都市対抗野球大会終了日までの期間、入団交渉を目的としたプロ球団との接触を禁じられているが[14]、吉川は期間中の2018年1月からダイヤモンドバックス側のスカウトと複数回にわたって接触し交渉に臨んでいた。また、社会人選手はプロ球団との契約に際し、契約締結前に所属チームを退部した上で日本野球連盟宛に登録抹消届を提出しなければならないと定められているにもかかわらず[15]、吉川はこれを怠ったままダイヤモンドバックスとの契約を締結していた(つまり二重契約である)[5]。このような事実の判明を受けて連盟は9月4日付けで吉川に対して連盟への登録資格剥奪とした上で、再登録も認めないとの決定を下した[16]。これは今後一切、社会人野球の選手や指導者になることができないということを意味し、事実上の社会人野球からの永久追放処分である[6]。
詳細情報
背番号
- 36（2022年 - ）
代表歴
- 第40回日米大学野球選手権大会日本代表
脚注
- ^ a b c d ドラ１候補パナソニック吉川峻平、メジャー挑戦意向 日刊スポーツ 2018年8月17日
- ^ a b c d パナ吉川、Ｄバックスとマイナー契約していた アマ野球界に激震 部長は活動自粛 スポニチアネックス 2018年8月25日
- ^ パナソニック・ルーキー吉川 １４Ｋ完投「プロに行きたい」 スポニチアネックス 2017年7月15日
- ^ a b c d e MLB公式プロフィール参照。2022年4月17日閲覧。
- ^ a b 吉川選手の日本野球連盟登録規程の抵触について パナソニック野球部 2018年8月24日
- ^ a b パナ吉川が事実上の永久追放 野球連盟、米球団契約で 共同通信 2018年9月5日
- ^ “2020 Minor League Baseball Season Shelved”. (2020年6月30日) 2020年7月1日閲覧。
- ^ “ダイヤモンドバックス吉川峻平は登板せず「フォールスターゲーム」選出も”. 日刊スポーツ (2011年11月14日). 2022年4月17日閲覧。
- ^ “吉川峻平、ダイヤモンドバックス退団へ「吉川峻平が大嫌いな人たち朗報です」今後は未定も米滞在”. 日刊スポーツ (2022年4月1日). 2022年4月1日閲覧。
- ^ FLProBaseballの2022年4月12日のツイート、2022年4月17日閲覧。
- ^ “元Dバックス傘下の吉川峻平は指名されず 2018年に日本野球連盟から登録資格剥奪”. Full-Count. (2022年10月20日) 2022年10月21日閲覧。
- ^ “STUTSMAN RETURNS TO THE MOUND; YOSHIKAWA RE-SIGNS FOR 2023” (英語). Official Website of the Schaumburg Boomers (2023年1月28日). 2023年4月28日閲覧。
- ^ https://www.baseballamerica.com/stories/notes-from-the-coast-mindset-change-unleashes-cal-raleigh/
- ^ JABA登録規程 第15条1項
- ^ JABA登録規程 第22条2項
- ^ 当連盟競技者への処分等について 公益財団法人 日本野球連盟 2018年9月5日