ロバート・ミハイロヴィチ・シュワルツマン(Robert Mikhailovich Shwartzman, ロシア語: Ро́берт Миха́йлович Шва́рцман, 1999年9月16日 - )は、イスラエル生まれでロシア・サンクトペテルブルク出身のレーシングドライバー。
ロバート・シュワルツマン Robert Shwartzman | |
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ロバート・シュワルツマン (2018年) | |
基本情報 | |
国籍 | ロシア イスラエル (出生地・FIAライセンス発給国) |
生年月日 | 1999年9月16日(23歳) |
出身地 | ロバート・ミハイロヴィチ・シュワルツマン Ро́берт Миха́йлович Шва́рцман イスラエル 同・テルアビブ |
過去参加シリーズ | |
2014-15 2015 2016-17 2016-17 2018 2018 2019 | イタリア・F4選手権 ADAC・フォーミュラ4 フォーミュラ・ルノー2.0 NEC ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0 (トヨタ・レーシング・シリーズ) FIA ヨーロピアンF3 FIA フォーミュラ3選手権 |
選手権タイトル | |
2018 2019 | (トヨタ・レーシング・シリーズ) FIA フォーミュラ3選手権 |
マスメディアによっては「ロバート・シュバルツマン」と表記する場合もある。
経歴
カート
シュワルツマンはイスラエルにて誕生、ロシア・サンクトペテルブルクで育った。2004年の5歳からカートを始める。およそ7年に亘ってヨーロッパ各地(主にイタリア)のレースへ参戦し、複数のタイトルを獲得した[1]。
フォーミュラ4
2014年からシングルシーターレースへステップアップする。(クラム・モータースポーツ)より「(イタリア・F4選手権)」へ出場し、終盤6レースを走り総合16位となる[2]。
翌年は(ミュッケ・モータースポーツ)からフルタイム参戦を果たし2勝を挙げ、プレマ・パワーチームの(ラルフ・アーロン)、周冠宇に次ぐ総合3位でシーズンを終えた[3]。その他、「(ADAC・フォーミュラ4)」へエントリーして総合4位となる[4]。
フォーミュラ・ルノー
2016年、モーターランド・アラゴンで行われたテストを経て(ヨゼフ・カウフマン・レーシング)より「フォーミュラ・ルノー2.0 シリーズ」へ参戦する。ノーザンユーロカップでは2勝を挙げ総合6位に[5]、ユーロカップは未勝利ながらも総合8位となった[6]。
2017年は、(R-ace GP)へ移籍する。ユーロカップ第7戦(レッドブル・リンク)と第8戦(ポール・リカール・サーキット)以外のラウンドにてそれぞれ1度表彰台を獲得する走りを見せ、チームメイトの(ウィル・パーマー)に次ぐ総合3位で終える[7]。
GP3シリーズ
2016年11月、ヤス・マリーナ・サーキットで開催されたポストシーズンテストへ(コイラネンGP)より参加した。
トヨタ・レーシング・シリーズ
2018年のオフシーズンには、「(トヨタ・レーシング・シリーズ)」へ参戦。M2・コンペティションからのエントリーとなる。全戦5位以上の成績を上げた唯一のドライバーとなり、合計916ポイントを獲得。この年のシリーズチャンピオンに輝く[8]。
FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権
2017年9月、プレマ・パワーチームから「FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権」のテスト走行へ参加した。テスト後、フェラーリ・ドライバー・アカデミーのメンバーへ加わることを発表する[9]。同年12月、翌シーズンの本戦へプレマから参戦することが決まる。第9戦(レッドブル・リンク)レース3にて初勝利を収め、続く最終戦(ホッケンハイムリンク)レース3でも勝利を挙げる。初出場で総合3位の好成績となった[10]。ルーキー・チャンピオンシップ部門では1位となる[11]。
FIA フォーミュラ3選手権
