ホンシャクナゲ(本石楠花、学名:Rhododendron japonoheptamerum var. hondoense )はツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木。ツクシシャクナゲを分類上の基本種とする変種[4][5]。
特徴
樹高は1.5-7mになり、大きいものは幹が直径10-15cmになる。葉は互生し、革質で厚く、枝先に集まってつき、葉柄は長さ1-2.5cmになる。葉身は長さ8-18cm、幅1.5-5cmになり、長楕円形で、先はとがる。葉の表面は無毛で光沢があり、裏面には褐色の軟毛が薄く一面に生える[4]。基本種のツクシシャクナゲの葉の裏面は赤褐色のビロード状の毛が密に生える[5]。
花期は4-6月。枝先に短い総状花序をつけて、多数の花を横向きにつける。花柄は長さ2-3cmになり、褐色の毛が生える。花冠は紅紫色から淡紅紫色でまれに白色があり、径約5cmの漏斗形で7裂、まれに8裂する。雄蕊はふつう14本、まれに16本で、花糸の下部に短毛が密生する。花柱は無毛で、子房には短毛が密生する。果実は蒴果で長さ1-5cmの円柱形になり、褐色の毛が生える[4]。
分布と生育環境
日本固有種。本州の新潟県西部以西、四国の四国山地に分布し、深山の岩場や尾根筋に生育する[4]。
本種の群落地である、岐阜県大垣市の「一之瀬のホンシャクナゲ群落」と滋賀県蒲生郡日野町の「鎌掛谷ホンシャクナゲ群落」が国の天然記念物に指定されている[6][7]。
ギャラリー
下位分類
- シロバナホンシャクナゲ Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. hondoense (Nakai) Kitam. f. leucanthum (Nakai) T.Yamaz.[8]
脚注
参考文献
- 茂木透、高橋秀男他『樹に咲く花(合弁花・単子葉・裸子植物)山溪ハンディ図鑑5』、2001年、山と溪谷社
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 一之瀬のホンシャクナゲ群落 岐阜県
- 鎌掛谷ホンシャクナゲ群落 滋賀県