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舌形動物

舌形動物(ぜっけいどうぶつ、学名Pentastomida: tongue worm)は、主に脊椎動物爬虫類哺乳類の肺や鼻腔に寄生する動物群。五口動物ともいい、シタムシ(舌虫)と総称される。かつては節足動物に類縁の動物、いわゆる舌形動物門として区別されていたが、のちに節足動物甲殻類に含まれることが明らかになった[1][2][3][4]

シタムシ(舌形動物)
分類
: 動物界 Animalia
上門 : 脱皮動物上門 Ecdysozoa
: 節足動物門 Arthropoda
階級なし : 汎甲殻類 Pancrustacea
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
上綱 : 貧甲殻上綱 Oligostraca
: ウオヤドリエビ綱 Ichthyostraca
亜綱 : 舌形亜綱 Pentastomida
学名
Pentastomida
Diesing, 1836
下位分類群
  • (ケファロバエナ目) Cephalobaenida
  • (ポロケファルス目) Porocephalida

学名「Pentastomida」(pente=5+stoma=口)は、頭部にある口と鉤を「5個の口」とみて名付けられたもの。学名は Pentastomida の他にも、Pentastoma(ただしこれは本群に分類される1属 Linguatulaシノニムでもある[5])・Linguatulida・Acanthotheca などがある。

特徴

外部形態

体長は1-15cm。形態は蠕虫型。あるいは舌型。体色は白か黄色で、透明なものが多い。鈎は褐色ないし金色。

頭胸部には先端に口があり、口の後方の左右に2対の鉤を持つ。ケファロバエナ目のものが原始的特徴を持つとされ、その仲間では、口も鉤も頭胸部から少し突き出した突起の上にある。先端に鈎を持つ突起は肢と呼ばれ、関節はないが伸縮性はある。それらは頭胸部の側面に突き出し、明らかに前後に2対が並ぶのがわかる。それに合わせて頭胸部には、不明瞭ながら3節がある。

胴部には細長く、多くの体節があるが、付属肢はない。肛門はその後端に、生殖孔は雌雄ともに腹部の前端に開く。ポロケファルス目では、頭胸部の鈎は直接に頭胸部の腹面にあり、口の左右にほぼ一列に並ぶ。これは、内側の対が前の、外側の対は後ろのものに相当する。また、生殖孔は雄では腹部前端、雌では腹部後方、ないし後端に開く。腹部は細長く、肺寄生のものでは円筒形、鼻腔に寄生するものでは腹背に扁平な傾向がある。腹部は多数の体節に分かれ、少ないものでは20未満、多いものでは100を超える。その数は種の特徴として扱われている。

内部形態

体腔は広く、消化管から体壁に続く結合組織によって区切られて、背腔と腹腔に区分される。

消化管は口から肛門に直線的に続き、前腸・中腸・後腸に区分できる。前腸と後腸はキチン質に覆われていて短く、消化管の大部分は中腸である。口はポンプのように液体を吸い込むことが出来て、宿主の血液や粘液を吸い込むことが出来る。

神経系には退化傾向が強く、特にポロケファリス目ではそれが著しい、基本的には消化管前端を巻くように配置する脳神経節と、そこから腹面に伸びる腹髄からなる。腹髄は縦に隙間があり、基本的にははしご形神経系に由来することがわかる。そこに3つ程度の神経節が区別できる。しかしポロケファリス目ではこの腹髄もほとんどなく、消化管の周囲の神経塊のみ、といった姿となる。

生殖と発生

全てが雌雄異体。普通は雄の方が採集されることが少ない。これは、雄の方が小さく、運動性が高いこと、また短命であるためとされる。雄の生殖孔には交接突起があって、これが雌の生殖孔を押し広げ、そこに精子が送り込まれる。精子は糸状で細長い頭部と尾部が同じくらいの長さとなる。

卵はごく小さく、種にもよるが径100μmに満たず、その数は50万に達する例がある。それらの多くは表面に粘着性があって、互いにくっつきやすく、また植物などに付着しやすい。卵割は全割、胚は節足動物に似た特徴がある。

