兪 銀惠(ユ・ウネ[1]、ユ・ウンヘ[2]、朝鮮語: 유은혜、1962年10月2日 - )は、韓国の政治家。第19・20代国会議員[3]。共に民主党に所属。社会副首相、教育部長官を歴任し、同国初の女性副首相である[2]。メディアによっては「惠」を新字体に変え、兪銀恵と表記されることもある[1][2]。
来歴
1962年10月2日にソウルに生まれた[4]。本貫は(杞渓兪氏)[5]。1981年に松谷女子高校、1985年に成均館大学校東洋哲学科を卒業。その後、2011年には梨花女子大学政策科学大学院の公共政策学にて修士を取得している[6]。
1998年より金槿泰議員の後援会事務局長となり、2002年からは同議員補佐[6]。こうした経歴から、その後も金槿泰系議員とも呼ばれている[7]。
2002年には金槿泰の属した新千年民主党の大統領候補だった盧武鉉の選挙対策委員会に設置された環境委員会の副委員長に就任。以降、同党は離合集散を繰り返し党名も変更されていく中、2004年から2010年まで副報道官を務めたほか、一山東区の地域委員会委員長を務めた。2014年から2016年までは党の院内スポークスマンを務めている[6]。このほか2016年より民主党の歴史教科書国定化阻止特別委員長を務めた。
2012年4月の第19代総選挙では京畿道高陽市一山東区選挙区より立候補して初当選、2016年4月の第20代総選挙で再選、現在2期目。初当選後より国会の常任委員会である教育文化体育観光委員を務め、2017年6月から同委員会の幹事を務めている[6]。こうした経歴から教育分野に詳しいとされており、それが後の教育部長官就任にもつながった[8]。
2018年8月30日に文在寅大統領が内閣改造を行い、兪を社会副首相兼教育部長官に指名した[9]。しかし国会での人事聴聞会では政治資金の虚偽報告や、居住実績のない場所を居住地として届け出た偽装転入などの疑惑が野党から指摘され、経過報告書が採択されず、任命状を受けることができなかった[10][11]。とはいえ野党による追及も攻めきれてはおらず、野党内からも疑惑の検証に厳密さがないという批判の声が挙がった[12]。就任には国会の同意は必須ではないため、同年10月2日に文在寅が任命を行い社会副首相兼教育部長官に就任した[10]。韓国で副首相に就任した女性は兪が初である[2]。
発言
リッパート駐韓大使襲撃事件
2015年3月5日に発生したリッパート駐韓大使襲撃事件をめぐり、当時は新政治民主連合のスポークスマンだった兪は記者会見で、容疑者が成均館大学校出身の先輩であることに触れた上で、「個人的に突出した行動が多い」「極端民族主義者であるようだ」と発言した。当時与党だったセヌリ党の権恩嬉報道官は、容疑者の犯行が個人的に突出した行動であったと性急に線引きしたこと自体が不適切な突出した行動であり、民族主義者と表現するのはテロリストを美化しているという党の見解を表明した。兪はこれに対し、極端民族主義者と呼ぶことがなぜ美化につながるのかと反論している[13]。
出典
- ^ a b “オミクロン株猛威中でも新学期も「登校授業」維持 教育部”. world.kbs.co.kr (2022年2月8日). 2023年1月25日閲覧。
- ^ a b c d “兪銀恵氏を初の女性副首相に任命 野党は強く反発”. KBW WORLD Radio. KBSワールドラジオ. (2018年10月3日) 2018年10月12日閲覧。
- ^ a b “대한민국헌정회”. www.rokps.or.kr. 2022年3月13日閲覧。
- ^ “프로필 유은혜 교육부장관 후보자…첫 여성 교육부총리” (朝鮮語). 한국유아교육신문-대한민국 1등 유아교육정책 전문지 (2018年8月30日). 2022年9月5日閲覧。
- ^ “유은혜 더불어민주당 고양병 예비후보, 선거사무소 개소”. ecolover.co.kr (2016年3月8日). 2022年9月5日閲覧。
- ^ “【社説】韓国野党代表は本当に変化したのか”. 中央日報. (2015年2月12日) 2018年10月7日閲覧。
- ^ “50代の女性副首相、破格の任命…文政権2期の“革新”内閣改造”. ハンギョレ. (2018年8月31日) 2018年10月7日閲覧。
- ^ “国防相・社会副首相兼教育相ら5閣僚を交代=韓国”. 聯合ニュース. (2018年8月30日) 2018年10月7日閲覧。
- ^ a b “文大統領 社会副首相兼教育部長官の任命強行”. 聯合ニュース. (2018年10月2日) 2018年10月7日閲覧。
- ^ “【写真】文大統領、新任閣僚と歓談”. 中央日報. (2018年9月22日) 2018年10月7日閲覧。
- ^ “兪銀恵議員を社会副首相兼教育部長官に任命、与野党のさらなる対立は必至”. 東亜日報. (2018年10月3日) 2018年10月7日閲覧。
- ^ “<駐韓米大使襲撃>外交部「韓米同盟は強固…尹炳世・ケリー長官は緊密疎通」”. 中央日報. (2015年3月6日) 2018年10月7日閲覧。