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ALL.Net

ALL.Net(オールネット)は、セガ(2015年4月から2020年3月まではセガ・インタラクティブ)が提供するネットワークサービスである。アーケードゲームインターネットでつなぐことにより、通信対戦や、全国ランキング、プレイデータの保存を可能にする。NTT-MEが構築した[1]。セガが展開しているアーケードゲーム用ICカード「Aime」と、バンダイナムコアミューズメントが展開しているアーケードゲーム用ICカード「バンダイナムコパスポート(旧バナパスポート)」についても本項で記載する。

概要

ALL.Netは、「Amusement Linkage Live Network」の略であり、セガグループの登録商標である[2]

ALL.Netの起源は『バーチャファイター4』と同時にリリースされた「(VF.NET)」まで遡る。そのため、セガのネットワーク対応機種第2弾となる『セガ4人打ち麻雀MJ ネットワーク対戦Ver.』リリース時には、VF.Netに接続する旨、取扱説明書にも記載されていた。なお、VF.NET自体はALL.Netの一つとしてサービスが続いていたが、2016年2月29日を以ってサービスが終了した[3]

最初期はまだ光回線が整備されておらず、ISDNを通じてネットワークが構築されており、その後光回線を通じ大容量の通信がやり取りできるようになった。その恩恵を受ける形で、多くのカードを駆使してゲームを進めていく『三国志大戦』などのオンラインでのリアルタイム対戦を実現出来るようになった。ISDNを通じたサービス提供は2015年6月30日を以って終了し、同年7月1日以降は光回線のみとなるサービスとなった[4]。ISDNでは三国志大戦などの大容量通信が必要とされるゲームなどの接続は出来なかった。MJシリーズのみなど低容量の通信の場合はISDNでも問題なく接続できた[5]

一部地域で通信品質の悪化が見られたことから、セガと関係各社が調査を行った結果、インターネット通信量増加に伴い、回線事業者とALL.Netとのサービス仕様がマッチングしないことが判明。これを受けて、セガは、ALL.Net回線をIPv4 PPPoEからIPv6 IPoE (+ IPv4 over IPv6)へ変更する予定[6]

ALL.Netは、当初はセガとバンダイナムコアミューズメント(2018年3月まではバンダイナムコエンターテインメント[7])のゲームのみ導入されていた。2015年6月からは、カプコンの一部アーケードゲーム、および韓国のゲームメーカーであるアンダミロ社の『Pump It Up 2015 Prime Japanese Edition』にも導入されるようになった。

以前は日本国内のみのサービスだったが、2008年に香港で実証実験を行い、2010年から2015年まで『三国志大戦』(初代)が香港・シンガポール・台湾・中国・韓国とのネットワーク対戦が可能となっていた。2016年現在、複数のゲームタイトルで、香港・シンガポール・台湾・中国・韓国・タイ・マレーシア・インドネシアと接続されている。ランキング等の配信は全ての国で、ネットワーク対戦は一部の国で行われている。

コナミアミューズメントと共同で行うマルチ電子マネーサービスの回線は、コナミのe-AMUSEMENT共々、ALL.Netを使用する[8][9][2]

なお、サミーが始めた「AW-NET」はALL.Netとは最後まで別物である。サミーがゲーム事業をセガに移管した後も別々に運営され、セガにてサービス終了となっている。

サービス内容

ALL.Netが提供しているサービスは、ゲームの筐体がネットワークに接続されていればいい物やカードを使用する物など、必要な条件がいくつかに分かれている。

後述のICカードはどの技術を使用しているのかは明らかにしていないが、筐体側は電子マネー対応の携帯電話(以下、おサイフケータイ)にも対応していることから、少なくともソニーが開発した「FeliCa」には対応していることになる。このため、Suica楽天Edyを搭載したICカードでは反応しないことが『e-AMUSEMENT PASS』との大きな違いである。2018年10月25日に、『Aime』『バンダイナムコパスポート』『e-AMUSEMENT PASS』の仕様を統一した新カードが発売された(後述)。

ゲームそのものに対して提供される物

  • 各ゲームのオンラインアップデート
  • オンライン対戦型ゲームでのマッチング

上記のサービスはネットワークに接続された筐体に対して提供される物である。ゲームセンター運営者は、上記サービスの対価として、売り上げ1プレイ毎にシステム使用料を支払う契約となっている。また、設置台数に対する月額固定料金のタイトルもある。