幼生は、先端にキチン質の穿孔器、側面に2対の鈎を持つ。ケファロバエナ目では先端に鈎のある疣足状の付属肢があり、その姿はややクマムシに似る。ポロケファリス目では楕円形の体の側面に鈎だけがある。その後宿主の体内で脱皮を繰り返し、次第に成体の形になる。

分類

系統位置

シタムシは精子の構造、卵巣幼生の形態などから、節足動物との近縁性は古くから指摘されていたが、その独特な形態から節足動物として認められにくく、長らく独立の動物(舌形動物門)とされ、有爪動物カギムシ)、緩歩動物クマムシ)などとともに側節足動物としてまとめられることもあった。加藤 (1967) はこれについて論じ、このほかに類縁を主張された群として環形動物、節足動物の多足類クモガタ類などを挙げた上で、「ほんの2〜3の外部または内部構造の類似」を根拠とするもので、ここでそれについて論じるのは無意味、とまで書いている。またこの問題について、この類がよほど古い時代に寄生生活に入ったため、退化的変化が著しいのをその理由に挙げている。

しかし Zrzavý, Hypša & Vlášková (1997) 以降の分子系統解析では、シタムシは節足動物の甲殻類で、その中の鰓尾類チョウ類)に近縁であることが示された[1][2][3]。それに踏まえて、精子の顕微構造から形態学的にも鰓尾類との近縁性を支持する形質が指摘され、両者の類縁性の近さは分子系統解析と形態学の両面から支持されるに至り、甲殻類の分類群の1つであるウオヤドリエビ類(Ichthyostraca)としてまとめられるようになった[1]

下位分類

2、約100が知られる。

  • 舌形亜綱 Pentastomida
    • (ケファロバエナ目) Cephalobaenida
    • (ポロケファルス目) Porocephalida

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c Zrzavý, J., Hypša, V. & Vlášková, M. (1997). Arthropod phylogeny: taxonomic congruence, total evidence and conditional combination approaches to morphological and molecular data sets. Systematics Association Special Volume series 55 (Eds. Fortey, R.A. & Thomas, R.H.), Chapman & Hall, London. pp.97-107.
  2. ^ a b Regier, Jerome C.; Shultz, Jeffrey W.; Zwick, Andreas; Hussey, April; Ball, Bernard; Wetzer, Regina; Martin, Joel W.; Cunningham, Clifford W. (2010-02). “Arthropod relationships revealed by phylogenomic analysis of nuclear protein-coding sequences” (英語). Nature 463 (7284): 1079–1083. doi:10.1038/nature08742. ISSN 1476-4687. https://www.nature.com/articles/nature08742. 
  3. ^ a b Oakley, Todd H.; Wolfe, Joanna M.; Lindgren, Annie R.; Zaharoff, Alexander K. (2012-09-12). “Phylotranscriptomics to Bring the Understudied into the Fold: Monophyletic Ostracoda, Fossil Placement, and Pancrustacean Phylogeny”. Molecular Biology and Evolution 30 (1): 215–233. doi:10.1093/molbev/mss216. ISSN 1537-1719. https://academic.oup.com/mbe/article/30/1/215/1021983. 
  4. ^ “The Phylogeny and Evolutionary History of Arthropods” (英語). Current Biology 29 (12): R592–R602. (2019-06-17). doi:10.1016/j.cub.2019.04.057. ISSN 0960-9822. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0960982219304865. 
  5. ^ “Pentastoma”. The Free Dictionary. https://medical-dictionary.thefreedictionary.com/Pentastoma. 

参考文献

  • 町田昌昭. “II-20舌形動物門”. In 岩槻邦男馬渡峻輔(監修)白山義久(編集). 無脊椎動物の多様性と系統 
  • 武田正倫. “II-コラム11側節足動物たちと節足動物との系統関係”. (同上) 
  • 加藤光次郎、「舌形動物門」、in 内田亨監修、『動物系統分類学 第6巻 体節動物 環形動物 有爪動物 緩歩動物 舌形動物』、(1967)、中山書店
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