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デンキウナギ

デンキウナギ(電気鰻、学名Electrophorus electricus英語名:Electric eel)は、デンキウナギ目ギュムノートゥス科デンキウナギ属に分類される硬骨魚類の一種。南アメリカアマゾン川オリノコ川両水系に分布する大型魚で、強力な電気を起こす電気魚である。多くの人間にとって、この電気は危険である。デンキウナギ属 は1属3種が分類されている。

デンキウナギ
デンキウナギ Electrophorus electricus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: デンキウナギ目 Gymnotiformes
亜目 : デンキウナギ亜目 Gymnotoidei
: (ギュムノートゥス科) Gymnotidae
もしくは* デンキウナギ科 Electrophoridae
: デンキウナギ属
Electrophorus Gill, 1864
: デンキウナギ E. electricus
学名
Electrophorus electricus
(Linnaeus1766)
英名
Electric eel

生物的特徴

成魚は全長2.5mに達し、デンキウナギ目の魚の中では最大種である[1]和名にも英名にも「ウナギ」が入っており、体形は細長い円筒形であるが、ウナギとは体の構造や生活史が異なり、全く別の仲間に分類される。

大型個体は丸太のような体形であるが、頭部は上下に、尾部は左右に平たい。全身はほぼ灰褐色で白っぽいまだら模様があり、尾に行くにしたがって斑点が小さくなる。から腹にかけては体色が淡く、橙色を帯びる。は小さく退化しているが[2]側線が発達しており、これで水流を感じ取って周囲の様子を探る。肛門鰓蓋(えらぶた)直下にあり、他の魚よりもかなり前方に偏る。鰭は胸鰭と尻鰭しかなく、長く発達した尻鰭を波打たせて泳ぐ。なお、デンキウナギ目の魚は前だけでなく後ろにも泳ぐことができる。

分類

分類上は1属1種で(ギュムノートゥス科)(英語版)に組み込まれているが[1]、他に独立した デンキウナギ科 ( Electrophoridae ) を設けてその下位に置く分類説もある。ウィキスピーシーズの情報[3]は前者説を、ITIS の情報[4]は後者説を支持している。

生態

南米北部のアマゾン川オリノコ川両水系に分布し[1]、この水域では頂点捕食者の一つとなっている。池や流れの緩いに生息する。夜行性で、昼間は物陰や泥底に潜む。夜になると動きだし、主に小魚や小型哺乳類を捕食する[5]

また空気呼吸をする魚でもあり、鰓があるにもかかわらずたまに水面に口を出して息継ぎをしないと死んでしまう。逆に言えば水の交換が起こらない池や淀みでも酸欠にならず、生きていくことができる。これは温度が上がるほど溶存酸素量が少なくなる熱帯の水域に適応した結果と言える。

発電の仕組みと効力

デンキウナギの発電器官は、筋肉細胞が「発電板」という細胞に変化したものである。数千個の発電板が並んだ発電器官は体長の5分の4ほどあり、頭部側に位置する肛門から後ろはほとんど発電器官と言ってよい[6]。この発電器官は頭側がプラス極、尾の方がマイナス極になっている(デンキナマズは逆)。発生する電圧は発電板1つにつき約0.15 V にすぎないが、数千個の発電板が一斉に発電することにより、最高電圧は600Vから800V・電流は1A にも達する強力な電気を発生させることができる。ただし、この高電圧は約1000分の1秒ほどしか持続しない。デンキウナギはもっと弱い電流の電場を作ることもでき、弱い電場を作ることにより、濁った水中で障害物や獲物を探知していると考えられている。 しかし、1分以上も電気を発生させ噛み付いてきたカイマンを感電死させたという報告もされている。[7]

「実際に感電するのは体に触れたときであり、デンキウナギがいる水槽にヒトがそっと手を入れるくらいであれば深刻な感電はしない」などといった俗説は事実ではなく、実際に水族館では水槽に電圧計を設置し観客に見せているところも多い。電圧計は900Vに達する場合もある[8]。 発電するには筋肉を動かすのと同じく神経からの指令を受け、ATP を消費する。そのため、疲れたり年老いたりしている個体ではうまく発電できない場合もある。またそれは、疲労した状態に追い込めば比較的安全に捕獲できるということでもあり、水面を棒などで叩いてデンキウナギを刺激して発電させ、疲れて発電できなくなったところを捕獲する漁法がある[9]

デンキウナギのほかにも多種多様の発電魚が知られているが、これらの発電の主目的はおもに身辺に電場を作って周囲の様子を探ることにある。ただし、デンキウナギは他の発電魚よりも強力な電気を起こせるため、捕食と自衛にも電気を用いることができる[2]。獲物の小魚を見つけると体当たりして感電させ、麻痺したところを捕食する。また、大きな動物が体に触れたときも発電して麻痺させ、その間に逃げる。渡河する人間ウマがうっかりデンキウナギを踏みつけて感電する事故が時折起こるが[10]、なかには心室細動を起こした例もあるという。ウマは感電死することがあるが人間が死亡するほどの強さではない[11]。水中で感電すれば溺死の原因となりえ、いずれにせよ危険ではある。

