サラサドウダン(更紗灯台、更紗満天星、学名:Enkianthus campanulatus)はツツジ科ドウダンツツジ属の落葉低木。別名、フウリンツツジ。
名称
和名サラサドウダンは、花に紅色の筋が入り、更紗模様に似ていることから名付けられたものである[3]。別名でフウリンツツジとも呼ばれている[1][3]。
分布と生育環境
特徴
落葉広葉樹の低木で、樹高は2 - 5メートル (m) になる[3]。樹皮は灰褐色でなめらか[3]。若い枝は無毛。
葉は長さ3 - 10ミリメートル (mm) の葉柄をもって枝先に輪生状に集まって互生する[3]。葉身は倒卵形で、長さ3 - 6センチメートル (cm) [3]、幅1 - 2 cmになり、先端はやや尖るか鈍く、下部は葉柄に流れる。葉の表面には短い毛が散生し、裏面の側脈の基部には褐色の縮れた毛が密生する。葉縁には先端が長い毛状になる微小鋸歯がある[3]。秋には美しく紅葉する[3]。
花期は6 - 7月[3]。枝先に長さ2 - 3 cmの総状花序をつけ、10個ほどの花が1 - 2 cmの花柄の先端に垂れ下がってつく。萼は鐘形で4分の1ほどまで5裂する。花冠は長さ8 - 10 mmあり、鐘形で先端は浅く5裂する。花冠の色は、淡黄色で先端が淡紅色になり、紅色の縦条が入る[3]。雄蕊は10本ある。果実は蒴果で上向きにつく。
利用
変種、品種
- シロバナフウリンツツジ Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson f. albiflorus (Makino) Makino
- キバナフウリンツツジ E. c. (Miq.) G.Nicholson f. lutescens F.Yokouchi
- ミヤマドウダン E. c. (Miq.) G.Nicholson var. kikuchi-masaoi (Mochizuki) Sugim.
- ベニサラサドウダン E. c. (Miq.) G.Nicholson var. palibinii (Craib) Bean - 花冠は長さ5-6mmで深紅色。本州の東北地方、関東地方、中部地方の高地にまれに生育する。
- ツクシドウダン E. c. (Miq.) G.Nicholson var. longilobus (Nakai) Makino - ベニサラサドウダンに似るが、花冠は3分の1ほど裂ける。九州中北部の山地に生育する。
近縁種
カイナンサラサドウダン E. sikokianus (Palib.) Ohwi は、サラサドウダンの変種 (E. campanulatus (Miq.) G.Nicholson var. sikokianus Palib.) とされることもあるが、独立種と見なすことが多い。花の形や色はよく似ているが、花柄がずっと短いこと、花冠がより深く裂けること、それに花序の軸がずっと長く伸びることで区別される。本州では愛知県、三重県、和歌山県、それに四国の太平洋側に産する。
市町村の花
- 市の花
- 町の花
- 村の花
ギャラリー
サラサドウダン
ベニサラサドウダン
脚注
注釈
出典
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年8月21日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Tritomodon campanulatus (Miq.) F.Maek. ex Okuyama”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年8月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 89.
- ^ “床柱とは”. コトバンク. VOYAGE MARKETING. 2021年8月21日閲覧。