由来
ジン・フィズは、1888年、ニューオーリンズの「インペリアル・キャビネット・サロン」のオーナーである(ヘンリー・ラモス)が初めて作ったとされている[3]。1888年に(レモン・スカッシュ)にジンを加えたカクテルをラモスは「ジン・フィズ」の名称で販売した[3]。
「フィズ (fizz)」とは、ソーダ水の泡のはじける「シューッ」という音を表す擬音語である[3]。
スピリッツやリキュールに甘味(砂糖)、酸味(レモンなど)を加えてシェークし、ソーダ水で割った飲物を「フィズ」と言い、ウイスキー・フィズ、ブランデー・フィズ、カカオ・フィズ、バイオレット・フィズなどがある。
同時期(19世紀半ば)にイギリスで創作されたトム・コリンズはジン・フィズと同じ材料を使い(分量は異なる)、作り方も同じ。使用するグラスがジン・フィズがタンブラーであるのに対し、トム・コリンズはコリンズグラスを用いる。このため、「兄弟カクテル」と呼ばれることもある[4][5]。
標準的なレシピ
- ドライ・ジン - 45 ml
- レモン・ジュース - 15-20 ml
- 砂糖 - 2ティースプーン
- ソーダ水 - 適量
作り方
備考
- 1ティースプーンほどのミルクを加え、味をまろやかにする場合もある。
- レモン・スライスを添えてもよい。
ジンベースのフィズ
ジンをベースとした、フィズというスタイルのカクテルは他にもあり、名前を挙げればきりがない(テキサス・フィズ、シルバー・フィズ、ゴールデン・フィズ、ローヤル・フィズなど)のだが、ここでは幾つかレシピを紹介する。
- シルバー・フィズ(Silver Fizz)[6]
- ジン・フィズに卵白(鶏卵)を加えたもので、水と混ざりにくい卵白をシェイクによって混ぜるため、ジン・フィズを作る時よりも強くシェイクする必要がある。近年ではブレンダーを用いることも多い。
- ゴールデン・フィズ(Golden Fizz)[6]
- ジン・フィズに卵黄(鶏卵)を加えたもの。作り方はシルバー・フィズと同様。
- ロイヤル・フィズ(Royal Fizz)[7]
- ジン・フィズに全卵(鶏卵)を加えたもの。作り方はシルバー・フィズと同様。
- テキサス・フィズ(Texas fizz)[8][9]
- ジン・フィズのレモン・ジュースをオレンジジュースに替えたもの。作り方はジン・フィズと同様。コリンズグラスに注ぐ。スライスしたオレンジを飾ることもある。
- 名称はアメリカのテキサス州に由来する。
- オレンジ・フィズ[10]
-
- オレンジ・ジュース = オレンジ半分を絞った程度の量
- レモン・ジュース = レモン4分の1を絞った程度の量
- ドライ・ジン = 30ml
- オレンジ・ジュース、レモン・ジュース、ドライ・ジンをシェイクして、タンブラー(容量240ml程度)に注いで、炭酸水で満たせば完成。
- その他
- 欧米諸国ではフィズ・スタイルのカクテルを、ジン・フィズに各種リキュールを入れて作る。
出典
- ^ (桑名伸佐監修)『カクテル・パーフェクトブック』日本文芸社、2006年、59頁。ISBN (978-4-537-20423-0)。
- ^ YYT project編『おうちでカクテル』池田書店、2007年、68頁。ISBN (978-4-262-12918-1)。
- ^ a b c 『カクテル教室』保育社、1996年、77頁。ISBN (9784586508877)。
- ^ “トム・コリンズ”. サントリー. 2019年3月8日閲覧。
- ^ 斎藤都斗武、佐藤淳『カクテルの図鑑』マイナビ出版、2013年、43頁。ISBN (9784839946234)。
- ^ a b (吉田芳二郎)『洋酒入門』(第二版)保育社、1992年、82頁。ISBN (978-4-586-50828-0)。
- ^ Robyn M. Feller. The Complete Bartender (Updated). Penguin. p. 303. ISBN (9781101220740)
- ^ 斎藤都斗武、佐藤淳『カクテルの図鑑』マイナビ出版、2013年、42頁。ISBN (9784839946234)。
- ^ THE PLACE『カクテル事典』学研パブリッシング、2014年、79頁。ISBN (9784058003206)。
- ^ 片方善治『洋酒入門』社会思想社、1959年、129頁。