三放世代(三抛世代 / さむぽせだい / サムポセデ、朝鮮語: 삼포세대)とは、2011年に誕生した韓国の造語・スラング。恋愛・結婚・出産を放棄(抛棄)している若者世代を指す呼称。本項目では三放世代から派生した造語『五放世代』『七放世代』についても記述する。
三(/五/七)放世代 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 삼(/오/칠)포세대 |
漢字: | 三(/五/七)抛世代 |
発音: | サム(/オ/チル)ポセデ |
日本語読み: | さん(/ご/しち)ほうせだい |
RR式: | Sam(/O/Chil)po sedae |
MR式: | Sam(/O/Ch'il)p'o setae |
英語表記: | Sam(/O/Chil)po generation Three(/Five/Seven) giving-up generation |
韓国では、漢江の奇跡と呼ばれた急速な高度経済成長や民主化を経て、先進国の地位を獲得した。ところが、1997年のアジア通貨危機が発端となり、韓国の労働市場は一時雇用化が一気に進んだ。
その後も、歴代政権は低収入で不安定な若者たちの生活向上を約束してきたが、決してはうまくはいっていない状況であり、やがて韓国の若者たちは政治に期待することや努力も辞め、諦めてしまう人が増えた[1]。
三放世代となった理由
ある調査によると、三放世代である理由として、最も多かったのが「貯蓄がないから」(53.5%)である。次に、「できるかぎりの貯蓄をしても足りない」(42.1%)、三番目に「実家が裕福ではない」(36.4%)、四番目に「就職が遅れた」(33.1%)、五番目に「収入が低い」(32.1%)、六番目が「多額の借金を抱えている」(16.8%)であった[2]。
五放世代・七放世代
韓国統計庁によると2015年の国内失業率のうち青年層(15〜29歳)の失業率は10.0%と際立って高くなった[4]。学生は大学を卒業したあと何年も就職活動を継続せざるをえず、職につけない若者たちは経済的に困窮していき「恋愛」「結婚」「出産」だけでなく「就職」「マイホーム」の5つを諦めざるを得なくなる「五放世代」、さらに「人間関係」「夢」の7つを諦めざるを得なくなる「七放世代」という表現も現れた[4]。
名称 | 読み | 数 | 諦めたもの |
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三放世代 | さむぽせだい / サムポセデ | 1 | 恋愛 |
2 | 結婚 | ||
3 | 出産 | ||
五放世代 | ごぽせだい / オポセデ | 4 | 就職 |
5 | マイホーム | ||
七放世代 | しちぽせだい / チルポセデ | 6 | 人間関係 |
7 | 夢 | ||
九放世代 | きゅうぽせだい / グポセデ | 8 | 健康 |
9 | 外見 | ||
十放世代 | じゅうぽせだい / シッポセデ | 10 | 人生 |