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フィゾスチグミン

フィゾスチグミン(: physostigmine)とは、可逆的アセチルコリンエステラーゼ阻害剤のひとつであり、副交感神経興奮作用を示すアルカロイドで、カーバメート類に属する。ナイジェリアカラバル一帯で種子の抽出液を神明裁判に用いてきたマメ科の(カラバルマメ)(Physostigma venenosum)から1864年にJ. JobstとO. Hesseにより発見・命名された。カラバルマメの現地名にちなみ、エゼリン(Eserine)とも呼ばれている。

フィゾスチグミン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
  • US: (C)
法的規制
投与方法 静脈注、筋注、点眼
薬物動態データ
生物学的利用能明確でない、おそらく5%未満
半減期30 - 90 分
排泄腎臓
識別
CAS番号
57-47-6 
ATCコード S01EB05 (WHO) V03AB19 (WHO)
PubChem CID: 5983
DrugBank DB00981 
ChemSpider 5763 
UNII 9U1VM840SP 
KEGG D00196  
ChEBI CHEBI:27953 
ChEMBL CHEMBL94 
化学的データ
化学式C15H21N3O2
分子量275.346 g/mol
(テンプレートを表示)

1935年アメリカの(パーシー・ラヴォン・ジュリアン)(Percy Lavon Julian)とJosef Piklにより初めて化学合成された。

フィゾスチグミンはアセチルコリンの代謝に干渉することにより、間接的にニコチン受容体ムスカリン受容体を刺激する。二級アミンと三級アミンを有し、脂質バリアを通過できる。体内ではエステラーゼによって加水分解され失活する。

現在では、類縁体のネオスチグミンリバスチグミンが医薬品として用いられている。また、この成分を参考にして、多種類の農薬((カーバメート系殺虫剤))が開発された。

アガサ・クリスティカーテンにフィゾスチグミンを用いた殺人が行われる。

関連項目

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