定義
コーヒーベルトは地球上の赤道付近、北回帰線と南回帰線との間の地域を指す[1][2][3][4]。この定義は、緯度による熱帯の定義と一致する。ただし、より簡単な緯度で北緯25度線と南緯25度線との間がコーヒーベルトであると説明される場合もある[1]。地球の南北の回帰線は、地球の自転軸が動いているなどの理由で少しずつ場所が変化しており、さらに、地球の場合1年間で秒のオーダーで移動するため、南北25度線との距離も常に変化しているものの、北回帰線はおおよそ北緯23度26分、南回帰線はおおよそ南緯23度26分なので、だいたい同じ範囲を指しているのが判る。
コーヒーとの関係
コーヒーノキには様々な種が存在しているものの、基本的に気温が0 ℃を下回ると枯死し、風の強い地域では5 ℃前後の気温でも枯死するくらい寒さに弱い植物である。さらに、コーヒーノキにコーヒー豆を得るための実が付くまでには数年を要する(春にコーヒーノキを植えて秋にコーヒーの実を収穫するというわけにはいかない)。したがって、高緯度地域では越冬できないため、その露地栽培が可能地域は必然的に年中気温が高いままで安定している赤道付近に限られる。地球上において、南北の回帰線にはさまれた場所は、太陽からのエネルギーを1年中効率良く受けられるため、比較的気温が高い。このようなこともあり、コーヒーベルトの緯度の範囲なら、高山などを除いて、基本的にどの種のコーヒーでも成長可能な気温となっている[5][6] 。しかしながら、たとえコーヒーベルトの中であっても、コーヒーノキは充分な降水量も必要とするので、降水量の少ない地域での栽培は難しく、また旱魃などが起こっても栽培は打撃を受けることがある。また、近年の地球温暖化の影響を受けて、コーヒーノキの栽培に適する気候を備えた地域も変わってきている。
出典
- ^ a b コーヒーの生育条件
- ^ Soin, Eija (September 2005). “Land use change patterns and livelihood dynamics on the slopes of Mt. Kilimanjaro, Tanzania”. Agricultural Systems 85 (3): 306–323. doi:10.1016/j.agsy.2005.06.013.
- ^ Lamb HH (1977). Climate: present, past and future. 2. p. 681. ISBN (0-06-473881-7)
- ^ Sevey, Glenn C. (1907). Bean Culture: A Practical Treatise on the Production and Marketing of Beans. Orange Judd Company. (ASIN) B000863SS2
- ^ Klos, Beth (2009年11月9日). “The Coffee Bean - Not a Fiend”. Brigham and Women's Hospital. 2009年11月11日閲覧。
- ^ Finck, Charlene (2006年7月29日). “Groundwork for Rust”. Farm Journal. 2009年11月11日閲覧。