オンラインアップデートは各タイトルとも7:00に行われる。タイトルの中には、アップデート終了までゲームプレイが出来ないタイトルもある[10]

従量料金タイトルでは、メンテナンスやサーバートラブルなどにより通信が遮断された場合は、その時間帯の料金が発生しない。2010年5月にはタイトル不具合が原因で、『セガネットワーク対戦麻雀MJ』シリーズ(2〜4)、『頭文字D ARCADE STAGE』シリーズ(4・5)、『三国志大戦』シリーズ(初代、『三国志大戦』〜『三国志大戦3 猛き鳳凰の天翔』)、『バーチャストライカー』(4・4 Ver.2006)で、通信が遮断されていた時間帯のシステム使用料を店舗側に過請求していたことが判明し、セガは過請求分を店舗側に返金した他、『頭文字D ARCADE STAGE 5』と同年6月稼働の『三国志大戦3 WAR BEGINS』では、システムの修正を行った[11][12]

ただし、この従量料金の制約から、不人気作や人気ピークを超えた衰退期に、プレイ料金値下げなどのてこ入れが難しく、稼働の落ちたタイトルが速やかに店舗から撤去されやすいという弊害がある。撤去する際は解約手数料が発生するが、ネットワークサービス終了が公式発表されたタイトルは、発表日以降解約手数料が発生しない。その一方で、新しいゲームへの入れ替えも促進しやすくなるなど、メーカーにとっては利点も大きい。

ネットワークサービスが終了しかつオフライン化されたタイトルは、サービス終了と同時に筐体とALL.Netルーターとの接続を切り、筐体の設定を変更しなければならない[13]。タイトルによっては、『シャイニング・フォース クロス』シリーズや『ぷよぷよ!!クエスト アーケード』のようにオンライン専用のタイトルがあり、これらのタイトルはネットワークサービスが終了後に筐体は撤去される。

オペレーター向けサポートは、セガやALL.Net対応の他社のゲームタイトル(バンダイナムコアミューズメントのタイトルを除く)のサポートはセガ・ロジスティクスサービスが、バンダイナムコアミューズメントのタイトルのサポートはバンダイナムコテクニカがそれぞれ担当している。セガは2016年11月に、1年以内にネットワークサービス終了したタイトルの修理サポートを終了することを発表している[14][15]

カードに対して提供される物

磁気カードもしくはICカードを使用してプレイすることで、以下の特典がプレイヤーに与えられる。タイトルによっては、カード作成がゲーム参加の必須条件となっていることもある。

  • プレイデータの保存
  • 各種ランキングへの参加

またメダルゲームでは「メダルバンク」との連携で、ICカードを設置店舗に登録することで、メダルをクレジットとして認識し、直接の出し入れを行わずにゲームがプレイできるといった要素を持った作品も登場している。データ保存の概念がなく、メダルバンクとの連携のみにICカードを使用するメダルゲームもある。

カードは当初は各ゲームごとに発売されており、後に1枚のカードで複数の対応作品を同時に保存できるようになった。作品ごとにカードを使用していたころはデータをカードに直接書き込んでいたため、タイトーNESYSやコナミアミューズメントのe-AMUSEMENT(磁気カード)とは異なり、ネットワーク対応のゲームがネットワークに接続されていない場合にもプレイデータの保存ができた。ただし、書き込みを行うため磁気カードでは50回程度、ICカードでは100回〜500回の使用制限回数が設定されている。大抵のゲームでは使用回数の切れたカードから新しいカードへのデータの引き継ぎに対応している。

2010年3月10日に稼働を開始した『セガネットワーク対戦麻雀MJ4Evolution』以降からは、カードスロットにカードを差し込むタイプではなく、タッチ式カードリーダーにカードをかざすタイプを採用したゲームも登場している。これらのゲームで使用する専用ICカードはデータ保存方法がカード書き込みからサーバー保存に変更されており、使用回数制限が撤廃され、かつ同様のシステムを採用した他のALL.Net対応ゲームとのカードの相互利用も可能になり、またカードの代わりにおサイフケータイでデータ保存することもできるようになった。但し電子マネー決済には非対応。これによりコナミのe-AMUSEMENT PASSと同様に1枚のカードもしくは1台の携帯電話で複数の対応ゲームのデータの一元管理が可能になっている。

