ムナグロ(胸黒、英名Pacific Golden Plover、学名:Pluvialis fulva)は、チドリ目チドリ科に分類される鳥類の一種である。
ムナグロ |
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泥地を歩く夏羽のムナグロ |
保全状況評価[1] |
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) |
分類 |
学名 |
Pluvialis fulva Gmelin, 1789[2] |
和名 |
ムナグロ |
英名 |
Pacific Golden Plover |
分布
シベリアとアラスカ西部のツンドラで繁殖し、冬季は東南アジアやオーストラリア、インド、アフリカ東部などへの渡りをおこない越冬する[3]。
日本へは旅鳥として春と秋の渡りの時期に全国に飛来する。本州の中部以南の地域では、越冬する個体もある。南西諸島や小笠原諸島では、普通に越冬している。
形態
全長は約24 cm[3]、翼開長は約60 cm[4]。雌雄同色[4]。成鳥夏羽は、顔から腹までの下部分が黒く、その上部に白い縁取りがある。背面は黄褐色と黒褐色の斑模様になっている。成鳥冬羽は、体下面が淡黄褐色で腹部が褐色がかった白色である。嘴は黒色。足は灰色みをおびた黒色である。
幼鳥は成鳥の冬羽と似ているが、全体に黄褐色みが強く翼の下面が白っぽい。
生態
繁殖期は極地のツンドラに生息し、6-8月に繁殖する。つがいで生活し、縄張りを持つ。巣は地上に作り、産卵数は普通4卵である。
食性は主に動物食で、昆虫類や甲殻類などを捕食する。草原や田圃で植物の種子をついばむこともある。
渡りの時期や越冬時には、水田や草原、干潟や河原、河口などに生息する[3]。体型の似ているダイゼンと比べると、やや乾いた環境を好む傾向がある。特に、越冬地では干潟や河原よりも、畑や公園の芝生などの方でよく観察されている。
飛翔しながら「ピョピョー」「キビョー」などの声で鳴く。
種の保全状況評価
脚注
- ^ a b “Pluvialis fulva in IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.2.” (英語). 国際自然保護連合(IUCN). 2012年5月4日閲覧。
- ^ “Pluvialis fulva (Gmelin, 1789)” (英語). ITIS. 2012年5月4日閲覧。
- ^ a b c 山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、220-221頁
- ^ a b ひと目でわかる野鳥 (2010)、92頁
- ^ “日本のレッドデータ検索システム(ムナグロ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2012年7月15日閲覧。
- ^ “レッドデータブック・東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)2010年版” (PDF). 東京都. pp. 48 (2011年). 2012年7月15日閲覧。
- ^ “レッドデータブック・ムナグロ”. 京都府 (2002年). 2012年7月15日閲覧。
- ^ “大阪府レッドデータブック・ムナグロ”. 大阪府 (2000年). 2012年7月15日閲覧。
- ^ “千葉県レッドデータブック−動物編(2011年改訂版)” (PDF). 千葉県. pp. 117 (2011年). 2012年7月15日閲覧。
- ^ “鳥類 神奈川県レッドリスト”. 神奈川県 (2006年). 2012年7月15日閲覧。