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京阪500型電車 (2代)

京阪500型電車(けいはん500がたでんしゃ)[注釈 1]は、かつて京阪電気鉄道が所有していた電車路面電車車両)の1形式。京都府滋賀県にまたがる大津線京津線石山坂本線)向けに従来の電車の車体を流用して造られ、非貫通の前面デザイン、空気ばね台車、カルダン駆動方式など以降同線に導入される電車に用いられた様々な要素を初めて導入した形式となった[1][9][5][10]

京阪500型電車(2代)
502 + 501
基本情報
運用者 京阪電気鉄道
種車 260型(4次車)
改造所 京阪電気鉄道錦織工場
改造年 1979年1981年
改造数 6両(501 - 506)
廃車 1992年 - 1993年
投入先 大津線京津線石山坂本線
主要諸元
編成 2両編成
軌間 1,435 mm
電気方式 直流600 V
架空電車線方式
車両定員 95人(着席46人)
車両重量 23.5 t
全長 14,900 mm
全幅 2,380 mm
全高 3,980 mm(集電装置含)
台車 FS-503
動力伝達方式 TD平行カルダン駆動方式
発電機 TDK-356 1/B(4.5 kVA)
主電動機 TDK 8560A(300 V、230 A、1,300 rpm)
主電動機出力 60 kw
歯車比 6.00
出力 240 kw
制御装置 ACDF-M460-776A(電動カム軸制御)
制動装置 発電ブレーキ併用(非常直通式空気ブレーキ)(SME)
備考 廃車後の車体は700形に流用
主要数値は[1][2][3][4][5][6][7]に基づく。
(テンプレートを表示)

京阪電気鉄道において、「500」という番号を用いた形式として1926年に1500形として製造後1929年に改番し1976年まで在籍した初代500型が存在するため、当形式は2代目にあたる[11]

導入

京阪大津線の車両近代化のため、1979年から石山坂本線近江神宮前駅に隣接した錦織工場で改造により誕生した形式で、種車は260型のうち1968年に製造された4次車6両(281 - 286)である。

1979年に2両、1981年に4両が導入され、合計6両(2両編成3本)が大津線で使用された。

車体・機器

種車の260型の側面2箇所に両開きの乗降扉が設置されている窓・扉配置はそのまま受け継がれた。一方、車体の片側にある運転室の面積を拡大するため先頭部は非貫通式の2枚窓に改められ、向かって左側には電照式の行先表示装置も設置された。これらの要素は以降大津線に導入された600形700形にも一部デザインを変えながら受け継がれた。また、それまで京津線の優等列車向けの車両は上半分がマンダリンオレンジ、下半分がカーマインレッドの京阪特急色で塗られていたが、500型は上半分がライトグリーン、下半分がダークグリーンの(一般色)で登場し、他の車両も同様の塗装に改められた。車内は全席ロングシートで、冷房は搭載されていなかった[1][12][13][14][7][15][16]

台車は京阪線[注釈 2]1000系で使用実績があるFS-309形を基に小型化したFS-503形を採用した。枕ばねダイヤフラム式空気ばねを用い、(軸箱)は側梁緩衝ゴムによって支持されていた。これにより、従来の車両と比べ荷重によるたわみが減少したほか、床面高さが80 mm低くなり、プラットホームと車両の段差も減少した[1]

この台車に2基搭載されている主電動機は東洋電機製造製の直流直巻電動機であるTDK-8560A形(60 kw)で、従来の車両から出力が向上した。また駆動装置はTD平行カルダン駆動方式を使用しており、500型は大津線初の高性能電車となった。制動装置には従来の車両と同様に(直通空気ブレーキ)(SME)を搭載したが、それまで非常時のみに使用していた発電ブレーキを通常時(速度抑制、停止)にも使用することで、最大66.7‰という京津線の急勾配でも安定した制動力を確保した。集電装置はパンタグラフを用い、奇数番号の車両は運転台側、偶数番号の車両は連結面側の屋根上に1台設置された[1][3][18]

運用

製造当初は京津線の急行や準急[注釈 3]に使用され、1981年に浜大津駅(現:びわ湖浜大津駅)が移設された際には京津線と石山坂本線で車両の向きが逆になる事態を防ぐため、錦織工場に仮設されたターンテーブルを用いて方向転換が実施された[1][20][21][7]

その後、更なる近代化とサービス向上を目指した大津線初の冷房車として1984年600形が営業運転を開始したのに伴い、500形は石山坂本線での普通列車の運用が主体となった。

