ヴァージン・グループ(英語: Virgin Group)は、イギリスの多国籍企業並びにコングロマリットである。ナイトの爵位を持っているリチャード・ブランソン会長が主体となって企業を動かしている[1]。
概要・沿革
2020年現在会長を務めるブランソンが1966年、16歳の時に「スチューデント」誌を立ち上げた(第1号の発行は1968年)のが始まりである。3年後の1971年には、中古レコード通信販売会社「ヴァージン・メガストア」を創業した[1]。
1984年、航空会社「ヴァージン・アトランティック航空」が設立される[1]。2020年現在、同社はブリティッシュ・エアウェイズと並んで、イギリスの航空会社の中でも特に大きな規模を誇っている。
その後も、ヴァージン・グループは次々と新たな事業を拡大していった。鉄道会社、ラジオ局、インターネット、コーラ販売、携帯電話関連の事業などにも業態を拡大して、関連会社は40社以上、展開している国の数は22ヶ国以上にも及ぶ[1]。
傘下の航空会社は、前述のヴァージン・アトランティック航空をはじめ、2001年にヴァージン・オーストラリア(オーストラリア)、2007年にヴァージン・アメリカ(アメリカ合衆国)を設立するなどしている[1]。これら3社の航空会社が運航する航空機の合計機数は、2011年初頭の時点でおよそ150機に及んだ[1]。
さらには、一般の観光客用の宇宙旅行プログラム実施を目指し、2004年に「ヴァージン・ギャラクティック」を設立している。2019年にニューヨーク証券取引所に上場し、宇宙旅行会社として世界で初めて株式公開し、約10億ドルの時価総額をつけた[2]。
2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により経営難に陥る。ブランソンは所有する「ヴァージン・ギャラクティック」の株の売却や融資により立て直しを図ったが、「ヴァージン・アトランティック航空」と「ヴァージン・オーストラリア」は破産手続きに至った[3]。
子会社及び投資
企業 | 持ち分 % | ジャンル |
---|---|---|
エアアジア X | 16% | 旅行 |
(Vフェスティバル) | 100% | エンターテイメント |
(ヴァージン・アクティブ) | 20% | 健康 |
ヴァージン・アメリカ(アラスカ航空に合併され消滅) | 25% | 旅行 |
ヴァージン・アトランティック航空 | 51% | 旅行 |
ヴァージン・オーストラリア | 10% | 旅行 |
(ヴァージン・ブックス) | 10% | 出版 |
(ヴァージン・ケア) | 100% | 健康 |
(ヴァージン・クルーゼズ) | 100% | 旅行 |
ヴァージン・コネクト | 100% | メディア |
(ヴァージン・メディア・O2) | 50%(リバティ・グローバル、テレフォニカと合弁) | メディア |
(ヴァージン・エクスペリエンスデイズ) | 100% | エンターテイメント |
ヴァージン・ギャラクティック | 100% | 旅行 |
(ヴァージン・グリーンファンド) | 100% | エネルギー |
(ヴァージン・ヘルスバンク) | 100% | 健康 |
ヴァージン・ヘルスマイルズ | 100% | ビジネスサービス |
(ヴァージン・ホリデイズ) | 100% | 旅行 |
(ヴァージン・ホテルズ) | 100% | ホスピタリティ |
(ヴァージン・リミテッドエディション) | 100% | ホスピタリティ |
(ヴァージン・リモバイク) | 100% | 旅行 |
ヴァージン・レコード | EMIに買収される(1992年) | レコード会社 |
ヴァージン・メガストアーズ | 100% | リテール |
ヴァージン・モバイル | 100% | 通信 |
ヴァージン・オービット | 75%[4] | 宇宙 |
(ヴァージン・マネー) | 34%[5] | 金融 |
ヴァージン・オーシャニック | 100% | エンターテイメント |
ヴァージン・レーシング | 100% | エンターテイメント |
(ヴァージン・ラジオ) | 100% | エンターテイメント |
ヴァージン・ピュア | ( (ストロース・グループ)と提携) | 食品 |
(ヴァージン・パルス) | 25% | ビジネス・サービス |
ヴァージン・ユナイト | 100% | チャリティ |
(ヴァージン・スタートアップ) | 100% | チャリティ |
(ヴァージン・レール・グループ) | 51% | 旅行・鉄道 |
(ヴァージン・ハイパーループ) | 高速鉄道 | |
(ヴァージン・バルーン・フライト) | (AirXcite のライセンスによる) | 熱気球旅行 |
(ヴァージン・バケーションズ) | 100% | 旅行 |
(ヴァージン・ヴォヤージュ) | 49% | 旅行・クルーズ船 |
ヴァージン・バウチャー | 100% | リテール |
ヴァージン・アトランティック航空
ヴァージン・オーストラリア
脚注
- ^ a b c d e f ブリタニカ国際大百科事典(電子辞書版)「ヴァージン・グループ」
- ^ “宇宙旅行の米ヴァージンがNY上場、時価総額10億ドル”. 日本経済新聞. 2021年5月28日閲覧。
- ^ “英ヴァージン航空、破産手続きへ、金融支援で再建計画を加速”. トラベルボイス. 2021年5月28日閲覧。
- ^ 「2021年度報告書」。
- ^ Armstrong, Ashley (2014年11月13日). “Virgin Money float triggers £50m payment to George Osborne's coffers”. The Telegraph2015年5月19日閲覧。
関連項目
- 民間宇宙飛行 - スペースシップワン
- マイク・オールドフィールド『チューブラー・ベルズ』(1973年):ヴァージン・グループ発展に多大な貢献をしたプログレッシブ・ロックのアルバム。表題の楽曲の冒頭部分が映画『エクソシスト』に用いられた。ヴァージン・レコードが最初にリリース契約した作品である。
外部リンク
- Virgin Group Portal (英語)
- virginbrand.com/ an unofficial virgin blog (英語)