"ジョー"ジョゼフ・イサドア・リーバーマン（英語：Joseph Isadore "Joe" Lieberman、1942年2月24日 - ）は、アメリカ合衆国の政治家、法律家。コネチカット州上院議員、同州選出連邦上院議員などを歴任した。宗教はユダヤ教である。2000年アメリカ合衆国大統領選挙での民主党の副大統領候補であった。
| ジョー・リーバーマン Joe Lieberman | |
|---|---|
| 2005年12月5日 | |
| 生年月日 | 1942年2月24日（81歳） |
| 出生地 | アメリカ合衆国 コネチカット州スタンフォード |
| 出身校 | イェール大学 イェール・ロー・スクール |
| 現職 | 政治家 法律家 |
| 所属政党 | 無所属（2007 - ） 民主党（1989 - 2006） |
| 称号 | 文学士（イェール大学） 法学士（イェール大学） |
| 配偶者 | ベティ・ハース（1965 - 1981） ハダサー・リーバーマン（1982 - ） |
| 子女 | 4人 |
| サイン | |
| 公式サイト | [ ] |
| 選挙区 | コネチカット州 |
| 在任期間 | 1989年1月3日 - 2013年1月2日 |
アメリカ合衆国上院 国土安全保障・政府問題委員会委員長 | |
| 在任期間 | 2007年1月3日 - 2013年1月3日 |
| 大統領 | ジョージ・W・ブッシュ バラク・オバマ |
アメリカ合衆国上院 政府問題委員会委員長 | |
| 在任期間 | 2001年1月3日 - 2001年1月20日 2001年6月6日 - 2003年1月3日 |
| 大統領 | ビル・クリントン ジョージ・W・ブッシュ |
コネチカット州 第21代検事総長 | |
| 在任期間 | 1983年1月5日 - 1989年1月3日 |
| 州知事 | ウィリアム・オニール |
コネチカット州 上院議員 | |
| 在任期間 | 1971年1月 - 1981年1月 |
| 州知事 | トーマス・メスキル エラ・グラッソ ウィリアム・オニール |
経歴
1942年2月24日にコネチカット州スタンフォードに誕生する。イェール大学で政治学と経済学を学び、1967年にイェール・ロー・スクールを卒業した。父親はポーランド系ユダヤ人、母親はオーストリア系ユダヤ人で、妻のハダサーと共に敬虔なユダヤ教徒として知られる。そのため、安息日には審議に参加しないことも度々である。
1970年に政界入りし、地元であるコネティカット州の上院議員選挙に出馬して当選した。1980年には国政進出に打って出るが、当時のロナルド・レーガン旋風の前に上院選挙で共和党候補に敗北。1982年に地元であるコネティカット州の検事総長に就任し、1986年に再選された。1988年には8年前に敗北した上院選挙に再出馬して雪辱を果たし、以来上院議員に4期連続当選した。民主党の中では最右派の1人で、ビル・クリントンが大統領在任中にモニカ・ルインスキー・スキャンダルに直面した際はクリントン大統領を激しく批判した。
2000年アメリカ合衆国大統領選挙においてアル・ゴアの伴走者として民主党の副大統領候補に指名され、ユダヤ教徒として初の2大政党の正副大統領候補者となる。しかし本選挙では大接戦の末に敗北した。リーバーマンは同年に上院議員の改選を迎えていたが、コネティカットでは公職の重複立候補が可能の為、その職に留まることができた。
その後発足したジョージ・W・ブッシュ大統領とは大統領選挙のしこりがあり、政権発足当初は険悪だったが、アメリカ同時多発テロ事件の直前に宗教団体への公的助成を可能とする法案に賛同したことから関係が修復した。ゼル・ミラーと共に、民主党内の最右派として積極的にジョージ・W・ブッシュ政権を支える立場となる。9・11の後は「イラク討つべし」の論陣を張り、イラク戦争に関してはジョン・マケイン上院議員と共に自ら決議案を提出し、ジョージ・W・ブッシュ大統領がローズガーデンで演説した際にはマケインと共にジョージ・W・ブッシュの両脇に陣取り、国民合意を演出した。
2004年アメリカ合衆国大統領選挙においては、2000年アメリカ合衆国大統領選挙に出馬していたアル・ゴア元副大統領に対する仁義から当初は出馬を見合わせていたが、ゴアが不出馬を表明したことから出馬を決意した。しかしながら、民主党の予備選挙前にジョン・フォーブズ・ケリー上院議員が既に大きな勢いを得ており、結果は連戦連敗となり、オクラホマ州での予備選挙敗北後に撤退を表明した。リーバーマンは初戦のアイオワ州を捨て、2戦目のニューハンプシャー州に資金と労力を全力投入させる戦術を採ったが（同戦術は友人であるジョン・マケイン上院議員の2000年アメリカ合衆国大統領選挙の際のアイデアでもある）有権者の投票行動にはほとんど反映しなかった。
イランの核武装阻止のための限定空爆論や、イスラエル支援政策に対しても、民主党内では異例の強い支持を表明し続け、また積極的差別是正措置や同性結婚への反対を表明したこともあり、2006年11月の中間選挙のコネティカット州上院選挙においては党内の左派の支持を得られず、現職ながらも民主党候補を選ぶ州予備選挙に敗北した。しかし無所属での出馬を表明した後にルドルフ・ジュリアーニ、ニュート・ギングリッチらの共和党要人が、共和党候補を差し置いて支持を表明。さらに一部の民主党連邦議会議員も民主党公認候補を差し置いて支持する。一方で予備選挙ではリーバーマンを支持していたヒラリー・クリントン、バラク・オバマらの大多数の民主党連邦議会議員は民主党公認候補へ支持を切り替え、民主党候補とリーバーマンの事実上の一騎討ちの形勢[2]となる。結果リーバーマンは当選し（4選目）、その後復党はしていないが民主党の会派には復帰した。なおウィキリークスを強く批判している。