2010年以降、セガとバンダイナムコアミューズメントではそれぞれ独立したゲームデータの一元管理システムを運用している。2011年11月1日より相互利用が開始された[16]。それぞれの一元管理システムについては次述。

一元管理システム

Aime

セガは、2010年11月より稼働を開始した『戦国大戦』より、ICカードやおサイフケータイでのゲームの一元管理システム『Aime』(アイミー)を本格的に開始した。対応ゲームは共通デザイン(黒地にピンク色の「e」の形をした人の横顔)の『Aimeカード』もしくはおサイフケータイでゲームデータを一括保存できるようになる他、専用サイトでデータの閲覧・管理・各種サービスの利用・データの移行手続きが簡単に行える。2011年11月1日より次述の『バナパスポートカード』との相互利用サービスを開始した。 通常Aime対応タッチ式カードリーダーには、フルカラーLEDが搭載されている。但しMJACの非ワイド筐体、MJACとしてシャイニング・フォースクロスからコンバージョンされた筐体、STAHORSE2の筐体からコンバージョンされたSTARBORTは、それぞれカードリーダーをスロット式からタッチ式へ換装した為にLEDが搭載されていない。またProject DIVA Arcade、maimai、THAT'S PARADiCE、ALL.net P-ras MULTI対応筐体のカードリーダーは、それぞれ稼働当初からLEDが搭載されていない。また、『ALLS』基板を採用しているタイトル[17]は、稼動当初から電子マネー(TFペイメントサービスのシンカクラウド)対応のメッセージ表示機能付きカードリーダーを搭載している[18]

『(MJ4 Evolution)』の『MJメンバーズカード』、『(初音ミク Project Diva Arcade)』のアクセスカード、ゴルフスイングチェックマシンである『REC CHECK GOLF3』のICカードである『REC会員カード』も『Aimeカード』と同じ機能を持ち、『MJ4 Evolution』、『初音ミク Project Diva Arcade』、『REC CHECK GOLF3』の他にも『Aime』・『バナパスポートカード』対応ゲームにも使用可能である[19]。『REC CHECK GOLF』オンラインサービスの新規登録は2015年3月31日を以って終了し、それに伴い『REC CHECK GOLF3』筐体自体も順次撤去される。『REC会員カード』自体は引き続き『Aime』・『バナパスポートカード』対応ゲームで使用可能である一方で、『REC CHECK GOLF Ver2.1』以前のバージョンは『REC会員カード』に未対応のため使用できない[20]

Aimeサービスサイトは、かつてはSEGA IDの他にもAimeユーザーIDでもログインできたが、2017年10月18日の11:00を以ってAimeユーザーIDの利用は終了し、以降はSEGA IDが登録されているカードのみサービスが受けられることになったと同時に、AimeユーザーIDしか登録していなかったカードやおサイフケータイの、Aimeサービスサイトの登録やロック機能は自動的に解除された[21]

バンダイナムコパスポート

上記セガの『Aime』に対して、バンダイナムコアミューズメントが運営するICカードやおサイフケータイでのゲームの一元管理システムが、『バンダイナムコパスポート』(Bandai Namco Passport、2022年4月1日に『バナパスポート』(BANA PASSPORT)から名称変更)である。基本的には『Aime』と同じく、共通デザイン(初代は白地に三本の曲線とバナパスポートのロゴ)の『バンダイナムコパスポートカード』もしくはおサイフケータイで対応ゲームのデータを一括保存し、専用サイトでデータの閲覧・管理・各種サービスの利用・データの移行手続きが行える。また前述の通り、2011年11月1日より『Aime』との相互利用サービスを開始している。対応ゲーム第1弾は2011年5月に稼働を開始した『ドラゴンボール ZENKAIバトルロイヤル』である。

バンダイナムコパスポートカードサイトに登録できるカードやおサイフケータイは最大で3つまでに制限されている他、ゲームによっては保存可能なデータにも制限がある[22]

対応タイトルはAime同様ビデオゲームやメダルゲームが中心だが、キッズライド機やプリントシール機といった、これまでICカードに対応することのなかったジャンルの製品にも対応タイトルを投入している。

