伊佐山 ひろ子(いさやま ひろこ、1952年8月18日[1][2] - )は、日本の(女優)、作家。本名:伊佐山 博子[1]。
来歴・人物
1971年、高校卒業後に上京。(俳優小劇場)付属養成所に入所する[4]。
1972年、村川透監督の『白い指の戯れ』[5]で映画初主演を果たし、神代辰巳監督の『一条さゆり 濡れた欲情』での演技と合わせて高く評価され、第46回(1972年度)(キネマ旬報日本映画主演女優賞)を受賞。
当初は日活ロマンポルノを中心に活動していたが、徐々に一般作品へも進出。
岡本喜八監督作品には昭和50年代に3本で助演し、遺作となった『(助太刀屋助六)』(2002年)にも出演した。
テレビドラマでは『神様、もう少しだけ』(1998年、フジテレビ)など数多くの作品に出演している。
1980年代からエッセイや小説なども手掛け、2010年6月15日には「14年ぶり」と銘打って『海と川の匂い』を刊行し[注 1]、2011年の三島由紀夫賞候補作に選ばれた[6]。
タレントのタモリとは遠縁にあたり、関係を問われて「祖母の妹の夫の甥」と説明したが、いちいち説明するのが面倒なのでお互いに「いとこ」で通すことにしたという。
フィルモグラフィ
映画
- 日本の悪霊(1970年)*伊佐山ヒロ子名義
- 白い指の戯れ(1972年) - ゆき
- 一条さゆり 濡れた欲情(1972年) - はるみ
- 影狩り ほえろ大砲(1972年)
- セックス・ハンター 濡れた標的(1972年)
- 女囚さそり 第41雑居房(1972年) - 野田朝子 役
- エロスは甘き香り(1973年)
- 狂走セックス族(1973年)
- 女地獄・森は濡れた(1973年) - 幸子
- 悪名・縄張荒らし(1974年) - チェリィ
- 吶喊(1975年) - お糸 役
- 三億円をつかまえろ(1975年)
- 桜の森の満開の下(1975年)
- 昭和枯れすすき(1975年)
- 嗚呼!!花の応援団(1976年)
- 君よ憤怒の河を渉れ(1976年)
- あにいもうと(1976年)
- (河内のオッサンの唄・よう来たのワレ)(1976年)
- 不連続殺人事件(1977年) - 南雲千草 役
- 竹山ひとり旅(1977年) - 富子
- ボクサー(1977年)
- 新・人間失格(1978年)
- ダイナマイトどんどん(1978年)
- 博多っ子純情(1978年)
- 喧嘩道(1979年)
- 近頃なぜかチャールストン(1981年) - パブのママ
- マノン(1981年) - 曳子(主人公の親友)
- 海峡(1982年) - おれん 役
- えきすとら(1982年)
- 居酒屋兆治(1983年) - アベックの女
- 快盗ルビイ(1988年) - 会社の先輩
- TOMORROW 明日(1988年) - 娼婦
- 浪人街(1990年) - お葉 役
- (良いおっぱい悪いおっぱい)(1990年)
- 稲村ジェーン(1990年) - 夜明けのおばちゃん
- バカヤロー!4 YOU! お前のことだよ(1991年) - 松川の妻
- 119(1994年)
- 三たびの海峡(1995年)
- 天使のウィンク 日光猿軍団(1995年)
- Helpless(1996年) - ウェイトレス
- Mogura(1996年)
- 男たちのかいた絵(1996年)
- HAPPY PEOPLE(1997年)
- ピエタ(1997年)
- (家族シネマ)(1998年) - 母・清子
- 川の流れのように(2000年) - 看護婦
- ちんちろまい(2000年) - クラブのママ
- どら平太(2000年)
- スリ(2000年)
- 田園のユーウツ(2000年) - 柳田登美子
- DEAD OR ALIVE 2 逃亡者(2000年) - 黒い帽子の女
- 岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説(2001年) - ミツエ
- 助太刀屋助六(2002年)
- ROCKERS(2003年) - 高木良江 役
- 木更津キャッツアイ 日本シリーズ(2003年) - 30年後のモー子 役
- ラブドガン(2004年) - 女教師
- 怪談新耳袋 劇場版(2005年) - 出雲典子 役
- サヨナラCOLOR(2005年) - 韮崎智子 役
