台風銀座(たいふうぎんざ)とは、台風の接近、通過あるいは上陸が多く、被害を受けやすい地域のこと。いわゆる「台風の常襲地域」である。気象庁により厳密に定義されている言葉ではないが、一般的には前述のような意味で使われている[1]。
概要
台風の影響を受けやすい日本やフィリピンなどの国を銀座に例えて「台風銀座」と呼ぶことがある。
日本において、広義で「台風銀座」と言った場合、沖縄地方・九州地方・四国地方から、近畿地方南部(紀伊半島など)にかけてを指すことが多い[2][3]。ただし、狭義で「台風銀座」と呼ばれている地域も存在する。例えば、沖縄県の宮古島や鹿児島県の枕崎市、高知県の室戸岬や和歌山県の潮岬などは、日本でも有数の典型的な台風銀座であり、台風の位置を示す指標にされることが多いほか、記録的な被害を残し固有名詞が付けられた過去の台風において、その台風の上陸地点ないし通過地点にちなんだ名称にされていることも多い[注 1]。
なお、「台風常襲地帯における災害の防除に関する特別措置法」(昭和33年4月22日法律第72号)第3条第1項の規定に基き、内閣総理大臣は、政令で定める基準に従い、しばしば台風による災害が発生している都道府県の区域の全部又は一部を「台風常襲地帯」として指定する[4]。
上陸台風が多い都道府県
統計史上(1951年以降)、台風の上陸数が多い都道府県を以下に示す[5]。沖縄県は全国でも特に台風の影響を受けているが、台風の中心が沖縄県の島々を通過したとしても、それは気象庁が定義する「上陸」にはあてはまらないため、以下の順位には含めていない[注 2]。上陸台風の数が最も多いのは、九州地方南部に位置する鹿児島県で41個、次いで四国の高知県で26個、3番目が紀伊半島の和歌山県で24個となっている[5][注 3]。日本で一番台風の上陸が多い鹿児島県は、専門家から「日本有数の台風銀座の鹿児島県」と言われている。