2022年6月1日以降は、おサイフケータイ非対応となる[23]

Amusement IC

2018年2月9日に、セガ・インタラクティブ(当時)、バンダイナムコエンターテインメント(当時)、コナミアミューズメントの3社は、アーケードゲーム用ICカードの仕様を統一することで合意[24][25][26]

2018年10月25日から、3社の仕様を統一した「アミューズメントICカード」の発売が開始された[27][28]。アミューズメントICカードに対応するカードには、「Amusement IC」マークが入ると同時に、Aime並びにバナパスポートカードは「Amusement IC」対応の2代目となる。これにより、「Amusement IC」マークが入るAime(白地に青色の「e」の形をした人の横顔のデザイン)並びにバナパスポートカード(黄色地に「BANDAI NAMCO」の文字が入ったデザイン)は、コナミアミューズメントの一部アーケードゲームにも対応し、「Amusement IC」マークが入るe-AMUSEMENT PASSとの相互利用が可能となった。2019年3月には、タイトーの「(NESiCA)」もAmusement ICに対応する予定で[29][30]、これにより4社のアーケードゲーム用ICカードは統一されることになった。なお、初代のカードは、コナミアミューズメント並びにタイトーのタイトルでは使用できない他、2代目カードはセガとバンダイナムコアミューズメントの一部タイトルでは使用できない。

なお、2018年9月に「Amusement IC」マークが表示されている4代目e-AMUSEMENT PASSが先行発売されている。

バナパスポートは名称変更に伴い2022年4月中旬に3代目(赤地に白文字の「Bandai Namco Passport」が入ったデザイン)が発売された。

共通事項

セガのタイトルでのカード認証時の待機中は、カードを読取るかキャンセルの操作をするまで0.5秒間隔で白点滅、もしくは常時白点灯で待機する。カードを読取った後、認証中は一旦消灯し、認証に成功すれば2秒間青点灯。認証エラーが発生した時は、エラー画面が消えるまでかおよそ6回まで0.25秒間隔で赤点滅、認証に成功したが条件が整っていない場合は2秒間黄色点灯となる(黄色点灯の例として、『スターホース3』でパートナー厩舎の登録を行おうとしたときに、そのカードにスターホースのデータが登録されていなかった場合に発生する)。Amusement IC対応タイトルでは、Amusement IC対応カードを携帯電話と認識する場合があるが、この場合は問題なくプレイできる[31]

バンダイナムコアミューズメントのタイトルでのカード認証時の待機中は、カードを読取るかキャンセルの操作をするまで青フェード点滅で待機する。カードを読取った後、認証に成功すれば緑点灯。認証エラーが発生した時は赤点灯となる。ちなみに青点灯時はカードが認証されない。バンダイナムコアミューズメントの稼働中のタイトルの中には、Amusement IC対応と非対応が混在しているシリーズもある。

Amusement IC非対応タイトル(後述)に関しては、2代目カードやe-amusement passは使用できず、初代カードを継続して使用する。他社のゲームやサービスを利用しない場合も同様である[31][32][33]

カード購入は、基本的に対応ゲーム設置店舗で購入できるが、『太鼓の達人』シリーズのみを設置している店舗では『バナパスポートカード』の取扱いがない店舗もある。カードが紛失したり破損した場合のデータ移行は、Aimeサービスサイト並びにバナパスポートカードサイトに登録する必要があり[19][22]、データ移行に関しては、セガやALL.Net対応の他社のゲームタイトル(バンダイナムコアミューズメントのタイトルを除く)はAimeサービスサイトで、バンダイナムコアミューズメントのタイトルはバナパスポートカードサイトでそれぞれ行う必要がある。カード自体の譲渡も禁止されている。セガは、ネットオークションで出品されているカードが、出品者自身がカードを所持していないにもかかわらず出品する詐欺出品や、カードが窃盗等の不法手段で入手したものであることを確認しており、他人から譲渡を受けたり、ネットオークションで落札したカードに関するトラブルはセガは一切責任を負わないとして、ユーザー自身が購入したカードを使用することを呼び掛けている[34]

2010年3月に発行された『ミクの日感謝祭39's GivingDay特製ICカード』について、セガ(当時)は2012年5月に、『バナパスポートカード』との相互利用には完全に対応していないことを発表。バンダイナムコエンターテインメントも2013年3月に、自社タイトルでカードが認識されなかったり「このカードは使用出来ません」と表示されたりするなどのエラーが発生していたことを発表した[35]