19世紀の博物学者アレクサンダー・フォン・フンボルトは1807年、南米旅行時に目撃した馬を用いた先住民のデンキウナギ漁について学術雑誌『ANNALEN DER PHYSIK』に報告を寄せている[12]。これによれば先住民は数頭の馬をデンキウナギの生息する沼に追い込み、放電して弱ったデンキウナギを捕獲するという手法であった[12]。しかしながら、こうしたデンキウナギの攻撃手法について科学的な裏付けがなされなかったこともあり、フンボルトの報告は長い間信じられていなかった[13]。ところが2016年に入り、アメリカ合衆国テネシー州バンダービルト大学の生物学者(ケネス・C・カターニア)により『Proceedings of the National Academy of Sciences』にひとつの論文と動画が発表され、水上から近づいてきた敵に対して飛び上がって放電を行うというデンキウナギの習性が学術的に初めて明らかにされた[14]

なお、発電時にはデンキウナギ自身もわずかながら感電している。しかし、体内に豊富に蓄えられた脂肪組織が絶縁体の役割を果たすため、自らが感電死することはない。

他の発電魚

本種以外で比較的よく知られている発電魚を挙げる[15]

  • ガンギエイ目(Batoidae)
    • (シビレエイ科)(Torpedinoids) - シビレエイはエイの一分類群。太平洋、大西洋、インド洋などに生息し、咽頭筋由来の発電器官を持ち、60ボルトの発電を行う[16]
    • (ガンギエイ科)(Rajoids) - (スケイト)、カスベなどで、尾部に0.25から1ボルト程度の発電器官を持つ[16]
  • ナマズ目(Siluriformes)
    • デンキナマズ科(Malapteruridae) - コンゴ川、ナイル川流域の淡水生ナマズ。350ボルト程度の発電器官を持つ[16]
  • (ジムノテイ目)(Gymnotiformes)
    • (ステルノピギド科)(Sternopygidae)
    • (ナイフフィッシュ科)(Rhamphichthyidae) - アマゾン川に生息する弱電気を放つ淡水魚[16]。発電魚としてはSternopygus、Eigenmannia、Hypopomus、Rhamphichysなどの4種が知られている[16]
    • (ハイポポミド科)(Hypopomidae)
    • (アプテロノティド科)(Apteronotidae) - 南アメリカに生息する淡水魚で、1から3ボルト程度の電圧を発する[16]
    • (ジムノティド科)(Gymnotidae) - (カラポ)を代表とする中部アメリカ、南アメリカに生息する淡水魚[16]
    • (デンキウナギ科)(Electrophoridae) - 本稿で記述。
  • スズキ目(Perciformes)
    • (ミシマオコゼ科)(Uranoscopidae)
  • (モルミリ目)(Mormyriformes)
    • (ジムナルキド科)(Gymnarchidae)((ギュムナルクス科)) - アフリカ、ナイル川に生息するジムナーカスなどが、1から2ボルト程度の弱い発電ができる[16]
    • (モルミリド科)(Mormyridae)((モルミルス科)) - アフリカ、ナイル川に生息するエレファントノーズフィッシュなどが、2から5ボルト程度の弱い発電ができる[16]

写真

脚注

  1. ^ a b c Electrophorus electricus - Froese, R. and D. Pauly. Editors. 2009.FishBase.World Wide Web electronic publication.www.fishbase.org, version (08/2009)
  2. ^ a b 内田亨監修 『学生版 日本動物図鑑』 北隆館、1948年初版・2000年重版 ISBN (4832600427)
  3. ^ 更新・改訂される可能性あり。2009年11月閲覧
  4. ^ ITIS(統合分類学情報システム)データベース - Electrophorus electricus (Linnaeus, 1766) 更新・改訂される可能性あり。2009年11月閲覧
  5. ^ 福井篤監修『講談社の動く図鑑move 魚』、講談社2012年、176頁
  6. ^ 檜山義夫監修 『野外観察図鑑4 魚』 旺文社 1985年初版・1998年改訂版 ISBN (4010724242)
  7. ^ https://karmanima.net/archives/32669
  8. ^ 【動画】寺泊水族館 デンキウナギ
  9. ^ 【動画】馬も倒す?デンキウナギの「水上攻撃」
  10. ^ 馬も倒せる? デンキウナギは水面から飛び出して敵に攻撃することが判明
  11. ^ 今泉忠明監修『危険生物大図鑑』、株式会社カンゼン、2014年、135頁
  12. ^ a b A. Ann. Phys. 25, 34–43 (1807).
  13. ^ natureダイジェスト: デンキウナギの跳躍アタック
  14. ^ PNAS:Leaping eels electrify threats, supporting Humboldt’s account of a battle with horses
  15. ^ 菅原美子「電気感覚系の比較生物学 I 電気器官と発電機構の多様性」『比較生理生化学』第13巻第1号、日本比較生理生化学会、1996年、34-47頁、doi:10.3330/hikakuseiriseika.13.34、ISSN 0916-3786。 
  16. ^ a b c d e f g h i 菅原美子 - 電気魚の種属

外部リンク

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