2019年は、「FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権」と「GP3シリーズ」が統合して誕生した「FIA フォーミュラ3選手権」へ参戦する。引き続きプレマからのエントリーとなった。開幕戦(カタロニア・サーキット)レース1の予選でポールポジションを獲得する。決勝はARTグランプリの(クリスチャン・ルンガー)に次ぐ2位でチェッカーを受けるが、ルンガーはバーチャル・セーフティーカー時の対応違反による5秒加算ペナルティとなりシュワルツマンの繰上げ優勝となる[12]。レース2は表彰台に届かず4位で終えた。第2戦(ポール・リカール・サーキット)レース1は予選で3番グリッドを獲得、決勝では1つ順位を上げるがチームメイトの(ユアン・ダルバラ)に届かず2位で終える。レース2では7番グリッドからスタートしてトップチェッカーを受け2勝目を挙げた。第3戦(レッドブル・リンク)レース1は5位、レース2は首位攻防中のラストラップにチームメイトのマーカス・アームストロングとクラッシュを引き起こしてしまう。この影響でアームストロングはリアタイヤのパンクにより19位まで後退、シュワルツマンはそのままトップチェッカーを受けるも接触による5秒加算ペナルティを受け3位へ後退した[13]。
第4戦(シルバーストン・サーキット)のレース1は5位、レース2は終盤の追い上げ及ばず(ハイテック・グランプリ)の(レオナルド・プルチーニ)に次ぐ2位となった。第5戦(ハンガロリンク)では両レース共に表彰台へ登壇できず終えることとなる。レース1を5位で、レース2は接触によりリタイアを喫した。第6戦(スパ・フランコルシャン)では4番手スタートから2台抜き去り2位でフィニッシュ、レース2はアームストロングと角田裕毅に次ぐ3位となる。
第7戦(モンツァ・サーキット)の予選おいて、多数の車両がアタックラップ時にスリップストリームを利用すべくスロー走行を行った[14]。この牽制行為により複数のドライバーがグリッド降格ペナルティを受けることとなり、シュワルツマンもその一人であった[15]。決勝レースでは順位を上げ終盤トップへ浮上、そのままトップチェッカーを受けシーズン3勝目を挙げた[15]。レース2はルンガーとの8位争いを僅か0.067秒差で制し、ポイント圏内最終の8位でフィニッシュした[16]。母国で迎える最終戦(ソチ・オートドローム)予選のポールポジションを獲得、レース1では首位をアームストロングにへ明け渡してしまうものの2位でフィニッシュラインを超える。この時点でシュワルツマンがタイトルを獲得した[17]。レース2も3位まで順位を上げシーズンを締めくくった。
フォーミュラ2
2020年は、「FIA フォーミュラ2選手権」にへプレマから初参戦[18]。チームメイトはミック・シューマッハとなった。シーズンは3月から開催する予定ではあったが、新型コロナウイルスの世界的流行に伴い開幕が7月まで延期となった[19]。4月18日、新型コロナウイルスへ感染し闘病中であった父・ミハイルが52歳で亡くなる悲劇に見舞われる[20]。
フォーミュラ1
2020年の最終戦アブダビGPにてスクーデリア・フェラーリからテスト走行を果たす[21]
レース戦績
略歴
年 | シリーズ | チーム | レース | 勝利 | PP | FL | 表彰台 | ポイント | 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014 | (イタリア・F4選手権) | (クラム・モータースポーツ) | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 26 | 16位 |
2015 | (ミュッケ・モータースポーツ) | 21 | 2 | 4 | 3 | 8 | 212 | 3位 | |
(ADAC・フォーミュラ4選手権) | (ADAC・ベルリン=ブランデンブルク e.V.) | 20 | 0 | 0 | 4 | 8 | 167 | 4位 | |
2016 | ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0 | (ヨゼフ・カウフマン・レーシング) | 15 | 0 | 0 | 0 | 1 | 75 | 8位 |
フォーミュラ・ルノー2.0 NEC | 15 | 2 | 1 | 2 | 3 | 206 | 6位 | ||
2017 | フォーミュラ・ルノー・ユーロカップ | (R-ace GP) | 23 | 6 | 7 | 7 | 12 | 285 | 3位 |
フォーミュラ・ルノー NEC | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | NC† | ||
2018 | FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権 | プレマ・セオドール・レーシング | 30 | 2 | 3 | 1 | 11 | 294 | 3位 |
マカオグランプリ | SJM・セオドール・レーシング by プレマ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | N/A | 9位 | |
(トヨタ・レーシング・シリーズ) | (M2・コンペティション) | 15 | 1 | 3 | 3 | 9 | 916 | 1位 | |