対応ゲームで使用可能な携帯電話でも、『Aime』『バナパスポートカード』として使用できない機種がある[36]。また、一部のスマートフォンで認証できなかったり、アクセスコードが通知されなかったりする問題が発生していたことから、バンダイナムコアミューズメントはiPhone用おサイフケータイジャケット、wena wrist、NuAns NEO [Reloaded]、iPhone 7、Apple Watch(Series 2、Series 3)、iPhone 8、iPhone Xをそれぞれバナパスポートカードとして使用不可とすることを発表した他[37][38][39][40]、『ドラゴンボール ゼンカイバトル』で一部の携帯電話で認識できない問題が発生したことから、2016年1月30日に『ドラゴンボール ゼンカイバトル』のアップデートを行った[10]。セガもXperia Z3Xperia Z4Xperia Z5の3機種では、ほとんどのタイトルでは対応済みとなっているが、2017年7月現在では『三国志大戦』(2代目)、『LADY LUCK』、『THAT'S PARADiCE』の3タイトルは非対応となっている他、Galaxy S5 ACTIVEAQUOS ZETA SH-01Gの2機種を『Aime』として使用不可にする事を発表した。両社はこれらの機種以外にも、2014年秋以降に発売された他のスマートフォンやスマートウオッチでも同様の問題が発生する可能性があるとしている他、2017年冬以降に発売されたおサイフケータイ対応端末の一部にURL転送非対応の機種があることから[41]、該当する機種を所有しているユーザーに対し、カードへの切り替えを呼び掛けている[42][43]

Aimeサービスサイトに関しては2015年11月10日に、バナパスポートカードサイトは2016年1月6日にSSL証明書の更新をそれぞれ実施したため、一部のブラウザや携帯電話では同日以降、Aimeサービスサイトやバナパスポートカードサイトが表示出来なくなった。

ALL.Net P-ras

ALL.Net P-ras」(オールネット プラス)は、レベニューシェアを採用したゲームの供給形態である。ALL.Net P-rasに対応したゲームは販売は行われず、全てレンタルとなる。このシステムに対応したゲームを導入する際は、筐体・通信用ルーターなどのハード購入代金は必要であるが、ソフト部分はセガからの貸与となり料金はかからない。

このシステムでは、ALL.Netを通じてプレイ回数がカウントされ、プレイ回数に応じて使用料金がかかる。このプレイ回数にはフリープレイなども含まれる。通常のネットワーク使用料は1プレイにつき3円〜6円程度だが、ALL.Net P-rasのゲームでは1クレジットにつき30円が徴収される[44]

店舗側は安価に新機種を導入でき、セガ側は販売時の売り切りではなく継続的に収入を得られるということで、両者にメリットがあるシステムということだった。しかしプレイごとのセガ・インタラクティブの徴収料金は一定であり、プレイ料金の値下げを行うと店舗の取り分が少なくなってしまうことになる。例えば、100円1プレイだと店舗側の1プレイあたりの収入は70円だが、50円1プレイにすると、店舗の収入はわずか20円になる。そのため通常のアーケードゲームでは一般的である「プレイ料金を下げてプレイ回数を増やさせる」施策を行いづらく、ALL.Net P-ras第一作目の『バーチャファイター5』では売り上げが伸び悩む店舗も見られた。

ALL.Net P-ras第二作目の『Answer×Answer』では、セガ側がALL.Net P-rasではない『MJ4』へのコンバージョンキットを販売するなど、足並みが揃っていない部分も見受けられる。また、『Answer×Answer』まではシステム基板もレンタルだったが、「RING」シリーズ基板使用第1作目となる『ボーダーブレイク』以降はシステム基板が買い取りになったために基板の修理が有料になった[45]。ネットワークサービスが終了したタイトルのシステム基板は、レンタルの場合はセガへ返却する[46]が、オフライン稼働用のCVTキットを販売するタイトルもある[47]

