トラース・キック(Thrust Kick)は、プロレス技の一種である。スーパーキック(Superkick)とも呼ばれる。
概要
相手に対して背後を向いた状態、もしくは横向きの状態から片足を後方に真っ直ぐ高く伸ばして相手の顎や頭部、ないし喉や胸元を、自らの踵や足裏で蹴り上げる、もしくは側方から蹴り払う打撃技。
フィニッシュ・ホールドや大技として使用されている他に序盤や中盤での繋ぎ技としても使用されている。
考案者はザ・グレート・カブキ。名称は、カブキがケリー・フォン・エリックに放ったカウンターの後ろ蹴りを見たマネージャーのゲーリー・ハートが "This is thrust kick!" と叫んだことが始まりだが、英語で「突き刺す」という意味の「Thrust(スラースト)」が、発音のしやすさから「トラース」と日本で転訛したものだという[1]。
海外ではスーパーキック(Superkick)という名称も用いられており、スーパーキックとしては、クリス・アダムスが第一人者とされる[2]。カブキとアダムスは、1980年代中盤にテキサスのダラス地区(フリッツ・フォン・エリック主宰のWCCW)において頻繁に対戦していた[3]。
かつては、カブキの他でフィニッシュ・ホールドとして使用しているレスラーの代表格としてショーン・マイケルズがおり、スウィート・チン・ミュージック(Sweet Chin Music)の名称で使用していた(マイケルズの兄弟子であるジノ・ヘルナンデスは、上記のスーパーキックの使い手であるアダムスのタッグパートナーでもあった[4])。
応用技として助走して仕掛けるランニング式、走ってきた相手に仕掛けるカウンター式がある。
主な使用者
- ザ・グレート・カブキ
- ケンドー・ナガサキ
- 大仁田厚
- 外道
- 大森隆男
- TAKAみちのく - スーパーK-1の名称で使用。
- 坂田亘 - スーパーハッスルキックの名称で使用。
- 望月成晃
- CIMA
- SUGI
- 丸藤正道
- GENTARO - スウィート・チン・ミュージックの名称で使用。影響を受けたショーン・マイケルズにあやかり、この名称を用いている。
- ミラノコレクションA.T. - スーパーキックの名称で使用。
- 木高イサミ - 勇脚の名称で使用。膝をついた相手の顔面狙いのランニング式を勇脚・斬の名称で使用。
- タイチ - 両腕を横に広げる独特の構えから繰り出すトラース・キックを天翔十字鳳の名称で使用。
- 中嶋勝彦
- 潮崎豪
- B×Bハルク - ファースト・フラッシュの名称で使用。
- HAYATA
- YO-HEY
- 児玉裕輔
- Eita - Imperial Unoの名称で使用。
- SHO
- YOH
- 吉岡世起
- 織部克巳
- 石森太二
- 岩谷麻優
- クリス・アダムス - スーパーキックの名称で使用。
- ショーン・マイケルズ - スウィート・チン・ミュージックの名称で使用。ダウンした相手がふらふらと起き上がりかけている間に、自身の足でマットを何回も踏み鳴らしながらリズムを取り、やがて起き上がった相手が自分の方に顔を向けた際、相手の顎にトラース・キックを放つ。カウンター式などでも使用。
- カト・クン・リー
- キング・ハク
- サムラ・アノアイ
- パット・タナカ
- ダニー・クロファット
- サビオ・ベガ - ラ・ペインキラーの名称で使用。
- ヨコズナ
- リキシ
- ポール・ダイヤモンド
- スティーブ・ブラックマン
- ランス・ストーム
- スティービー・リチャーズ - スティービー・キックの名称で使用。
- ジャスティン・クレディブル - インクレディブル・キックの名称で使用。
- ウマガ
- チャック・パルンボ - ジャングル・キックの名称で使用。
- マット・ジャクソン
- ニック・ジャクソン
- セス・ロリンズ
- ジョニー・ガルガノ
- アダム・コール
- ケビン・オーウェンズ
- シェルトン・ベンジャミン
- ドルフ・ジグラー
- ルーク・ハーパー
- ルセフ
- ジミー・ウーソ
- ジェイ・ウーソ
- ルーク・ギャローズ
- タイラー・ブリーズ - スーパーモデル・キックの名称で使用。
- タイ・デリンジャー
- (ジェームズ・エルズワース) - ノー・チン・ミュージックの名称で使用。
- ビッグ・ショー
- 高橋ヒロム
- カズ・ハヤシ
- KAI
- Kagetora
- YOSHI-HASHI
- 神代龍也
- フランシスコ・アキラ
- エル・ファンタズモ-サドンデスの名称で使用。