アドレス | 内容 | サイズ (バイト) | ||
---|---|---|---|---|
Hex | Dec | |||
0000 | 0 | ブートストラップローダ | 446 | |
01BE | 446 | 第1パーティション | パーティションテーブル (各16バイト) | 64 |
01CE | 462 | 第2パーティション | ||
01DE | 478 | 第3パーティション | ||
01EE | 494 | 第4パーティション | ||
01FE | 510 | 55h | ブートシグニチャ; 0xAA55((リトルエンディアン)) | 2 |
01FF | 511 | AAh | ||
MBRサイズ | 512 |
マスターブートレコード(Master Boot Record、略称MBR)とは、PC/AT互換機に於いて、単数または複数のパーティションに分けられたディスクのパーティション外に存在する先頭セクタでブートセクタの一種である。
PC/AT互換機では、BIOSがセクタ長が512バイトで先頭1セクタのみのロードしか保証しないため、サイズは512バイトである。0(先頭)~445(446バイト)にブートストラップローダ、440~444(4バイト)にDisk MBR signature、446~509(64バイト)にパーティションテーブル、510~511(2バイト)にブートシグニチャがある[1]。
ブートストラップローダ
ブートストラップローダ(マスターブートローダ、マスターブートコード、イニシャルプログラムローダ(IPL)領域は、IBM PCでは、
- 自身をメモリ上へコピーし起動したのち、ブート可能フラグが立っているパーティション(これを「アクティブなパーティション」と称する)を探し、
- そのパーティションブートセクタに含まれるブートストラップローダをロードし、それへ制御を渡す
という単純な起動プログラムが入っており、IBMとマイクロソフト製のこのコードをどのOSもデファクトスタンダードとして利用していた。
しかし、この方式では、違うパーティションに切り替えて起動する際には、OSシャットダウンする前に、かならずそれぞれのOS内でユーティリティプログラムを実行してアクティブなパーティションを再設定しなければならず、不便であった。このため、起動時にメニュー方式で選択できる各種のプログラムがよく使われるようになった。
ブートストラップローダの動作詳細
以下はブートシーケンスのうちブートストラップローダが担う部分である。
- パーティションテーブルを4つのテーブルエントリーの先頭から検査し、起動フラグが立っている基本領域(アクティブなパーティション)がないか探す。
- 起動フラグが立っている基本領域が見つかったらその領域の先頭位置をパーティションテーブルから取得する。
- BIOSにその位置を示してメモリにロードしてもらい、IPLに制御を渡す。
パーティションテーブル
パーティションに関する情報を記録している。4つのエントリがあり1つあたり16バイトである。各エントリにはそのパーティションの位置情報、種類、起動フラグが記録されている。
オフセット | 内容 | サイズ | ||
---|---|---|---|---|
Hex | Dec | |||
0x00 | 0 | ブートフラグ(0x80 = ブート可, 0x00 = ブート不可) | 1 | |
0x01 | 1 | パーティションの最初のセクタ。CHS 方式での値。 | ヘッド | 3 |
シリンダの上位2ビットとセクタ | ||||
シリンダの下位8ビット | ||||
0x04 | 4 | パーティションの種類(パーティション識別子)。 | 1 | |
0x05 | 5 | パーティションの最後のセクタ。CHS 方式での値。 | ヘッド | 3 |
シリンダの上位2ビットとセクタ | ||||
シリンダの下位8ビット | ||||
0x08 | 8 | パーティションの最初のセクタ。LBA 方式での値。 | 4 | |
0x0C | 12 | パーティションの全セクタ数 | 4 |
パーティション識別子
格納値(16進値) | ファイルシステム名 |
---|---|
0x00 | 空のパーティション |
0x01 / 0x11 | (FAT12)(後者は隠し、以下0x01 - 0x0Fに対する0x11 - 0x1Fは同様) |
0x04 / 0x14 | (FAT16)(32MB以下) |
0x05 / 0x15 | 拡張DOS領域 |
0x06 / 0x16 | FAT16(32MBより大きい) |
0x07 / 0x17 | HPFS / NTFS / exFAT |
0x0B / 0x1B | (FAT32) |
0x0C / 0x1C | FAT32(LBA対応) |
0x0E / 0x1E | FAT16(LBA対応) |
0x0F / 0x1F | 拡張DOS領域(LBA対応) |
0x13 | 超漢字のファイルシステム |
0x39 | Plan 9のファイルシステム |
0x71 | (EOTA)のSFSファイルシステム[2] |
0x81 | MINIXファイルシステム / ext1 |
0x82 | Linux スワップパーティション / Solaris 10以前のファイルシステム |
0x83 | ext2などのLinuxファイルシステム |
0x85 | Linux拡張領域 |
0xA0 | サスペンド領域 |
0xA5 | FreeBSD Unix File System(FFS/UFS1/UFS2) |
0xA6 | OpenBSD UFS |
0xA9 | NetBSD UFS |
0xBE | Solarisにおけるブート用パーティション(ミニルート) |
0xBF | Solarisのファイルシステム[3] |
0xC1 | DR-DOSのファイルシステム |
0xC4 | DR-DOSのファイルシステム |
0xC6 | DR-DOSのファイルシステム(32Mより大きい) |
0xEB | BeOSのファイルシステム |
0xEE | GPT |
0xEF | EFIシステムパーティション(FAT12/FAT16/FAT32) |
ブートシグニチャ
ここには0xAA55という値がマジックナンバーとして必ず入っている((リトルエンディアン)なのでアドレス順と格納される値に注意)。これはこのMBRが有効であるという署名で、これがない場合はこのMBRは無効として扱われる。
ブートレコードの復元
- Windows NT、Windows 2000、Windows XPの場合
- 回復コンソールでfixmbrと実行すれば良い。または、WindowsのCD-ROMで起動しRキーで修復すればよい。
- MS-DOS、Windows 95、Windows 98/98SE、Windows Meの場合
- FDから起動し、fdisk /mbr と実行すれば良い。