『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』(英語表記:Negative Happy Chainsaw Edge)は、角川書店から発行されている滝本竜彦の小説、およびそれを原作としたラジオドラマ作品・漫画作品・映画作品。
概要
滝本のデビュー作。幸せとは、悪とは何なのかを学園テイストの世界観を交え、若者的な立場から考えている。
この作品の出版前、滝本が村上達朗(ボイルドエッグズの作家エージェント)に作品を送った際、村上に文章の大半を(作中の全3章ある内の第1章以外をほとんど)書き直すよう言われた(ビジネス未来人より)。文庫版では、西尾維新による解説を巻末に収録。
第5回角川学園小説大賞において、特別賞を受賞している。また、「このライトノベルがすごい!」の2005年度版において、発売から数年が過ぎた作品でありながら54位にランクインするなど、ユーザーからも高い評価を得ている。
あらすじ
平凡な高校生の山本陽介は、買い物の帰り道にチェーンソーを持った男と戦う女子高生の雪崎絵理と出会う。絵里は、チェーンソー男と遭遇した時から突如常人離れした身体能力が発現し、それ以来不死身のチェーンソー男と互角の死闘を繰り広げているという。いくら攻撃をしても全く倒せないチェーンソー男をめぐり、陽介の日常が大きく変わろうとしている……。
登場人物
- 山本 陽介(やまもと ようすけ)
- 本作の主人公。高校2年生。2年からの成績は悪く、寮生活を漠然と送っている。
- 雪崎 絵理(ゆきざき えり)
- 本作のヒロイン。陽介とは違う高校の1年生。ある日を境にチェーンソー男と戦う様になり、それを倒す事が本当の幸せだと思っている。チェーンソー男と遭遇した際、突如常人離れした身体能力が発現し、以来不死身のチェーンソー男と互角の死闘を繰り広げている。
- 渡辺(わたなべ)
- 陽介の友人。同じく不良で万引きを繰り返している。事あるごとに自分には才能があると自称するが、どれも成功をしたためしが無い。
- 能登 弘一(のと ひろかず)
- 陽介・渡辺の友人。バイク事故で死去した。不健康で貧弱な人間であるが独特の善悪感情を持っており、自己に忠実でなかったり、事なかれ主義の人間を見ると激怒し、手がつけられなくなる。
- チェーンソー男
- チェーンソーを持つ謎の男。毎日夜中に現れては絵理と奮闘している。不死身で顔は若者か老人か区別がつかないものの、絵理と同等かそれ以上の化け物じみた身体能力を有している。
- 加藤先生
- 下宿のお姉さん
書籍情報
ラジオドラマ
2002年、NHK青春アドベンチャーによりラジオドラマ化され、全10回で放送された。
声の出演
漫画
映画公開に先立って、『月刊少年エース』2007年12月号から作画・佐伯淳一で連載されていた。単行本は全2巻が刊行されている。
映画
ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ | |
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監督 | 北村拓司 |
脚本 | 小林弘利 |
原作 | 滝本竜彦「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」 (角川書店刊) |
製作 | 日活 デジタルフロンティア |
出演者 | 市原隼人 関めぐみ 浅利陽介 三浦春馬 |
音楽 | 高橋哲也 |
主題歌 | GReeeeN「BE FREE」 |
撮影 | 小林元 |
配給 | 日活 |
公開 | 2008年1月19日 |
上映時間 | 109分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
北村監督の長編第一作。監督曰く「(この作品は)娯楽映画だが、テーマは真逆のところに隠れている。そのテーマが何なのかを考えながら観ていただければ楽しめると思うし、その答えらしきものがわかればこのチェーンソー男が何だろうという答えにもつながっていくと思う」と述べている[1]。キャッチコピーは、「誰でも一度は死にたがる…なんとなく」。
なお、劇中挿入歌「根性なし」は、劇中で結成されるバンド”俺さまーズ”(市原隼人・三浦春馬・浅利陽介)で歌唱している。
キャスト
- 山本陽介:市原隼人
- 雪崎絵里:関めぐみ(少女時代:赤嶺星奈)
- 渡辺:浅利陽介
- 能登:三浦春馬
- 下宿のお姉さん・裕美:野波麻帆
- 加藤先生:板尾創路
- C組の港:堀井茶渡
- D組の鳥越:坂田直貴
- 市場の肉屋・店長:佐藤佐吉
- ファミレスのウェイトレス:木口亜矢
- チェーンソー男:新上博巳
スタッフ
- 監督:北村拓司
- 脚本:小林弘利
- 音楽:高橋哲也
- 撮影:小林元
- 美術:川村泰代
- 録音:横野一氏工
- アクション監督:小池達朗
- 主題歌:GReeeeN「BE FREE」
- プロデューサー:松村傑、廣瀬和宏、山本章
- 製作プロダクション:日活撮影所、デジタル・フロンティア
- 配給:日活
- 製作:「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」製作委員会(デジタル・フロンティア、日活、インデックス、ユニバーサルミュージック、ティー・ワイ・オー、モンスターフィルムス(現:モンスター☆ウルトラ))
評価
第4回日本映画エンジェル大賞佳作入賞。第20回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」上映作品。
脚注
- ^ “日活レポート”. 日活. 2021年3月21日閲覧。