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カラル・アルト天文台

カラル・アルト天文台[1] (Calar Alto Observatory) もしくはカラーアルト天文台[2]とは、スペインアルメリア県天文台である。(シエラ・デ・ロス・フィラブレス)山脈に含まれる(カラル・アルト山)の標高2168メートルの地点に位置している[3]。Centro Astronómico Hispano en Andalucía (CAHA) の名でも知られる。

カラル・アルト天文台
カラル・アルト2.2m望遠鏡のドーム
運営者 (アンダルシア宇宙物理学研究所) (IAA-CSIC)
(アンダルシア評議会)
コード 493
所在地 スペインアルメリア県
座標 北緯37度13分25秒 西経2度32分46秒 / 北緯37.22361度 西経2.54611度 / 37.22361; -2.54611座標: 北緯37度13分25秒 西経2度32分46秒 / 北緯37.22361度 西経2.54611度 / 37.22361; -2.54611
標高 2,168 m (7,113 ft)
ウェブサイト www.caha.es
望遠鏡
ウィキメディア・コモンズ
(テンプレートを表示)

この天文台にある3.5メートル望遠鏡は、ヨーロッパ本土の光学望遠鏡として口径が最も大きい(ただし、カナリア諸島ロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台には、さらに大きな望遠鏡が複数存在する)。2003年に(シュターケンブルク天文台)で(フェリックス・ホルムス)が発見した(小惑星カラルアルト)(小惑星番号189202)は、この天文台にちなんで命名された[3]

歴史

この観測所は1970年に提案され、スペインとドイツの共同開発で1975年7月に公式に開設された。当初、設置されていたのは1.23メートル反射望遠鏡だった。翌1976年には、0.8メートルシュミット式望遠鏡(1954年製)がドイツ・(ベルゲドルフ)のハンブルク天文台から移されてきた。

2018年までは、ドイツ・ハイデルベルクにあるマックス・プランク天文学研究所と、(スペイン国家研究評議会) (CSIC) の下部機関でグラナダにある(アンダルシア宇宙物理学研究所) (AII-CSIC) により、共同運営されていた。当時は Centro Astronómico Hispano-Alemán(スペイン語、略称は現在と同じCAHA)や Deutsch-Spanisches Astronomisches Zentrum(ドイツ語)とも呼ばれていた。

2019年にドイツが運営から退いた。代わりにアンダルシア評議会が AII-CSIC と共同運営する体制になった。

設備と研究

この天文台では主に4つの望遠鏡(3.5m, 2.2m, 1.23m, 0.8mシュミット)が使用されている。3.5メートル望遠鏡はヨーロッパ本土最大の光学望遠鏡で、赤道儀式架台を用いている。このほか、スペイン国立天文台が所有・運用する1.52メートル望遠鏡や、スペイン宇宙生物学センターが設置した小型のロボット望遠鏡がある。

カラル・アルト天文台の望遠鏡は、幅広い分野で用いられてきた。それらは太陽系天体の研究[3]宇宙論(AlhambraサーベイやCALIFAサーベイ)、太陽系外惑星の研究(CARMENESサーベイ)などである。(CALIFA)(英語版) (Calar Alto Legacy Integral Field Area Survey) は、(面分光器)(英語版)を用いて600個の銀河の分光マップを作成する天文プロジェクトである[4]

カラル・アルトからの観測により、100個近い小惑星が見つかっている。発見者はルボシュ・コホーテク (Luboš Kohoutek), Kurt Birkle, Ulrich Hopp, Johann M. Baur, Krisztián Sárneczky, Gyula M. Szabó, Felix Hormuth, Hermann Boehnhardt らである。これに加え、小惑星センターがカラル・アルトを発見者と認定している小惑星として次のものがある[5]

(63429) 2001 MH5 2001年6月21日
(94223) 2001 BU53 2001年1月17日
(99258) 2001 MF5 2001年6月21日
124143 Joséluiscorral 2001年6月21日
213269 Angelbarbero 2001年6月20日
(247170) 2001 BY10 2001年1月16日
(250482) 2004 DF79 2004年2月18日

カラル・アルト天文台は、自転車ロードレースのフィニッシュ地点としてたびたび選ばれている。2017年のブエルタ・ア・エスパーニャでは、ステージ11のフィニッシュ地点となった(ステージの勝者はMiguel Ángel López)。また、2004年や2006年のブエルタでもフィニッシュ地点となった。

出典

  1. ^ 富田弘一郎 (1979年3月). “カラル・アルト天文台見聞記” (pdf). 天文月報. 日本天文学会. pp. 105-107. 2020年4月6日閲覧。
  2. ^ “天文学辞典 » カラーアルト天文台”. 天文学辞典. 日本天文学会. 2020年4月6日閲覧。
  3. ^ a b c “189202 Calar Alto (2003 SM15)”. Minor Planet Center. 2017年1月19日閲覧。
  4. ^ S. F. Sánchez (February 2012). “CALIFA, the Calar Alto Legacy Integral Field Area survey. I. Survey presentation”. Astronomy & Astrophysics 538 (id.A8): 31. arXiv:1111.0962. Bibcode: 2012A&A...538A...8S. doi:10.1051/0004-6361/201117353. https://digital.csic.es/bitstream/10261/51884/1/CALIFA%2c%20the%20Calar%20Alto%20Legacy.pdf. 
  5. ^ “Minor Planet Discoverers (by number)”. Minor Planet Center (2017年1月12日). 2017年1月19日閲覧。

外部リンク

  • “Calar Alto Observatory homepage”. Centro Astronómico Hispano Alemán. 2005年12月12日閲覧。
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