ALL.Net P-ras MULTI

2012年9月20日より、上記レベニューシェアモデルをセガ以外のソフトメーカー製タイトルにも拡大した「ALL.Net P-ras MULTI」(オールネット プラス マルチ)のサービスが開始され、同日より『(GUILTY GEAR XX Λ CORE PLUS R)』、『UNDER NIGHT IN-BIRTH』、『(ゲーセンラブ。 〜プラス ペンゴ!〜)』の3タイトルが同時に稼働開始された。使用されるアーケードゲーム基板はRINGEDGE 2で、店舗は対応ハードのみを購入し、ソフトは無償提供のDVD-ROMを店舗側が手動でインストールすることとなる[48]

ALL.Net P-ras MULTI Ver.2

2013年3月14日バージョンアップ。 これまでDVD-ROMにより提供されていたゲームソフトが全てダウンロード配信となり、対応ハード1台につき最大10本までのタイトルセレクト機能に対応。また、一部タイトルはAimeカードに対応し、プレイ状況の記録やランキングの閲覧などが可能となる。

2013年度には『ファントムブレイカー アナザーコード』(4月4日)、『アンダーディフィートHD+』(4月25日)、『UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late』(UNDER NIGHT IN-BIRTHよりバージョンアップ。9月5日)、『CaladriusAC』(9月30日)、『DEAD OR ALIVE 5 Ultimate: Arcade』(12月24日)の5本がそれぞれ配信開始。 2014年度には『ブレードアークス from シャイニング』(11月5日)、『MELTY BLOOD Actress Again Current Code Ver.1.07』(RINGWIDE対応タイトルがAPMに採用された例。12月25日)が、2015年7月24日には『UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[st]』(UNDER NIGHT IN-BIRTHシリーズの一つで、Exe:Lateとは別のゲームという扱いになっている)がそれぞれ配信開始。2016年12月現在までのタイトル数は15本となっている。

ALL.Net P-ras MULTI Ver.3

2019年4月18日に稼働開始された、6年ぶりに登場した第三弾。

同年2月21日に稼働終了した『(SOUL REVERSE)』をベースとした新筐体を採用し、イヤホンジャックやスマートフォン充電・ゲームパッド接続用の2種類のUSB端子、そしてタッチパネルが新たに備わる。システム基板は従来のRINGEDGE2からALLS UXへ変更。ICカードリーダーでは、ゲーム用ICカードのほか電子マネーにも対応[49]。筐体は9月15日・16日に行われた『GUILTY GEAR Xrd REV2』のオンライン対戦対応版ロケテストで初披露され、同年9月26日に東京・大崎ガーデンタワーにあるセガサミーグループの新本社にて開催された『SEGA PRIVATE SHOW 2018 Autumn』で展示された。

稼働開始時は『GUILTY GEAR Xrd REV2 APM3Edition』、『ぷよぷよeスポーツ アーケード』の2作品が配信され、4月25日には『BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE』が配信された。今後はコントローラーだけではなく、タッチパネルの機能を生かしたタイトルも配信予定となっている。

他社の類似システム

対応ゲーム

●はメダルゲーム。後ろに△がある場合はメダルの預払機能のみ対応。
特記がないものはセガ・インタラクティブまたはバンダイナムコアミューズメント開発のタイトル。

ALL.Net P-ras MULTI対応

括弧内は開発メーカー・発売メーカー。☆はAime / バナパスポート対応タイトル(2019年4月18日より「Amusement IC」対応)。

Ver.1&Ver.2配信タイトル

▽はVer.1より稼働されていたタイトル

Ver.3 配信タイトル

◇は電子マネー決済が可能なタイトル。[51]

Aime及びバナパスポートに対応するタイトル一覧

Amusement IC対応タイトル

2018年10月25日から、「Amusement IC」マーク入りのe-AMUSEMENT PASSとの相互利用サービスが開始された。2019年3月には「Amusement IC」マーク入りのNESiCAとの相互利用サービスが開始される予定。Amusement IC対応タイトルは、初代及び2代目のAime・バナパスポート、4代目e-amusement pass、2代目がNESiCAが使用可能。

Amusement IC非対応タイトル

前述の通り2011年11月1日(ドラゴンボール ZENKAIバトルロイヤルのみ11月2日)よりゲームカード相互利用サービスが開始され、Aime・バナパスポートどちらのカードでも利用可能になった。また引き続きおサイフケータイにも対応している(一部ゲームを除く)。但し、前述の通りAmusement IC対応カードは使用できない。
★はAmusement IC対応の次作に移行したタイトル

