モンカタバミ(紋片喰・紋酢漿草、学名:Oxalis tetraphylla)は、カタバミ科カタバミ属の多年草[3]。メキシコ原産[3][4]。カタバミ属には3小葉からなる三出複葉を生じる種が多いのに対し、本種は4小葉からなる複葉を生じる。観賞用に栽培される。別名ヨツバカタバミ[1]。
形態
(地上茎)はない。地中の直径3~4cmになる肉質の鱗茎から、長さ10~30cmの葉柄が根出し、その先端に長さ4cmほどの倒心臓形または倒卵形の小葉が4枚つく[3][4]。各小葉の基部には紫褐色の斑紋が入る。夏から秋にかけて長さ30~40cmの花茎を複数伸ばし、径1.8cmほどの桃紅色の5弁花を(散形)に10個ほど咲かせる[2][3][4]。
名称
(種小名)の tetraphylla は「4つ葉の」の意味。またシノニムの Oxalis deppei は18世紀ドイツの博物学者フェルディナント・デッペに対する献名である[4]。和名では葉の紋様からモンカタバミ、または4枚の小葉からヨツバカタバミの名がある。一般名としては、園芸品種名から「アイアン・クロス」、また4枚の小葉から「ラッキー・クローバー」とも呼ばれるが[4][5]、本来のクローバー(シロツメクサ)とは全く別の植物である。
利用
観賞用に栽培される。特にドイツでは、新年を迎えるための縁起物として、煙突掃除人・幸運のキノコ・豚・テントウムシなどの幸運を呼ぶとされる人形と取りあわせた本種の鉢物が飾られる[6][7][8]。ただし、縁起物とされているのは「四つ葉のクローバー」であり[6][8]、本種はその代用として用いられているものである[4]。鱗茎や葉は食用にもなる[2]。
関連種
- (ゴヨウカタバミ)(Oxalis pentaphylla)[9] - 「4つ葉の」の意の種小名を持つモンカタバミに対し、「5つ葉の」の意の種小名を持つ同属種。ただし、各小葉は細長い線形であり、モンカタバミとは大きく姿が異なる。また小葉の数は6枚以上になることもある。別名マツバカタバミ。
脚注
- ^ a b “Oxalis tetraphylla Cav. モンカタバミ”. 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList) (2017年12月21日). 2020年2月7日閲覧。
- ^ a b c d 世界有用植物事典、761頁。
- ^ a b c d e 日本帰化植物写真図鑑、157頁。
- ^ a b c d e f g 園芸植物大事典1、397頁。
- ^ “オキザリスとは - 育て方図鑑”. みんなの趣味の園芸(NHK出版). 2020年2月7日閲覧。
- ^ a b “【今週のドイツ語】Glücksbringer”. YOUNG GERMANY ドイツ発ライフスタイル・ガイド(駐日ドイツ大使館) (2019年12月27日). 2020年2月7日閲覧。
- ^ “ドイツの縁起物「煙突掃除屋さん」で素敵な新年を!”. 地球の歩き方 (2014年12月31日). 2020年2月7日閲覧。
- ^ a b “今年は猪年ですが、…”. Twitter@GermanyinJapan (駐日ドイツ大使館公式Twitter) (2019年1月1日). 2020年2月7日閲覧。
- ^ “Oxalis pentaphylla Sims ゴヨウカタバミ”. 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList) (2014年4月22日). 2020年2月7日閲覧。