キャメルマートは、岩手県に本社を置いていた日本のボランタリー・チェーンのコンビニエンスストアである。現在は運営会社は存在しない。
概要
最盛期は岩手県を中心に、秋田県、山形県、青森県に50店舗以上展開していた。
キャメルマートの運営母体である盛岡酒類商業協同組合は1948年に約450人が合計1230万円出資して協同組合を設立[2]、その後1973年12月に協同組合に加盟する店舗の活性化の為、岩手県に1号店がオープンした[3]。
1998年8月、創業メンバーである当時の大坊忠社長が夢にしていた新社屋である本部センターが完成した[4]。
しかしながら2000年6月30日、運営母体である盛岡酒類商業協同組合が倒産。同年初旬から返済が出来なくなり、負債総額が約10億円にまで拡大していた[2]。そして2004年11月30日、ファミリーマートに9店を譲渡した[5]。ファミリーマートは同年7月に盛岡市に初オープンしており、物流センターを設け多店舗展開を図ろうとしている最中であった[6]。加盟店の中にはファミリーマートではなく、全日食チェーンに加盟した店舗もある。
結局、20世紀末に加盟店200店、合計売上高300億円、本部利益1億円というSAP20計画は失敗に終わった[3]。
現在では、秋田県にある「キャメルマート 秋田八幡平」が不動産会社の運営で唯一営業を続けている。
サービス
キャメルマートはサービス4原則(Friendly・Cleanliness・Fresh・Quality)を掲げ、積極的に新たなサービスに挑戦していた[7]。
キャメルカード
1991年6月、直営店でキャメルカードというポイントカードを試験導入し、1992年4月には新しく更新したキャメルカードを導入した[8]。
買った金額がそのままポイントになり、5000ポイント貯める度に50円の割引券が付き、更に7冊貯めると500円の割引券が貰えた。ポイントを貯めるだけの機能だけでは無く、ホテル・ニッポンレンタカーの割引や利用者の中から抽選で現金が当たる宝くじまであった[9]。
キャメル便
2000年5月、キャメル便という宅配サービスを開始[8]。カタログから商品を選び(店内の扱っている商品でも出来る場合あり)電話で注文。3000円以上で無料で、3000円未満は利用料として200円掛かった[10]。
しかしながら、導入したもののあまり定着しなかった[11]。
その他
主なサービスとして電話料金受入代行サービス、バイクの自賠責保険取次ぎ、各種切符販売、インストア米飯・惣菜・ベーカリー販売など多様に行っていた[8]。
沿革
- 1973年(昭和48年)12月 - 岩手県に1号店がオープン。
- 1983年(昭和58年)4月1日 - 株式会社キャメルマートジャパンを設立。
- 1990年(平成2年)12月 - 秋田県に出店開始。
- 1991年(平成3年)3月 - 山形県に出店開始。
- 1992年(平成4年)7月 - 青森県に出店開始。
- 1994年(平成6年)7月 - 50店舗突破[8]。
- 1995年(平成7年)
- 6月 - 韓国眞露ベストア社とのコンビニエンスストア運営ノウハウ提供契約締結。
- 12月 - 60店舗突破。
- 1996年(平成8年)7月 - 70店舗突破。
- 1998年(平成10年)8月 - 新社屋である本部センターが完成。
- 2004年(平成16年)11月 - 加盟店29店のうち9店をファミリーマートに譲渡。
- 2017年(平成29年)11月 - 個人経営にて営業を続けていた「キャメルマート いへい」が閉店。これにより、岩手県からキャメルマートが完全に消滅。残るのは秋田県の1店舗のみとなった。
店舗数
1985年3月 | 10店 |
1993年7月 | 45店 |
1994年7月 | 50店 |
1996年6月 | 68店 |
1997年6月 | 75店 |
2001年 | 65店 |
2002年 | 57店 |
2003年 | 59店 |
2003年12月 | 45店 |
2004年9月 | 57店 |
2017年9月 | 2店 |
2020年9月 | 1店 |
マスコットキャラクター
キャメルマートにはマスコットキャラクターがおり、らくだの「らっくん」を始め、宴会星人・ ハラペコ星人・トコ夏星人・春咲星人がいた[12]。
脚注
関連項目
外部リンク
- (インターネット・アーカイブ)