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加圧水型原子炉

加圧水型原子炉(かあつすいがたげんしろ、: Pressurized Water Reactor, PWR)は、原子炉の一種。核分裂反応によって生じた熱エネルギーで、一次冷却材である加圧水(圧力の高い軽水)を300℃以上に熱し、一次冷却材を蒸気発生器に通し、そこにおいて発生した二次冷却材の軽水の高温高圧蒸気を得る方式である。

加圧水型原子炉の模式図。
(1) 原子炉圧力容器
(2) 燃料棒
(3) 制御棒
(4) 制御棒駆動装置
(5) 加圧器
(6) 蒸気発生器
(7) 低温の二次冷却水
(8) 高圧蒸気タービン
(9) 低圧蒸気タービン
(10) タービン発電機
(11) 励磁機
(12) 復水器
(13) 冷却水
(14) イオン交換器
(15) 二次冷却水循環ポンプ
(16) 冷却水供給ポンプ
(17) 一次冷却水循環ポンプ
(18) 電力配線
(19) 蒸気
(20) 原子炉格納容器

2020年現在は主に発電炉として、原子力発電所原子力潜水艦原子力空母の発電に用いられている。

特徴

 

沸騰水型原子炉との大きな違いは、燃料によって温められた一次冷却水が沸騰するかどうかである。加圧水と呼ばれる理由は、一次冷却水を高圧にすることで沸点が上昇するため、液体のまま300℃以上まで加熱することができるのである。 この一次冷却水の熱を熱交換器に介した際には二次冷却水側にのみ沸騰が発生して、蒸気タービンへ蒸気を送ることができる。

一次冷却系と二次冷却系という分離された冷却系を有する原子炉では、放射性物質を一次冷却系に閉じこめることが出来る為、沸騰水型原子炉(BWR)のようにタービン建屋を遮蔽する必要が無く、タービン・復水器が汚染されにくいため保守時の安全性でも有利である。ただ、蒸気発生器という沸騰水型原子炉にはない複雑に配管がからみ合った熱交換器や必然的に増えるポンプや配管類の保守性や安全性は別に考慮されるべきである。実際に蒸気発生器のトラブルは過去に頻発していたが、事故が減少しているのは保守の労力と技術向上に拠っている。

沸騰水型原子炉でもほぼ同様だが、加圧水の炉心出口温度を上げることでより高い熱効率を得ることが出来るが、主に燃料棒の金属被覆ジルコニウムの温度に対する脆弱性の問題で、実現可能な上限温度は存在する為、火力発電所で使用されている超臨界水を熱媒体として使用することは出来ない。沸騰水型原子炉では加圧水型原子炉に比べ、二つの冷却系間における熱交換ロスがないので経済性では優位といえる。

一次冷却材漏洩減少時や喪失時には非常用炉心冷却装置(ECCS、緊急炉心冷却装置)を作動させる。

外部からの即時制御は制御棒によって行われる。ほとんどの加圧水型原子炉では、制御棒が上部から圧力容器を貫いて炉心へ挿入される設計が採られており、また制御棒の駆動機構が故障するなどの非常時には駆動機構から制御棒を切り離して自由落下によって制御棒が炉心に挿入出来るようにもなっている。このため制御棒が格納容器の下部から入れられる設計の沸騰水型原子炉で頻繁に発生して問題となっている制御棒の抜け落ち事故は起こりえない。

 
加圧水型原子炉 圧力容器

制御棒は最も重要な安全装置であり、必要な時に制御棒が炉心から抜け落ちている事態は絶対に避けなければならない。事故発生時に冷却系を停止した後の炉心の冷却は、制御棒が炉心に挿入されている事を前提に事故対応が計画されており、炉心が全力で核エネルギーを開放している場合は、非常用炉心冷却装置による放熱や炉心と一次冷却水の熱容量だけではすぐに限界を迎える。この点で、加圧水型原子炉は沸騰水型原子炉に対して優位であるが、何らかの不具合で制御棒が挿入できない場合には同じように危険である。

加圧された一次冷却材水は熱せられても液体の状態であるため再循環が容易であるが、反面、スリーマイル島原子力発電所事故のように、ひとたび液体でなくなれば一次冷却水の残存量すら判らなくなる様に、通常の制御手段がとれずに、非常用炉心冷却装置の他は冷却の手段がなくなる。

日本の商用炉においては、北海道電力関西電力四国電力九州電力各社の全原子力発電所、および日本原子力発電敦賀発電所の2号機(同発電所の1号機、並びに同社の東海第二発電所は、沸騰水型を採用)で、加圧水型が採用されている[1]

また、沸騰水型原子炉と構造的に比較して、一次冷却材が汽水分離せずに液体のまま炉心が冷却材に浸り続けることによって、ある程度の傾きや振動に対する動作安定性が高い。そのため原子炉を動力源とする原子力潜水艦原子力空母などはほとんどが加圧水型原子炉を採用している。

構成要素

 
原子力船サバンナ号の燃料集合体 左端が上部にあたり、その中央に少し見える部分が制御棒が連結された端である。::
  • 核燃料低濃縮ウラン燃料。低濃縮の二酸化ウラン(UO2)を焼き固めて、パイプ状の金属ジルコニウムで被覆したものを数百本束ねて燃料集合体として固定や交換作業を簡便にしている。
  • 冷却材
    • 一次冷却系:軽水(普通の水)
    • 二次冷却系:軽水

他の要素は原子炉原子力発電原子力発電所を参照。

企業関連

加圧水型原子力発電所の設計・製造・建設は三菱重工業(MHI)、米WH(ウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニー)がその主要なメーカーであったが、2006年に東芝が54億ドル(当時:約6210億円)に上る株式取得によりWHを関連会社としたことで、従来は沸騰水型原発の主要メーカーの一角であった東芝が、東芝-WH連合としてトップシェアを占めることになった。中国とインドを成長市場と位置づけ、PWR「AP1000」の受注を狙っていた[2]。しかし2017年WHは経営破綻し、その後東芝は同社の株式を手放した。

なお、沸騰水型原子炉(BWR)の主要メーカーとしては東芝のほか、日立製作所とGE(ゼネラル・エレクトリック)(日本では両社の原子力事業統合会社「日立GEニュークリア・エナジー」を設立)があるが、2006年末時点で加圧水型原子炉(PWR)が軽水炉のうち74%を占めている[3]

戦後の技術導入の経緯から、関西電力は加圧水型原子炉(PWR)を、東京電力は沸騰水型原子炉(BWR)を、それぞれ原子力発電所の基本設計として採用し現在に至る。


形式

  日本

  フランス

  アメリカ合衆国

  • System80
  • AP1000(ウェスティングハウス改良型、(第3世代+))

  韓国

  ドイツ

  • K-PWR(開発当時・西ドイツ)

  ロシア

出典

  1. ^ 参考文献『わかりやすい放射線物理学』149ページ
  2. ^ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09970310V21C16A1TI1000/
  3. ^ 発電用原子炉の炉型原子力百科事典ATOMICA2007年09月

関連項目

外部リンク

  • 加圧水型原子力発電所 - 関西電力
  • 発電のしくみ - 北海道電力
  • 原子力百科事典 ATOMICA トップページ
    • 加圧水型原子炉 (PWR)
    • 原子力発電技術の開発経緯 (PWR)
    • 原子炉機器 (PWR) の原理と構造
    • PWR原子炉容器
    • PWRの原子炉冷却系統
    • PWRの工学的安全施設
    • PWRの原子炉格納容器


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