シャーウッド数(シャーウッドすう、英: Sherwood number) は、(トーマス・シャーウッド)にちなんだ、物質移動操作に現われる無次元量であり、次式で定義される。
- k = (境膜物質移動係数) [m/s]
- L = 代表長さ [m]
- D = 拡散係数 [m2/s]
境膜の厚さを δ とすれば、シャーウッド数は、
となって、代表長さと境膜の厚さの比と見ることができる。
ヌセルト数との関連
物質移動におけるシャーウッド数は伝熱現象におけるヌセルト数Nu に対応しており、(チルトン・コルバーンのアナロジー)により、以下の関係が成り立つ[1]。
ここで、f は摩擦係数である。このアナロジーは充填層内の流れや、レイノルズ数の大きな管内流れなどでよく成立するが、球などの物体回りの流れの場合には形状抵抗のために摩擦係数f はこの式よりも大きくなる。
参考文献
- 浅野康一『物質移動の基礎と応用』丸善、2004年、11頁。ISBN (4-621-07356-7)。