2019 | FIA フォーミュラ3選手権 | プレマ・レーシング | 16 | 3 | 2 | 2 | 10 | 212 | 1位 |
マカオグランプリ | SJM・セオドール・レーシング by プレマ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | N/A | DNF | |
2020 | FIA フォーミュラ2選手権 | プレマ・レーシング | 24 | 4 | 0 | 1 | 6 | 177 | 4位 |
2021 | 23 | 2 | 0 | 3 | 8 | 192 | 2位 | ||
2022 | フォーミュラ1 | スクーデリア・フェラーリ | テストドライバー |
- * : 今シーズンの順位。(現時点)
FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権
年 | エントラント | エンジン | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | DC | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
(2018年) | プレマ・セオドール・レーシング | メルセデス | (PAU 1) 8 | (PAU 2) 9 | (PAU 3) 6‡ | HUN 1 3 | HUN 2 5 | HUN 3 Ret | NOR 1 6 | NOR 2 Ret | NOR 3 7 | ZAN 1 8 | ZAN 2 7 | ZAN 3 11 | SPA 1 5 | SPA 2 4 | SPA 3 2 | SIL 1 8 | SIL 2 9 | SIL 3 10 | MIS 1 3 | MIS 2 9 | MIS 3 7 | NÜR 1 2 | NÜR 2 2 | NÜR 3 2 | RBR 1 2 | RBR 2 3 | RBR 3 1 | HOC 1 2 | HOC 2 5 | HOC 3 1 | 3位 | 294 |
マカオグランプリ
年 | チーム | 車両 | 予選 | 予選レース | 決勝レース |
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(2018年) | SJM・セオドール・レーシング・バイ・プレマ | (ダラーラ・F317) | 12位 | 10位 | 9位 |
(2019年) | (ダラーラ・F3 2019) | 2位 | 2位 | DNF |
FIA フォーミュラ3選手権
年 | エントラント | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | DC | ポイント |
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(2019年) | プレマ・レーシング | CAT FEA 1 | CAT SPR 4 | LEC FEA 2 | LEC SPR 1 | RBR FEA 5 | RBR SPR 3 | SIL FEA 5 | SIL SPR 2 | HUN FEA 5 | HUN SPR Ret | SPA FEA 2 | SPA SPR 3 | MNZ FEA 1 | MNZ SPR 8 | SOC FEA 2 | SOC SPR 3 | 1位 | 212 |
FIA フォーミュラ2選手権
年 | エントラント | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | DC | ポイント |
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2020年 | プレマ・レーシング | RBR FEA 3 | RBR SPR 4 | RBR FEA 1 | RBR SPR Ret | HUN FEA 1 | HUN SPR 4 | SIL FEA 14 | SIL SPR 13 | SIL FEA 8 | SIL SPR 13 | CAT FEA 2 | CAT SPR 13 | SPA FEA 5 | SPA SPR 1 | MNZ FEA 9 | MNZ SPR 5 | MUG FEA Ret | MUG SPR 9 | SOC FEA 11 | SOC SPR 10 | BHR FEA 8 | BHR SPR 1 | BHR FEA 4 | BHR SPR 5 | 4位 | 177 |
