» www.Giftbox.Az - Bir birindən gözəl hədiyyə satışı
ウィキペディアランダム
毎日カテゴリ
共有: WhatsappFacebookTwitterVK

ディラック定数

換算プランク定数(かんさんプランクていすう、: reduced Planck constant)またはディラック定数(ディラックていすう、: Dirac's constantħ は、プランク定数 h2π で割った値を持つ定数である。

換算プランク定数
ディラック定数
reduced Planck constant
Dirac's constant
記号 ħ
相対標準不確かさ ゼロ
語源 マックス・プランク
ポール・ディラック
(テンプレートを表示)

数値

2019年5月20日に施行された新しいSIの定義では、プランク定数を定義値として定めることによって質量キログラム)を定義している。このためディラック定数も定義値となり、不確かさのないものとなった。

その値は

 

である[1][2]ħ は「エイチ・バー」と読む。

物理的意義

物理的には、プランク定数が周波数 νエネルギー E の間の比例定数を意味するのに対して、換算プランク定数は角周波数 ω とエネルギー E の間の比例定数を意味する。すなわち、

 

の関係が成り立っている。また、以下のように運動量 p角波数 k の間の比例定数と見ることもできる。

 

ディラック定数は原子単位系における作用の単位である。

角運動量

電子軌道角運動量 L の大きさ |L|z 成分 Lz

 

と表され[3]:138,334頁[4]、ディラック定数を基本単位としていることが分かる。ここで、n主量子数とすると、ll = 0, 1, 2, 3, ⋯, n − 1 までの値を取る方位量子数[3]:335頁[4][5]mm = 0, ±1, ±2, ⋯, ±l(2l + 1) 個の値を取る磁気量子数で[3]:138頁[4][6]、軌道角運動量を極座標 (r, θ, φ) で表わした場合の部分が l動径部分が m である[4]。また、電子スピン角運動量±1/2ħ[7]量子力学の分野ではプランク単位系を用いることが多く、その場合の電子のスピンは ±1/2 と書き、この ±1/2 をスピン量子数と呼ぶ。

二原子分子の(回転運動)を表す際、J回転量子数とすると、回転の角運動量の大きさは J(J + 1)ħ、回転運動のエネルギーは BJ(J + 1) と表され、回転定数 B の中に B = ħ2/2I とディラック定数が現れる。ここで、I は分子の重心まわりの主慣性モーメントの非零成分である[3]:51頁

不確定性原理

量子力学によって記述されるような物理現象観測においては、不確定性原理によって位置不確かさ Δx運動量の不確かさ Δp の積 Δx⋅Δp、あるいはエネルギーの不確かさ ΔE時間の不確かさ Δt の積 ΔE⋅Δt は、ħ/2 より小さくなることはないとして

 

と表される[3]:303頁[8]


記号

ディラック定数には H にバーを付した Ħ の小文字 ħ が用いられることもあるが、Unicode には専用の文字 U+210F planck constant over two pi が用意されている。またTeXでは \hbar コマンドが用いられる。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+210F 1-3-61 ℏ
ℏ
PLANCK CONSTANT OVER TWO PI

脚注

[脚注の使い方]
出典
  1. ^ CODATA Value
  2. ^ CODATA Value
  3. ^ a b c d e 物理小事典
  4. ^ a b c d 化学小事典
  5. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『(方位量子数)』 - コトバンク
  6. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『(磁気量子数)』 - コトバンク
  7. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『(スピン量子数)』 - コトバンク
  8. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)『(不確定性原理)』 - コトバンク

参考文献

  • “dirac's constant”. The American Heritage® Science Dictionary (1st ed.). Boston: Houghton Mifflin Harcourt. (January 25, 2005). (ASIN) B001P5HDQI. ISBN (0618455043). NCID BA73925776. OCLC 56356196. http://dictionary.reference.com/browse/dirac's+constant 
  • 『物理小事典』(第4版)三省堂、2008年(原著1994年4月1日)。(ASIN) 4385240167。ISBN (978-4385240169)。 NCID BN10774805。OCLC 675375379。(全国書誌番号):(94041161)。 
  • 『化学小事典』(第4版)三省堂、2008年(原著1993年12月)。(ASIN) 4385240256。ISBN (978-4385240251)。 NCID BN10357874。OCLC 674607619。(全国書誌番号):(95021622)。 

関連項目

外部リンク

  • “CODATA Value: Planck constant over 2 pi”. NIST (2019年5月20日). 2019年5月31日閲覧。
  • “CODATA Value: Planck constant over 2 pi in eV s”. NIST (2019年5月20日). 2019年5月31日閲覧。
  • デジタル大辞泉『(ディラック定数)』 - コトバンク
  • Dirac h - ブリタニカ百科事典
ウィキペディア、ウィキ、本、library、論文、読んだ、ダウンロード、自由、無料ダウンロード、mp3、video、mp4、3gp、 jpg、jpeg、gif、png、画像、音楽、歌、映画、本、ゲーム、ゲーム。