「チェッ・チェッ・チェッ -涙にさよならを-」は、1964年11月20日にビクターレコードより発売された橋幸夫の59枚目のシングルである(SV-150)。副題の「涙にさよならを」を題名とした松竹映画が作成され主題歌となった。後に日本ビクター出版よりミュージックブック「涙にさよならを」(MBK3123)が制作、発売されている。
概要
- 作詞佐伯孝夫、作曲吉田正による、橋のリズム歌謡は、本楽曲で3曲目となる。第1作の「恋をするなら」はサーフィン、第2作の「ゼッケンNO.1スタートだ」はホットロッド、本作「チェッ・チェッ・チェッ -涙にさよならを-」はサブロックのリズムで制作されている。なお橋は、翌年、一連のリズム歌謡で、第7回日本レコード大賞企画賞を獲得している[1]。
- リズム歌謡は通常夏の季節だが、本作は歌詞に「雪」が出てくることから唯一冬を対象にしている。
- 特徴的なタイトルについて、橋は、「佐伯先生の感詞といいましょうか、感覚的な歌詞でした。”チェッ”という舌打ちを三つ重ねて”残念”くやしいという意味を持たせただけでなく、リズム感も出している」と評している[2]。
- 「平凡」ランキング連続3ヶ月トップ、「明星」ランキング連続3ヶ月トップ。
- c/wの「愛をこめて」も佐伯、吉田による楽曲である。この年の橋のシングルリリースは15枚に達した(翌年も15枚)[3]。
- 本楽曲で橋のビクターヒット賞は50となり、デビューから僅か4年半で前例のない記録を樹立している[4]。
収録曲
- チェッ・チェッ・チェッ -涙にさよならを-
- 作詞:佐伯孝夫、作・編曲:吉田正
- 愛をこめて
- 作詞:佐伯孝夫、作・編曲:吉田正
収録アルバム
- 『橋幸夫 ザ・ベスト』(2012.07.25)
- 『元祖! リズム歌謡』( 2005.06.29)
- 『SWIM! SWIM! SWIM!』(2005.07.21)
- 『〈TWIN BEST〉』(1998.11.06)
- 『吉田正 自撰77曲(下)』(1998.07.23)
- 『<BEST ONE> 橋 幸夫』(1996.10.23)
他
関連作品
映画「涙にさよならを」
涙にさよならを | |
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監督 | 前田陽一 |
脚本 | (光瀬信彦) |
原作 | 菊村到 |
製作 | (今泉周男) |
出演者 | 橋幸夫、倍賞千恵子 |
音楽 | 小川寛興 |
撮影 | 竹村博 |
編集 | 大澤しづ |
製作会社 | 松竹 |
公開 | 1965年1月3日 |
上映時間 | 79分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
- 橋幸夫、倍賞千恵子が「花の舞妓はん」に引きつづいて五度目の共演。1965年1月3日に松竹系で公開された。79分。
- スポーツカーのセールスマン大畑京一(橋幸夫)の婚約者みどり(夏圭子)はカメラマンを志望。
- ある日、京一は、ホテルで、スリを働いた老人を捉え、許すも、その一瞬をみどりのカメラが捉える。これが、週刊誌に〝決定的瞬間〟として掲載され、老人の一人娘久美子(倍賞千恵子)は絶望し、郷里越後湯沢へ家出する。責任を感じたみどりと京一は久美子を探しだし、父親ともども職の世話し、結果として、二人は互いに好意を抱くようになる。
- ある日、京一は老人がスッた自動車免許証がもとで、観光会社の社長鮫岡らを中心とする麻薬団に狙われる。それは、彼等の犯罪(殺人)を証明するものだったのだ。やがて魔の手は老人や久美子にも延び、ここから、雪山を舞台にハードなアクションが展開されることになる。橋が犯罪者集団と戦う、歌謡映画としては異色の青春アクション映画となっている[5]。
スタッフ
出演者
- 大畑京一:橋幸夫
- 大畑美苗:香山美子
- 服部松太郎:藤原釜足
- 服部久美子:倍賞千恵子
- 本庄:北龍二
- 本庄みどり:夏圭子
- 関口:入川保則
- 鮫岡:石黒達也
- 伊達:(諸角啓二郎)
- 林:高野真二
- 辰:佐々木功
- 黒井:(沖秀一)
- 老婆:(江間光括)
- 待田貞子:村上記代
- ヒゲの刑事:(滝久志)
- 伊原刑事:(松平尭)
- ウェイター:(荒瀬友幸)
映像ソフト
- 2000年5月21日にこの作品のビデオソフトが発売された(規格:VHS、廃盤)。
同時上映
『大根と人参』
ミュージックブック「涙にさよならを」
- 楽曲のヒットと映画制作を受け、ミュージックブック「涙にさよならを」が、1965年1月日本ビクター出版より発売された(MBK3123)。
- 主な内容は以下のとおりで、片面ソノシートが4枚付属している。
- 巻頭カラーグラビア
- スキーでサブロック(スキーを滑る橋)
- 対談「スキーってたのしいね」(橋幸夫、倍賞千恵子)
- グラビア、歌詞紹介
- 「涙にさよならを」ストーリー紹介
- ロケだより「すばらしい5日間」
- 橋幸夫ポケットメモ
- ソノシートの楽曲「チェッ・チェッ・チェッ -涙にさよならを-」はセリフ入りで、シングルレコードとは異なっている。