2021年 | BHR SP1 4 | BHR SP2 Ret | BHR FEA 7 | MON SP1 Ret | MON SP2 10 | MON FEA 4 | BAK SP1 1 | BAK SP2 5 | BAK FEA 3 | SIL SP1 1 | SIL SP2 15 | SIL FEA 5 | MNZ SP1 6 | MNZ SP2 3 | MNZ FEA 6 | SOC SP1 3 | SOC SP2 C | SOC FEA 4 | JED SP1 5 | JED SP2 3 | JED FEA 2 | YMC SP1 4 | YMC SP2 2 | YMC FEA 5 | 2位 | 192 |
出典
- ^ “Robert Shwartzman”. DRIVER DATABASE. 2020年9月4日閲覧。
- ^ “Italian Formula 4 Championship 2014 standings”. DRIVER DATABASE. 2020年9月4日閲覧。
- ^ “Italian Formula 4 Championship 2015 standings”. DRIVER DATABASE. 2020年9月4日閲覧。
- ^ “ADAC Formel 4 2015 standings”. DRIVER DATABASE. 2020年9月4日閲覧。
- ^ “Formula Renault 2.0 NEC 2016 standings”. DRIVER DATABASE. 2020年9月4日閲覧。
- ^ “Formula Renault 2.0 Eurocup 2016 standings”. DRIVER DATABASE. 2020年9月4日閲覧。
- ^ “Formula Renault 2.0 Eurocup 2017 standings”. DRIVER DATABASE. 2020年9月4日閲覧。
- ^ “2018 Castrol Toyota Racing Series Final Classification.pdf”. TOYOTA NZ. 2020年9月4日閲覧。
- ^ “フェラーリ・ドライバー・アカデミーにFルノー参戦中のシュワルツマンが加入”. auto sport Web (2017年10月25日). 2020年9月4日閲覧。
- ^ “2018 STANDINGS - 2018 FIA Formula 3 European Championship - Driver”. Federation Internationale de l'Automobile. 2020年9月4日閲覧。
- ^ “2018 STANDINGS - 2018 FIA Formula 3 European Championship - Rookies”. Federation Internationale de l'Automobile. 2020年9月4日閲覧。
- ^ “F3開幕戦カタルニアレース1:ルンガーのペナルティで優勝はシュバルツマンに。角田は10位”. motorsport.com (2019年5月11日). 2020年9月4日閲覧。
- ^ “F3オーストリア:レース2最終周にドラマ。ヒューズ優勝、プレマ勢が同士討ち”. motorsport.com (2019年6月30日). 2020年9月4日閲覧。
- ^ “F3モンツァ予選:コース上大渋滞で赤旗の珍事。ルンガーPP、名取6位”. motorsport.com (2019年9月7日). 2020年9月4日閲覧。
- ^ a b “F3モンツァレース1:大クラッシュ発生でSC先導のまま終了。プレマが表彰台独占。角田4位”. motorsport.com (2019年9月7日). 2020年9月4日閲覧。
- ^ “F3モンツァ・レース2:角田裕毅初優勝。雨絡み難コンディションを制す”. motorsport.com (2019年9月8日). 2020年9月4日閲覧。
- ^ “FIA F3ソチ:レース1で2位獲得のシュバルツマンが王者に。角田裕毅12位”. motorsport.com (2019年9月28日). 2020年9月4日閲覧。
- ^ “プレマ、来季のF2体制発表。シューマッハーのチームメイトにシュバルツマン起用”. motorsport.com (2019年11月28日). 2020年9月4日閲覧。
- ^ “FIA-F2とFIA-F3の2020年新スケジュールが発表。オーストリアで開幕、F1と全戦併催へ”. auto sport Web (2020年6月2日). 2020年9月4日閲覧。
- ^ “跳馬傘下のロバート・シュワルツマン、父を失くす…新型コロナウイルス感染症に感染”. FORMULA1 - DATA (2020年4月19日). 2020年9月4日閲覧。
- ^ “初走行を終えたシュワルツマン、「最高、夢がかなった!」”. bellagara.com (2020年12月16日). 2020年12月16日閲覧。