ファンシー (洋菓子)

ファンシーとは、かつて愛知県一宮市の洋菓子店ボンボヌールが製造・販売していた洋菓子（ケーキ）。製造に関わった職人によってアレンジされて主に愛知県内で広く販売されており、同じ形状の洋菓子が「パリジャン」「ピレーネ」等の複数の呼び名で販売されている^[1][2]。

ファンシー
ボンとらやの「ピレーネ」
別名	パリジャン、ピレーネ など
種類	洋菓子
発祥地	日本
地域	愛知県
考案者	松田孝 （ボンボヌール・元・工場長）
誕生時期	1970年頃
主な材料	卵、砂糖、小麦粉、クリーム
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特徴

 

ボンとらやの「ピレーネ」の内部

薄く四角く焼いたスポンジに、クリームを包み込んだ洋菓子^[1][3]。元祖であるパリジャン^[4]によると単純なだけに奥深いお菓子であり、オリジナルの製造工程には門外不出の「秘密の工程」があるとされている^[3]。

歴史と名称

オリジナルの「ファンシー」

「ファンシー」の原型は一宮市の洋菓子店ボンボヌールの工場長であった松田孝によって考案された^[1][3]。以降ボンボヌールが自社製品として製造・販売していたが^[2]、経営悪化により2005年（平成17年）3月に小売業から撤退・解散すると洋菓子製造は株式会社ドゥーコムが譲り受け^[5]、洋菓子ブランド「ボンボヌール」の商品として引き続き販売された^[6]。2011年（平成23年）9月26日、ドゥーコムは資金繰り逼迫により破産^[5]したためオリジナルの「ファンシー」は消滅した^[2]。

「パリジャン」からの派生

「ファンシー」を考案した松田孝は、1975年（昭和50年）に蟹江町で洋菓子店パリジャンを開店、「ファンシー」と同じ形状の商品「パリジャン」を販売していた^[1][3]。ボンボヌール時代の仲間・パリジャンで修行した弟子が出店・独立する際にも製法が引き継がれ^[2]、各店でアレンジを加えながら愛知県内の10店舗以上に広まった^[1]。看板商品として販売店名を冠した商品も多く^[1][2]、主要なものは以下のとおり。

• パリジャン（蟹江町、パリジャン）
• ピレーネ（豊橋市、ボンとらや）
• チロリヤン（大府市、洋菓子チロリヤン）
• ポワロン（春日井市、洋菓子ポワロン）
• ステラ（名古屋市、ステラプリンス）
• マロン（名古屋市、純喫茶ボンボン）

その後の「ファンシー」の広がり

パリジャンから派生した店舗で修行した弟子らによってさらに製法は引き継がれ、同じ形状の商品は岐阜県や三重県など愛知県外にも広がっている^[3]。ただしパリジャンによると、これら類似商品の中にはボンボヌールやパリジャンとは全く関わりのない店舗で販売されている例もあり、形状がシンプルなため真似しやすいのではないかとしている^[3]。

似た形状の商品は、2016年（平成28年）ごろにモンテールが「ふわふわファンシー」の名称で^[7][8]、山崎製パンが「ふわふわケーキ」の名称で商品を製造・販売していた

脚注

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1. ^ ^{a b c d e f} “愛知ではメジャーなこの洋菓子…でも人によって呼び方がバラバラだった! 謎の先にいた職人”. ニュースOne（2019年2月28日放送）. 東海テレビ. 2010年1月20日閲覧。
2. ^ ^{a b c d e} “「ファンシー」は愛知県のご当地スイーツ!?名前は色々、でも形は同じケーキの謎”. IDENTITY名古屋. IDENTITY (2019年2月13日). 2010年1月20日閲覧。
3. ^ ^{a b c d e f} “パリジャン 商品紹介”. パリジャン. 2010年1月20日閲覧。
4. ^ “パリジャンについて パリジャンQ&A”. パリジャン. 2010年1月20日閲覧。
5. ^ ^{a b} “愛知の洋菓子製造「ドゥーコム」が破産開始決定受け倒産”. 不景気.com (2011年9月27日). 2010年1月20日閲覧。
6. ^ “（株）ドゥーコム／破産開始決定”. JC-NET (2011年9月27日). 2010年1月20日閲覧。
7. ^ “11月新商品のお知らせ”. モンテール (2016年11月1日). 2010年1月20日閲覧。
8. ^ “マロンづくし！秋スイーツで一足先に秋の味覚を”. ウォーカープラス. 株式会社KADOKAWA (2016年8月21日). 2010年1月20日閲覧。