  • 機動戦士ガンダム エクストリームバーサスシリーズ★(フルブーストからマキシブースト ONまで)
  • 機動戦士ガンダム 戦場の絆★(Rev.3のみ)
  • CODE OF JOKERシリーズ★(ECHOESまで)
  • 三国志大戦★(2代目、天槍の共鳴まで)
  • STARHORSE3シリーズ ★●(Season VI FULL THROTTLEまで)
  • セガネットワーク対戦麻雀MJシリーズ★(MJ5からMJ5 R EVOLUTIONまで)
  • 太鼓の達人★(新筐体版。イエローVer.まで)
  • タイムクライシス5
  • チュウニズムシリーズ★(スター プラスまで)
  • 鉄拳シリーズ★(鉄拳タッグトーナメント2から鉄拳7 FATED RETRIBUTIONまで)
  • ドラゴンボール ZENKAIバトルロイヤルシリーズ
  • 初音ミク Project DIVA Arcadeシリーズ★(Version AからFuture Tone Version Aまで)
  • (ピコピコアンパンマンごう)(キッズライド機)
  • maimaiシリーズ★(MiLKまで)
  • (ロストランドアドベンチャー)
  • WORLD CLUB Champion Footballシリーズ★(2011-2012から2016-2017まで)
  • 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNEシリーズ★(4から5DX PLUSまで)
  • Wonderland Warsシリーズ★(醒し創聖の闘歌劇まで)

ネットワークサービスが終了したタイトル

★はAmusement ICに対応したタイトル。

かつて専用カード対応で稼働していたタイトル一覧

2019年9月9日のボーダーブレイクのサービス終了で、専用カード対応タイトルは全て稼働終了した。

専用ICカードに対応したタイトル

☆はAime及びバナパスポートのみ対応の次作に移行したタイトル
★はAime及びバナパスポートに加え後にAmusement IC対応の次作に移行したタイトル
※はAime / バナパスポート対応ではないが、共用ICカード及びおサイフケータイに対応していたタイトル
◇はAime及びバナパスポートのみ対応の次作移行前にサービス休止期間があったタイトル
◆はAime及びバナパスポートに加え後にAmusement IC対応の次作移行前にサービス休止期間があったタイトル

専用磁気カードに対応していたタイトル

ネットワークのみ対応するタイトル一覧

ALL.Netモバイルに対応するタイトル

  • (占いコレクション トロッテ)

コンテンツ配信を行っているタイトル

  • ディズニー マジックキャッスル まほうのHAPPYミラー

コンテンツ配信を行っていないタイトル

以下のタイトル(バンダイナムコゲームス製)については、購入時オプションとしてレベニューシェアによる稼働が選択できる[52]。この場合、購入価格が減額される代わりにプレイ毎に課金が発生するため、機器の認証及びプレイデータの送信のためにネットワーク接続が必須となっており、一定時間接続が断たれるとゲームがプレイできなくなる。(課金オプションを選択していなくても停止する)

