『ソウル・ステーション』 (Soul Station) は、ジャズのテナー・サックス奏者であるハンク・モブレーが、ブルーノート・レコードから1960年に発表したアルバム(カタログ番号:BLP 4031)。このアルバムに続いて発表された『ロール・コール』とともに、モブレーの最も有名なアルバムとなっている。
概要
ヴァン・ゲルダー・スタジオで録音されたこのアルバムは、ハード・バップのスタイルに根差したものとなっている。
モブレーのカルテットには、アート・ブレイキー(かつて所属していた(ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)のバンドリーダー)、後に(マイルス・デイヴィス・クインテット)でバンドメイトとなるウィントン・ケリーとポール・チェンバースが加わっていた。このアルバムの最初と最後の曲には、いずれもスタンダード曲であるアーヴィング・バーリンの「(リメンバー)」と、(ラルフ・レインジャー)と(レオ・ロビン)の「(イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー)」が置かれている。この2曲に挟まれる形で、ブルージーなタイトル曲「(ソウル・ステーション)」とアップテンポの「ジス・アイ・ディグ・オブ・ユー」など、モブレー作の新曲4曲が配されている。
評価
ルディ・ヴァン・ゲルダーが手がけたCD盤に寄せられたライナーノーツで、ジャズ評論家のボブ・ブルーメンソール (Bob Blumenthal) は、このアルバムはモブレーにとって、ソニー・ロリンズにとっての『サキソフォン・コロッサス』、ジョン・コルトレーンにとっての『ジャイアント・ステップス』のようなものであることを説明している。ブルーメンソールは、この録音を「ブルーノート・レーベルはもとより、あらゆるレーベルに残された最も上質のプログラムのひとつ」とも述べた[4]。
このアルバムに星5つを付けたオールミュージック (AllMusic) のレビュー担当者ステイシア・プロフロック (Stacia Proefrock) は、「総じて、このアルバムは、過小評価されているバップ時代のミュージシャンたちのひとりによる輝く星なのである。」とレビューを締めくくっている[2]。
トラックリスト
特記のない曲は、ハンク・モブレーの作曲作品。
Side one
# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「(リメンバー ) / Remember」 | |
2. | 「ジス・アイ・ディグ・オブ・ユー / This I Dig of You」 | |
3. | 「ディグ・ディス / Dig Dis」 |
Side two
# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「スプリット・フィーリンズ / Split Feelin's」 | |
2. | 「ソウル・ステーション / Soul Station」 | |
3. | 「(イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー) / If I Should Lose You」 |
パーソネル
- ハンク・モブレー – テナー・サクソフォーン
- ウィントン・ケリー – ピアノ
- ポール・チェンバース – ベース
- アート・ブレイキー – ドラムス
- アルフレッド・ライオン – プロデューサー
- ルディ・ヴァン・ゲルダー – ミキシング
- フランシス・ウルフ – カバー写真
- リード・マイルス – カバー・デザイン