ビヨウヤナギ(未央柳、美容柳。学名:Hypericum monogynum)はオトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉低木。ビョウヤナギとも通称するが、園芸的な呼び名であり植物名としては誤り。
特徴
中国原産[2]。約300年前に日本に渡来した。半落葉広葉樹の小低木で[2]、よく枝分かれして株立ち状になる[2]。古くから庭木や公園樹としてよく植えられ、花材としてもよく用いられる[2]。葉は十字対生する。葉身は披針状楕円形で薄い[2]。冬場の間も落葉せずに残っており、新葉が出ると同時に古い葉が落ちる[2]。
花期は6 - 7月頃で[2]、直径5センチメートル (cm) 程度の黄色の5枚の花弁のある花を枝先に咲かせる。花弁はくさび形で、特に長い雄蕊が多数つき、よく目立つのが特徴的である[2]。雄蕊の基部は5つの束になっている。果実は円錐形で、先端に萼片を残す[2]。
名称
枝先がやや垂れ下がり葉がヤナギに似ているので、ビヨウヤナギと呼ばれるが、ヤナギの仲間ではない。
中国では金糸桃と呼ばれている。ビヨウヤナギに未央柳を当てるのは日本の通称名。由来は、白居易の「長恨歌」に
太液の芙蓉未央の柳此に対ひて如何にしてか涙垂れざらむ
と、玄宗皇帝が楊貴妃と過ごした地を訪れて、太液の池の蓮花を楊貴妃の顔に、未央宮殿の柳を楊貴妃の眉に喩えて 未央柳の情景を詠んだ一節があり、美しい花と柳に似た葉を持つ木を、この故事になぞらえて未央柳と呼ぶようになったといわれている。
また「美容柳」などを当てることもあるが、語源は不明、単に未央を美容と置き換えたものであろう[独自研究?]。