廃車

やがて、車内冷房のニーズが高まってきたこと[注釈 4]に加え、京津線と京都市営地下鉄東西線の直通運転(片乗り入れ)の開始とともに大津線の架線電圧の1,500 Vへの昇圧が決定した際、500型の機器がその電圧に対応していないことが問題になり始めた[7]

そこで、昇圧に向けた複電圧車として製造が決まっていた700形の種車として500型全車が使用されることとなり、1992年から1993年にかけて車体が流用されたことにより500型は形式消滅した。その際、260型の車歴を「改造」扱いで受け継いだ500型とは異なり、700形は「代替新造」という扱いで導入されている[注釈 5][7][22]

車歴

京阪500型[7][22][23]
改造元 車両番号 改造日 廃車日 備考
285 501 1979年3月29日 1992年11月11日 車体は700形(705)へ流用
286 502 車体は700形(706)へ流用
283 503 1979年6月12日 1993年2月13日 車体は700形(707)へ流用
284 504 車体は700形(708)へ流用
281 505 1981年6月30日 1993年5月14日 車体は700形(709)へ流用
282 506 車体は700形(710)へ流用

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 最初の車両が製造された1979年当時、京阪電気鉄道は車両形式に「型」という漢字を用いていた。その後1986年に「形」へと変更したため、以降の形式表記は「500形」となった[8]
  2. ^ 京阪電気鉄道が所有する路線のうち本線鴨東線宇治線交野線中之島線の総称である[17]
  3. ^ 急行は1981年4月のダイヤ改正で廃止された[19]
  4. ^ 発電ブレーキを常用する500型は夏場のブレーキからの熱が課題となっていた。
  5. ^ 同じく従来の車両の車体を流用した600形も代替新造扱いで導入された。

出典

  1. ^ a b c d e f 飯島巌, 青野邦明 & 諸河久 1986, p. 72-73.
  2. ^ 飯島巌, 青野邦明 & 諸河久 1986, p. 134-137.
  3. ^ a b 飯島巌, 青野邦明 & 諸河久 1986, p. 164-165.
  4. ^ 寺田祐一 2003, p. 62.
  5. ^ a b 寺田祐一 2003, p. 151.
  6. ^ 清水祥史 2017, p. 186.
  7. ^ a b c d e f “”. . 京阪電気鉄道. 2008年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月17日閲覧。
  8. ^ 清水祥史 2017, p. 3.
  9. ^ 寺田祐一 2003, p. 61.
  10. ^ 奥田行男, 野村薫 & 諸河久 1981, p. 76.
  11. ^ 奥田行男, 野村薫 & 諸河久 1981, p. 114.
  12. ^ 飯島巌, 青野邦明 & 諸河久 1986, p. 85-88.
  13. ^ 飯島巌, 青野邦明 & 諸河久 1986, p. 8.
  14. ^ 飯島巌, 青野邦明 & 諸河久 1986, p. 146.
  15. ^ 清水祥史 2017, p. 184.
  16. ^ “「大阪、京都、びわ湖を結ぶ京阪電車」のブランドイメージを統一 大津線車両のカラーデザインを変更します”. 京阪電気鉄道 (2017年3月13日). 2019年12月17日閲覧。
  17. ^ “列車運行状況”. 京阪電気鉄道. 2019年12月17日閲覧。
  18. ^ 飯島巌, 青野邦明 & 諸河久 1986, p. 135-136.
  19. ^ 飯島巌, 青野邦明 & 諸河久 1986, p. 145.
  20. ^ 奥田行男, 野村薫 & 諸河久 1981, p. 77.
  21. ^ 奥田行男, 野村薫 & 諸河久 1981, p. 110.
  22. ^ a b 寺田祐一 2003, p. 151-152.
  23. ^ 飯島巌, 青野邦明 & 諸河久 1986, p. 171,173.

参考資料

  • 奥田行男、野村薫、諸河久『京阪』保育社〈日本の私鉄 7〉、1981年8月5日。ISBN (4-586-50541-9)。 
  • 飯島巌、青野邦明、諸河久『京阪電気鉄道』保育社〈私鉄の車両 15〉、1986年4月25日。ISBN (4-586-53215-7)。 
  • 寺田祐一『ローカル私鉄車輌20年 路面電車・中私鉄編』JTB〈JTBキャンブックス〉、2003年4月1日。ISBN (4533047181)。 
  • 清水祥史『京阪電車 1号型・「びわこ号」から「テレビカー」・「プレミアムカー」まで』JTBパブリッシング〈キャンブックス〉、2017年8月26日。ISBN (978-4533120817)。 
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