2008年アメリカ合衆国大統領選挙を巡っては早くから共和党候補者を支持する可能性が示唆されていたが、2007年12月17日にニューハンプシャー州で「党派よりも、友情や憂国の情が優先する」と述べ、イラク戦争など外交・安全保障政策を共有する共和党のジョン・マケイン上院議員支持を明言した[3]。ニューハンプシャー州をはじめ、ミシガン州やフロリダ州のマケインの遊説にもリーバーマンは同行し、マケイン支持を訴えた。また、同年の共和党大会では初日の基調演説でマケイン支持を訴えている[4]。共和・民主両党の党大会で基調支援演説を行ったのは前述のゼル・ミラーとリーバーマンのみである。
大統領選挙後は造反したリーバーマンの処遇が注目されていたが、民主党は会派から追放せず残留を求めるよう要望。国土安全保障・政府問題委員会委員長の職は留まるが、環境公共事業委員会の小委員長は辞するものと見られる[5]。
2011年1月18日に次回の2012年上院選挙に出馬せず引退する意向であると報じられ[6][7]、実際に出馬せず引退した。2006年の上院選挙では非公認ながら再選されたものの、2012年の上院選挙を巡っては各種世論調査で厳しい調査結果が相次いでいたため、再出馬を断念したものと見られている。
2018年12月にリーバーマンは中国の電機メーカーであるZTEにロビイストとして雇われ、アメリカ政府によるセキュリティ問題の払拭を無くし、中国のスパイ活動の不安を取り除き、製品を使うようなロビー活動を行うと報道された[8]。
脚注
- ^ “The Lieberman Phenomenon”. Dr. Samuel Heilman - The Edah Journal Volume 1:1. 2011年12月31日閲覧。
- ^ 共和党候補はカジノで偽名を用いたことが報道され、カジノの店内規則で不正行為とされるカードカウント（記事ブラックジャック参照）を行っていたのではないかという疑惑が持ち上がったために支持率が急落していた。
- ^ Joe Lieberman Endorses John McCain
- ^ JOE LIEBERMAN: Fmr. Democrat Addresses GOP ConventionPoliticstv,2008年9月3日
- ^ 造反したリーバーマン氏に“恩赦”、民主党会派に残留へ 米上院 2008年11月19日 MSN産経ニュース
- ^ “元米副大統領候補、リーバーマン上院議員引退”. 読売新聞. (2011年1月19日) 2011年1月19日閲覧。
- ^ Joe Lieberman to retire from US Senate next yearBBC・NEWS,2011年1月19日
- ^ https://www.cnbc.com/2018/12/14/joe-lieberman-zte-to-lead-national-security-assessment-of-products.html
関連項目
外部リンク
- United States Congress. "リーバーマン (id: L000304)". Biographical Directory of the United States Congress (英語).
- Profile on SourceWatch
- Profile on OpenCongress, formerly Congresspedia
- Lieberman's Senate Voting Record 1989–2000 from Counterpunch
- Senator Lieberman on the 2009 Economic Recovery
- Watch: Joe Lieberman visits the Warner Theatre in Torrington, CT
- Joe Lieberman speaks at "Christian-Zionist" meeting, praising John Hagee (Lieberman appears at approx. 5:30)
| アメリカ合衆国上院 | ||
|---|---|---|
| 先代 (ローウェル・P・ウェイカー・ジュニア) | コネチカット州選出上院議員（第1部） 1989年1月3日 - 2013年1月2日 同職：(クリス・ドッド) (リチャード・ブルメンソール) | 次代 (クリス・マーフィー) |
| 先代 フレッド・トンプソン | (上院政府問題委員会)委員長 2001年1月3日- 2001年1月20日 | 次代 フレッド・トンプソン |
| 先代 フレッド・トンプソン | (上院政府問題委員会)委員長 2001年6月6日- 2003年1月3日 | 次代 スーザン・コリンズ |
| 先代 スーザン・コリンズ | (上院国土安全保障・政府問題委員会)委員長 2007年1月3日 - 2013年1月3日 | 次代 (トム・カーパー) |
| 党職 | ||
| 先代 アル・ゴア | 民主党副大統領候補 2000 | 次代 ジョン・エドワーズ |
| 先代 (アンソニー・T・モフェット) | コネチカット州選出上院議員（第1部） 民主党候補 1988, 1994, 2000 | 次代 (ネッド・ラモント) |
| 先代 (デイヴ・マッカーディ) | 民主党指導者会議議長 1995–2001 | 次代 エヴァン・バイ |
| 司法職 | ||
| 先代 (カール・R・アジェロ) | コネチカット州検事総長 1983年1月5日- 1989年1月3日 | 次代 (クラリーン・ナルディ・リドル) |