セレニド(selenide)あるいはセレン化物はセレンが酸化数−2のアニオン (Se2−) として含まれている化合物であり、硫黄におけるスルフィド(硫化物)に対応する。セレニドとスルフィドの化学は似通っている。
スルフィドと同様に、水溶液中ではセレニドイオン (Se2−) は非常に塩基性が高い条件でのみ存在できる。中性条件では、セレニド水素イオン (HSe−) の状態が一般的である。酸性条件では、セレン化水素 (H2Se) が生成する。
一部のセレニドは空気中で酸化される。セレニドの強い還元力により、金属セレニドはスルフィドよりも容易に分解する(テルリドはさらに不安定である)。セレン化アルミニウムといった陽性金属のセレニドは空気中の湿気でも容易に加水分解され、有毒なセレン化水素ガスが発生する。
純粋な(セレン化鉱物)は希少であり、通常は多くの硫化鉱物中のスルフィドが部分的に置換された形で見出される。しかし、この置換の程度について商業的に関心が持たれるのは(硫銅鉱)の場合のみである。したがって、セレンは銅採掘の副産物として回収される。セレン化鉱物としては(セレン鉄鉱)や(ユマング鉱)が知られている[1]。
例
- (セレン化ガリウム(II))
- (セレン化インジウム(III))
- セレン化ナトリウム, Na2Se
- (セレン化カドミウム)
脚注
外部リンク
- Selenide Nanoparticles Used In Solar Energy Conversion.