ネットワークサービスの終了したもの

☆はALL.Netモバイルに対応していたタイトル。

脚注

  1. ^ “”. 2008年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年3月2日閲覧。
  2. ^ a b アミューズメント向けマルチ電子マネー決済システム 『シンカターミナル』のサービスを順次開始コナミアミューズメント 2017年4月17日
  3. ^ 【重要なお知らせ】VF.NETサービス終了についてバーチャファイター5公式サイト 2015年12月21日
  4. ^ ALL.Net 対応インターネット回線対応終了のお知らせ []セガ・ロジスティクスサービス 2015年4月
  5. ^ 機種別通信量目安 2014年3月20日 - ウェイバックマシン 2006年の段階での各ゲームが必要とする通信量の一覧
  6. ^ ALL.Net対応タイトルの通信品質改善に向けての対応についてセガ・インタラクティブ 2019年12月3日
  7. ^ 子会社の組織再編についてバンダイナムコホールディングス 2018年2月9日
  8. ^ セガ・インタラクティブとコナミデジタルエンタテインメント共同展開するアミューズメント向けマルチ電子マネーサービスを発表〜各種電子マネーと『PASELI』がひとつのシステム・機器で運用可能に〜セガ・インタラクティブ 2016年10月6日
  9. ^ コナミデジタルエンタテインメント と セガ・インタラクティブ共同展開するアミューズメント向けマルチ電子マネーサービスを発表― 各種電子マネーと『PASELI(パセリ)』が一つのシステム・機器で運用可能に ―コナミデジタルエンタテインメント 2016年10月6日
  10. ^ a b ドラゴンボール ゼンカイバトル Ver.3.09アップデートのご案内バンダイナムコエンターテインメント 2016年1月30日
  11. ^ ALL.Net料金の過請求につきましてセガ 2010年5月
  12. ^ ALL.Net料金の過請求の原因とその原因につきましてセガ 2010年6月
  13. ^ アイドルマスター オフラインモードへの切り替え方法についてバンダイナムコゲームス 2010年8月(2016年5月31日閲覧)
  14. ^ 弊社製品保守対応の終了についてセガ・インタラクティブ、セガ・ロジスティクスサービス 2016年11月
  15. ^ 弊社製品保守対応の終了についてセガ・インタラクティブ、セガ・ロジスティクスサービス 2017年4月
  16. ^ 2011年11月、ゲームカード相互利用サービス開始![]
  17. ^ 『頭文字D THE ARCADE』『CHUNITHM NEW(シルバーモデル)』は非対応(2021年12月現在)
  18. ^ KONAMIのゲーム機以外の機器でPASELIを使う KONAMIのゲーム機以外の機器でPASELIをご利用いただくための方法 - PASELIサイト
  19. ^ a b AimeサービスガイドAimeサービスサイト
  20. ^ 「REC CHECK GOLF」オンラインサービス終了のお知らせSEGA GOLF ONLINE 2015年3月27日
  21. ^ 【10/18 11:00更新】【重要】AimeユーザーIDの利用終了のお知らせAimeサービスサイト 2017年10月11日
  22. ^ a b FAQ バナパスポートカードサイトバンダイナムコエンターテインメント
  23. ^ “バンダイナムコ製品にて、おサイフケータイをご利用のお客様へのお知らせ”. バンダイナムコパスポート. バンダイナムコエンターテインメント. 2022年4月9日閲覧。
  24. ^ セガ・インタラクティブ,コナミアミューズメント,バンダイナムコエンターテインメントの3社 アーケードゲーム用ICカードの仕様統一に向けて合意― 2018年夏の提供を予定 ―セガ製品情報サイト 2018年2月9日
  25. ^ コナミアミューズメント、セガ・インタラクティブ、バンダイナムコエンターテインメントの3社 アーケードゲーム用ICカードの仕様統一に向けて合意― 2018年夏の提供を予定 ―コナミアミューズメント 2018年2月9日
  26. ^ バンダイナムコエンターテインメント、コナミアミューズメント、セガ・インタラクティブの3社 アーケードゲーム用ICカードの仕様統一に向けて合意― 2018年夏の提供を予定 ―バンダイナムコエンターテインメント 2018年2月9日
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  28. ^ カード1枚でバンダイナムコ、コナミ、セガのアーケードゲーム対応サービスが相互利用可能に! 3社共通「アミューズメントICカード」の対応をスタートします 10月25日より「アミューズメントICカード対応バナパスポートカード」を発売バンダイナムコアミューズメント 2018年10月25日
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  38. ^ ソニー株式会社「wena wrist」(スマートウォッチ)のご利用についてバナパスポートカードサイト 2016年6月17日
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  52. ^ ゲームマシン 2009年11月1日号 ニュースダイジェスト4
  53. ^ USBメモリによるデータ保存に対応。2015 Prime Japanese Editionは2017年5月31日、PRIME2は2019年3月28日にネットワーク接続サービスが終了した。現行作『XX』ではALL.Netの代わりにアンダミロ独自のネットワークに接続する。

外部リンク

  • ALL.Net情報ページ - セガ・ロジスティクスサービス
  • バンダイナムコテクニカサポート - バンダイナムコテクニカ
  • ALL.Net P-ras MULTI - セガ・インタラクティブ
  • ALL.Netサービス対応店舗検索 - セガ・インタラクティブ
  • 対応サービス - バンダイナムコアミューズメント
  • Aimeサービスサイト - セガ・インタラクティブ
  • バンダイナムコパスポート - バンダイナムコアミューズメント
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