- 悲しき天使(2006年)
- 日掛け金融地獄伝 こまねずみ常次朗(2006年)
- FM89.3MHz(2007年) - 工藤澄子 役
- 無認可保育園 歌舞伎町 ひよこ組!(2007年) - 工藤澄子 役
- ガチバン(2008年)
- ガチバンII 最凶決戦(2008年)
- Baby's Breath 〜ママになろうよ〜(2008年)
- ナイトピープル(2013年)
- 舟を編む(2013年) - 佐々木薫 役
- (そこのみにて光輝く)(2014年4月19日) - 大城かずこ 役
- (まほろ駅前狂騒曲)(2014年10月18日)
- Silence 沈黙(2017年、マーティン・スコセッシ監督)
- ウタモノガタリ-CINEMA FIGHTERS project-「(ファンキー)」(2018年) - 老婆 役
- (映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ)(2017年、東京テアトル・リトルモア) - 中華料理店主 役
- 生きちゃった(2020年、フィルムランド) - 山田花子 役
- (はい、泳げません)(2022年、東京テアトル・リトルモア)[7] - 笹木ひばり 役
テレビドラマ
- 銀河テレビ小説
- (僕たちの失敗)(1974年)
- 女の一生(1977年)
- 迷惑かけてありがとう(1984年) - くらら
- 金曜時代劇 / ふりむくな鶴吉 第39話「あぶら照り」(1975年)
- 土曜ドラマ
- (松本清張シリーズ・遠い接近)(1975年)
- リミット-刑事の現場2(2009年)
- 負けて、勝つ 〜戦後を創った男・吉田茂〜(2012年)
- ドラマ人間模様
- (事件)(1978年 - 1979年) - 桜井(大沢)京子
- (あ・うん)(1980年) - 梅子
- 夢千代日記(1981年 - 1984年) - 作子
- 大河ドラマ
- 脱兎のごとく 岡倉天心(1985年) - 時江
- 晴のちカミナリ(1989年)
- 連続テレビ小説 / (君の名は)(1991年) - マリー(加賀沢時子)
- (水曜ドラマの花束) / (おじさん改造講座)(1998年)
- 月曜ドラマシリーズ / 妻の卒業式(2004年)
- おシャシャのシャン!(2008年)
NTV系
- 剣と風と子守唄 第17話「闇の宿場に咲く花火」(1975年) - お市
- 愛のサスペンス劇場 / 手紙-殺しへの招待-(1975年)
- 大都会シリーズ
- 大都会 闘いの日々 第28話「不法侵入」(1976年)
- 大都会 PARTII(1977年)
- 第3話「白昼の狂騒」 - 加山みどり
- 第22話「最後の戦場」 - 平山レイコ
- 第7話「同棲」(1976年) - 北沢あけみ
- 太陽にほえろ!
- 第255話「本日多忙」(1977年) - 滝沢純子
- 第440話「強き者よ、その名は…」(1981年) - 古沢妙子
- 第511話「爆発! ロッキー刑事」(1982年) - 中沢恵子
- 第608話「パリに消ゆ」、第609話「モンブラン遥か」(1984年) - 仁科高子
- 第676話「地図にない道」(1985年) - 宮田恵理子
- 大追跡(1978年)
- 第7話「札束と赤いバラ」 - 杉本久美子
- 第19話「ご不要な亭主始末します」
- 土曜グランド劇場→土曜ドラマ
- 熱中時代 刑事編 第21話「熱中刑事タヌキ狩り」(1979年) - 小松タネ子
- 事件記者チャボ! 第1話「チャボが大騒ぎでやってきた」(1983年) - 山村昌子
- 向井荒太の動物日記 〜愛犬ロシナンテの災難〜(2001年)
- 火曜サスペンス劇場
- 炎の料理人・北大路魯山人(1987年6月30日)
- (ジャングル) 第28話「危険な拾いもの」(1987年) - タカシの母
- 銭形平次 第30話「鬼心、女心」(1987年) - おくら
- (スペアのない恋がしたい)(1989年)
- 水曜ドラマ
- 隣人は秘かに笑う(1999年)
- (ホカベン)(2008年)
- DRAMA COMPLEX / (松本清張スペシャル・指)(2006年) - 斉藤晃代
- 恋のから騒ぎ 〜Love Stories V〜「葬儀屋の女」(2008年10月10日)
TBS系
