伊吹 武彦(いぶき たけひこ、1901年1月27日 - 1982年10月12日)は、日本のフランス文学者。京都大学名誉教授。
人物
大阪府生まれ。旧制三高を経て、(東京帝国大学)文学部仏文科卒。第三高等学校教授、(京都帝国大学)文学部講師、50年京都大学文学部仏文科教授、1964年に定年退官、関西学院大学教授を務めた。戦後まもなくは、文芸誌『世界文学』を編集し、近現代フランス文学を紹介した。
ラクロ、フローベール、アナトール・フランス、プルースト、サルトルなどを訳し、生島遼一、桑原武夫とともに京大フランス学を形成した。後年は『仏和大辞典』の編纂にも尽力した。
著書
- 『近代仏蘭西文学の展望』白水社 1936
- 『人間像を索めて フランス文学覚書』カホリ書房 1948
- 『サルトル論』世界文学社 1949
- 『ベレー横町』中外書房 1958
- 『仏和大辞典』(編)白水社 1981
翻訳
- 『フロオベエル全集 第1巻 ボヴァリイ夫人』改造社 1936/岩波文庫(上下) 1960、改版2007
- ルイ・ベルトラン『夜のガスパール』青木書店 1939、のち三笠文庫、平凡社
- 『デカルト選集 第4巻 情念論』創元社 1939、のち角川文庫
- モーリス・バレス『自我礼拝』新世界文学全集 第4巻 河出書房 1941、のち改訳版「世界の文学」中央公論社 1970
- アンドレ・ジーグフリード『アメリカとは何ぞや』世界文学社 1946
- ジャン・ポール・サルトル『水いらず・壁』吉村道夫共訳 世界文学社 1946、のち人文書院「全集」、新潮文庫 改版2005
- アンドレ・ジイド『架空のインタヴュー』世界文学社 1946
- 『アナトオル・フランス長篇小説全集 第1巻 シルヴェストル・ボナールの罪』白水社 1947、新版2000ほか。岩波文庫 1975 度々再版
- ラクロ『危険な関係』(上下)創元社 1947、岩波文庫 1965
- (クレビヨン・フィス)『ソファー』世界文学社 1949
- サルトルほか『実存主義は是か非か』今井仙一共訳 創元社 1950
- サルトル全集 第8巻 出口なし 人文書院 1952
- マルセル・プルースト『失われた時を求めて 第3巻 ゲルマント公爵夫人』生島遼一共訳 新潮社 1953、新版1974
- ポオル・ヴァレリイ『エウパリノス・魂と舞踊』人文書院(現代フランス名作集) 1954
- プルースト『失われた時を求めて 第5巻 囚われの女』新潮社 1954、新版1974
- 『サルトル全集 第13巻 実存主義とは何か』人文書院 1955
- フランシス・ジャンソン『サルトル』人文書院(永遠の作家叢書)1957、のち新版
- 『ジイド全集 第8 コリドン・ナルシス論・愛の試み』角川書店 1958
- 『ラシーヌ戯曲全集 第1巻 ベレニス』人文書院 1964
- 『ラシーヌ戯曲全集 第2巻 フェードル』人文書院 1965
- 『アナトール・フランスは語る』加藤林太郎、田中登共編 文林書院 1971
- アンドレ・ジイド『ユリアンの旅』山内義雄共訳 青銅社 1976
脚注
- ^ 伊吹武彦(いぶき たけひこ)とは - コトバンク