概要
雨宮慶太の初劇場公開作品[1]。元々オリジナルビデオ映画『未来忍者 慶雲機忍外伝』(1988年)の続編として企画したが実現せず、3,000万円ぐらいの低予算の中で出来る作品を再考し、本作の製作に至ったという[2][3][注釈 1]。銃器などの小道具の一部は、『未来忍者』の使いまわしである。低予算ながら、人形アニメーションやオプチカル合成などの特撮のみならず、コンピュータグラフィックスも積極的に取り入れられている[1]。また、竹谷隆之によるゼイラムの造形は後に大きな評判を呼び、彼の海外人気が高まるきっかけにもなった。
また、当初は『未来忍者』に出演した井田州彦の主演作として企画されていた[3]ものの、「男ばかりで色気がないから」という理由でヒロインのイリアを登場させることとなり、雨宮自身はこれについて「俗っぽい発想」と述べている[2]。
当時の雨宮は、特撮テレビドラマ『鳥人戦隊ジェットマン』の監督も務めており、同作品の第1話・第2話の撮影を終えた後に一旦離脱し、本作品の撮影に入っている[5]。
あらすじ
異星人の賞金稼ぎイリアは、逃走した太古の生物兵器"ゼイラム"を捕獲するため、地球上に制限時間付きの無人密閉空間ゾーンを作る。ところが些細な偶然から、二人の地球人がそこに入り込んでしまう。ゾーンは制限時間を迎えると、空間の中身ごと消滅する。足手まといの彼らを守りながら敢行されるイリアの"ゼイラム"捕獲作戦とゾーンからの脱出は成功するのか。
スタッフ
キャスト
映像ソフト
派生作品
- 1994年に、同作をアニメーション化したOVA作品『I・Я・I・A ZЁIЯAM THE ANIMATION』が発売され、続編である『ゼイラム2』が劇場公開されている。
- 2007年7月には、カプセル兵団により舞台化(脚本・演出:吉久直志)、東京・笹塚ファクトリーにて5日間7ステージ上演。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c 宇宙船155 2016, p. 117, 「ゼイラム&ゼイラム2」
- ^ a b 石井博士ほか「特撮監督インタビュー - 雨宮慶太」『日本特撮・幻想映画全集』勁文社、1997年6月5日、328-330頁。ISBN (4-7669-2706-0)。
- ^ a b 宇宙船155 2016, pp. 118–119, 取材・構成 トヨタトモヒサ「[対談]雨宮慶太×井田國彦」
- ^ a b 『宇宙船』vol.154(AUTUMN 2016.秋)、ホビージャパン、2016年10月1日、99頁、ISBN (978-4-7986-1312-3)。
- ^ 「スーパー戦隊制作の裏舞台 雨宮慶太」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1991』《鳥人戦隊ジェットマン》講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年5月10日、32頁。ISBN (978-4-06-509613-0)。
参考文献
外部リンク
- バンダイビジュアル商品情報