概要
豊田市の北西部に位置し、藤岡地区(旧西加茂郡藤岡町の町域にほぼ相当する)に属する。 矢作川右岸に位置する。町域南東部は矢作川に接し、併走する愛知県道11号豊田明智線沿いに民家が点在する。なお県道は町域南部で愛知県道33号瀬戸設楽線が接合している。矢作川沿いをのぞけば、町域のほとんどが深い山林に覆われており、町域北部には採石場があるが、アクセスは林道高土屋線のみである。町域東部では矢作川支流である(李川)が、町域西部では同じく矢作川支流で町域を南北に貫く(井の平川)が、それぞれ部分的にであるが隣町との境界線を形成している。
町域南部の集落に隣接する矢作川河岸では、慶応期に市村団十郎なる人物が掘削したとされる東井水[4]と下川口井水により水田が耕作されているが、1859年(安政6年)には上川口に酒造屋があり、明治初期から中期にかけては農業の合間にみそ屋、油屋、こうじ屋、煮売屋などを兼業する村民があった[4]。また1897年(明治30年)に(南北街道)が開通してからは、馬方や車引き、筏乗りを兼業する農民も現れたという[5]。
歴史
沿革
- 江戸期- 寛永期の『(三河国村々高附)』においては「加茂郡上川口村」、天保期の(郷帳)においても「加茂郡上川口村」という表記が見受けられる[6]。
- 1635年(寛永12年)当時- 挙母藩領であった[4]。
- 1701年(元禄14年)- 旗本石川総昌の(知行地となる)[4]。
- 1871年(明治4年)- 大区小区制施行により、第4大区第3小区に所属する[6]。
- 1878年(明治11年)- 郡区町村編制法施行により、加茂郡が西加茂郡と東加茂郡に分割される。これに伴い、上川口村の所属が加茂郡から西加茂郡に変更される[5]。
- 1884年(明治17年)7月- 戸長役場設置に伴い、上川口村、押沢村(おしざわむら)、下川口村(しもかわぐちむら)、富田村(とみだむら)、西枝下村(にししだれむら)、西広瀬村(にしひろせむら)、藤沢村(ふじさわむら)、松嶺村(まつみねむら)、御作村(みつくりむら)の9村が同組に組み込まれる[7]。
- 1889年(明治22年)10月1日- (市制・町村制)施行に伴い、上川口村、押沢村、下川口村、富田村、西枝下村、西広瀬村、藤沢村、松嶺村、御作村の9村が合併して西加茂郡富貴下村(ふきしもむら)が誕生し[8]、上川口村は富貴下村大字上川口に継承される[5]。
- 1906年(明治39年)4月1日- 富貴下村の内3大字、高岡村、藤河村が合併して藤岡村が誕生し[9]、富貴下村大字上川口は藤岡村大字上川口に継承される[5]。
- 1978年(昭和53年)4月1日- 藤岡村の町制施行に伴い[9]、住所表示が藤岡町大字上川口に変更される[5]。
- 2005年(平成17年)4月1日- 藤岡町の豊田市への編入に伴い、住所表示が豊田市上川口町に変更される。
世帯数と人口
2019年(令和元年)7月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[1]。
人口の変遷
国勢調査による人口の推移
学区
市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[13]。
施設
公共施設
寺社
文化財
古窯
- 空窯- 近現代[15]
散布地
その他
日本郵便
脚注
- ^ a b c “豊田市の人口 2019年7月1日現在人口 詳細データ - 町別面積・人口・世帯数”. 豊田市 (2019年7月11日). 2019年7月15日閲覧。
- ^ a b “上川口町の郵便番号”. 日本郵便. 2019年7月15日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g 『日本歴史地名体系』23:848-849ページ
- ^ a b c d e f 『角川日本地名大辞典 23 愛知県』:407ページ
- ^ a b 『日本歴史地名体系』23:1165ページ
- ^ 『豊田加茂の地名』:8ページ
- ^ 『角川日本地名大辞典 23 愛知県』:1159ページ
- ^ a b 『豊田加茂7市町村の合併の記録』:20ページ
- ^ “平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年3月23日閲覧。
- ^ “平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年3月23日閲覧。
- ^ “平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年3月23日閲覧。
- ^ “2019年度豊田市立小中学校区一覧表” (PDF). 豊田市 (2019年6月26日). 2019年7月15日閲覧。
- ^ 三河国二葉松下巻:1103271306 (PDF 21.25MB)(愛知芸術文化センター愛知県図書館ウェブサイト、貴重和本デジタルライブラリーより、2012年2月2日閲覧)
- ^ a b 埋蔵文化財一覧(豊田市ウェブサイト、2012年1月23日閲覧)
- ^ “郵便番号簿 2018年度版” (PDF). 日本郵便. 2019年6月10日閲覧。
参考文献
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年3月8日。ISBN (4-04-001230-5)。
- 有限会社平凡社地方資料センター 編『日本歴史地名体系第23巻 愛知県の地名』平凡社、1981年。ISBN (4-582-49023-9)。
- 『豊田加茂7市町村の合併の記録』、豊田市、2005年。
- 深津重貞 「豊田加茂の地名」、1991年。