- 必殺シリーズ(ABC)
- アイフル大作戦 第48話「パトカーのガソリン盗難事件」(1974年)
- 事件狩り 第9話「同棲時代の終わり」(1974年)
- 夜明けの刑事
- 第13話「サンタの乗っ取ったバス」(1974年)
- 第57話「相対死した娘の謎!!」(1976年) - 大木ちえこ
- 第72話「結婚サギ殺人事件」(1976年) - 杉田咲子
- 斬り抜ける・俊平ひとり旅 第20話「作州炎上」(1975年) - 幸の方
- Gメンシリーズ
- (青春の門)(1977年、MBS)
- 金曜ドラマ
- あにき(1977年) - 信子
- 愛なんていらねえよ、夏(2002年)
- (白昼の死角)(1979年) - みどり
- 青春諸君!(1979年) - 高木峰子
- 青春諸君!夏(1980年) - よし子
- (思えば遠くへ来たもんだ)(1981年) - 石川原梅子
- われら動物家族(1981年 - 1982年) - 内山苑子
- (野々村病院物語)(1982年)
- 大岡越前 (第10部) 第9話「見破った偽の証拠」(1988年) - お松
- L×I×V×E 第9話「学校が消える日!」(1999年) - 坂口和代
- 東芝日曜劇場 / (白い影 -Love and Life in the White-)(2001年) - 関口鶴代
- 愛の劇場 / (太陽と雪のかけら)(2002年) - 松田その子
- ケータイ刑事 銭形愛 第22話「ひな人形連続殺人事件」(2002年、BS-i)
- ドラマ30 / 虹のかなた(2004年、MBS) - 滝山里江
- さそり (2004年、BS-i)
- (女系家族)(2005年) - 小林君江
- (アキハバラ@DEEP)(2006年) - 綿織あかね
CX系
- ジキルとハイド 第6話「ある少年の…」(1973年) - ヒッピー風の女
- (新宿警察) 第3話「新宿ろくでなし」(1975年)
- 新・座頭市 第2シリーズ 第4話「蛍」(1978年)
- 騎馬奉行 第10話「怪盗天誅小僧の秘密」(1979年)
- 鬼のいぬ間に(1982年 - 1983年、THK)
- 大奥 第18話「女の髪は象をもつなぐ」(1983年) - お初
- 北の国から'84夏(1984年) - ラーメン屋店員 ※「子供がまだ食ってる途中でしょうが!」で有名なシーン。
- (東京ラブストーリー)(1991年)
- (闇から来た少女)(1993年、KTV)
- 3番テーブルの客(1996年)
- 鬼平犯科帳 (第7シリーズ) 第13話「二人女房」(1997年) - お増
- 水曜劇場 / ギフト(1997年)
- 神様、もう少しだけ(1998年) - 平塚医師
- (盤嶽の一生) 第4話「みちづれ」(2002年) ‐ おとし
- 白と黒(2008年) - 鈴木路子
- 金曜エンタテイメント / ツインズな探偵 第2作(2000年) - 河合涼子
- 世にも奇妙な物語
- 世にも奇妙な物語 秋の特別編 (2000年)「バーゲンハンター」(2000年) - 黒岩勝子
- 鬼平犯科帳 第22話「狐雨」(1975年) - お梅
- 人魚亭異聞 無法街の素浪人 第14話「暗黒街の女」(1976年) - おゆう
- 特捜最前線
- 第2話「故郷へ愛をこめて」(1977年)
- 第220話「張込み・閉ざされた唇!」(1981年)
- 第304話「赤い髪の女!」(1983年) - 横田京子
- 第411話「ニューナンブ38口径の謎!」(1985年) - 浦尾の妻
- 第490話「青い殺意・優しい放火魔!」(1986年) - 柳瀬キミヨ
- 鬼平犯科帳※萬屋錦之介版
- (第1シリーズ) 第7話「殿さま栄五郎」(1980年)
- (第2シリーズ) 第6話「俄か雨」(1981年) - お長
- (第3シリーズ) 第3話「霧の朝」(1982年) - おきね
- (女捜査官) 第10話「教会に来たトルコ嬢」(1982年、ABC)
- 西部警察 PART-III 第22話「最上川舟唄」(1983年) - 池内厚子
- ダウンタウン探偵組 第5話「夜がまーたくる俺は稼ぎに足音もなく」(1988年)
- はぐれ刑事純情派 (第5シリーズ) 第4話「偽装結婚!? 流れ弾を浴びた女」(1992年) - 田村とよ子
- ウイークエンドドラマ / いとしの未来ちゃん(1997年)
- 星獣戦隊ギンガマン 第8話「愛情の料理」(1998年) - 服部静子
- 弟(2004年)
- (点と線)(2007年) - アパートの大家
- 金曜ナイトドラマ / 犬を飼うということ〜スカイと我が家の180日〜(2011年) - スナックのママ
- 土曜ワイド劇場
- (松本清張の事故)(1982年) - 加藤初子
- 探偵・神津恭介の殺人推理 第7作「呪縛の家」(1987年) - 花井真弓
- 東京駅お忘れ物預り所 第2作「寝台特急サンライズ瀬戸」(2008年) - 君原那美子
- (新 木枯し紋次郎) 第19話「女郎にはたった一言」(1978年) - お秀
- ザ・スーパーガール 第22話「花嫁強奪・殺しの前に裸を奪え」(1979年)
- ミラクルガール 第1話「プロ野球のエースを救え・殺人鬼の標的」 - 第4話「女が欲望に賭けるとき」(1980年) - 石田好枝(ただし、実際には第3・4話は冒頭の出演者紹介ではクレジットされていたが、出演しておらず事実上2話で降板)
- クリスマスキス〜イブに逢いましょう(1995年) - 牧村孝子
- (嬢王 Virgin)(2009年)- 三上編集長
- (孤独のグルメ) (Season4) 第十一話「大田区 蒲田の海老の生春巻きととりおこわ」(2014年) - 白鳥美麗
- 女と愛とミステリー→水曜ミステリー9
- いなか刑事・伊原泰三の退職捜査日誌 第1作「盗撮ビデオ殺人事件」(2001年) - 久田典子
- (松本清張特別企画・渡された場面)(2005年4月)
- 農家の嫁は弁護士!神谷純子のふるさと事件簿 第2作(2006年) - スナック「みずえ」のママ
- 監察医・篠宮葉月 死体は語る 第8作(2007年) - 亀山圭子
- 事件記者 浦上伸介 第6作「会津・猪苗代湖~赤べこ殺人事件」(2008年) - 長野真紀子
舞台ほか
声優
- 人形劇 三国志(1982年 - 1984年、NHK) - 美芳、関平(少年期)、など
- (ドーベルマン・ギャング)(ジュリー・パリッシュ)
その他の番組
- タケちゃんの思わず笑ってしまいました PART-4(フジテレビ、1984年)
ほか多数
音楽
シングル
アルバム
オムニバスアルバム
- 魅惑のムード☆秘宝館~参之館(2000年、キングレコード、GSD6903)-「あたしでいいのかい」収録。
著書
- 『嫌いは嫌い、好きは好き』筑摩書房 1987 のち文庫
- 『排・卵・周・期』マガジンハウス 1991
- 『独身術』筑摩書房 1994
- 『熱い舌』河出書房新社 1995
- 『学校の犬』エー・ジー出版 1996
- 『海と川の匂い』リトルモア 2010(第24回三島由紀夫賞候補[6])
写真集
脚注
注釈
- ^ 過去2 - 3年のエッセイを編集し、書き下ろしを一編加えたものである。その書き下ろし作品の『ポルノ』では、演劇養成所に通いながら地方のスタジオに電車で通い、ポルノ映画の撮影をする主人公の揺れ動く心の様子、周囲の人間に対する思いなどが赤裸々に描かれている。
出典
- ^ a b c d e 『日本タレント名鑑'82』VIPタイムズ社、1981年、240頁。
- ^ a b c d 伊佐山ひろ子 - 日本タレント名鑑
- ^ “公式プロフィール”. 株式会社フロム・ファーストプロダクション. 2021年1月1日閲覧。
- ^ a b 週刊テレビ番組(東京ポスト)1985年1月11日号「プロフィル」100頁
- ^ “白い指の戯れ”. MOVIE WALKER PRESS. 株式会社ムービーウォーカー. 2020年6月27日閲覧。
- ^ a b “三島由紀夫賞・山本周五郎賞の選考結果発表会見を中継”. ニコニコインフォ. ドワンゴ (2011年5月16日). 2020年6月27日閲覧。
- ^ "長谷川博己×綾瀬はるか「はい、泳げません」麻生久美子、阿部純子らが参加! 場面写真も披露". 映画.com. カカクコム. 1 March 2022. 2022年3月1日閲覧。
外部リンク
- 伊佐山ひろ子(Isayama Hiroko) FROM FIRST - フロム・ファーストプロダクション
- 伊佐山ひろ子 - KINENOTE
- 伊佐山ひろ子 - テレビドラマデータベース